飛行機自動車(スカイカー)の夢 4選

01 9月 2016

スカイカー

もとパイロットのわたしとしては、とても実現が難しいと思えるスカイカー4つをご紹介します。なぜ実現が難しいかというと単純にいって空には空の通行ルールがあって管制機関の指示に従わなければならないからです。また、広いアメリカはいざ知らず、日本では、空港・飛行場以外からの離発着は先ず不可能です。垂直離着陸ができるヘリコプターでさえ、離発着には場外申請という申請を航空局に事前に提出して認可を受ける必要があります。とくに離陸・着陸滑走を必要とするタイプのスカイカーは、飛行場からの離発着以外許可されないでしょう。だから、スカイカーを運転操縦できるひとは自動車運転免許と飛行機操縦免許を所持している必要があります。見た感じでは、飛行機ではなくウルトラライト(超軽量動力飛行機)に分類される感じです。というのは、飛行機として認可を受けるためには国家の型式証明というものを取得しなくてはなりませんが、この場合自動車と飛行機の双方の型式証明を取得しなければならず、認可は相当に難しいと思います。(記事写真出典:http://car-moby.jp/24148 MOBY)

スカイカーその1

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「トランジション」はアメリカのテレフギア社が2006年に開発を始めたスカイカーです。カーボンファイバー製の機体は、二人乗りです。折り畳み式の主翼と尾翼が取り付けられておりピストンエンジンで(多分)固定ピッチプロペラを駆動して飛行できます。車両形態から飛行機形態までは30秒ほどで変形可能で、車両形態では後輪駆動で105km/h、飛行機形態では185km/h(102ノット 飛行機としては極めて遅いです)のスピードを出すことが可能です。動画は以下でご覧ください。価格は1600万円から2000万円を予定しているとのこと。

動画出典:youtube

スカイカーその2

「TF-X」は「トランジション」と同じく、テレフギア社が開発しているスカイカーです。こちらはCG画像だけで実現は相当に難しいと思われます。アイデアは、ボーイングのV22オスプレイですが、これがどれほど操縦の難しい航空機か判っていないようです。

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カーボンファイバーが多用された4人乗りの車体は、322km/h(178ノット 飛行機としてはまずまずの速度)のスピードで飛行でき自動操縦装置も搭載されるということです。次のCG動画を見るとプロペラを回すのは電気モーターであり、それに充電するのエンジンのようです。巡航中はダクテッドファンといっています。

 

スカイカーその3

 

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M400(カナダモラー社提供)

「M400」はカナダの発明家ポール・モラーが、自身の会社モラー社で開発したスカイカーです。4人乗りのこの車両は、4発のダクテッドファンを使い560km/h(311ノット 本当かなー?海面上高度ではジェット機の速度域です)で飛行することができ、垂直離着陸方式を採用しています。着陸脚は飛行機と似たようなものとなっており、自動車のように走れる構造にはなっていません。飛行機のように運用できる車”ではなく“車のように運用できる飛行機”といった方が正しいようです。

動画出典:youtube

スカイカーその4(エアロモービル)

販売価格は未定ですが、数十万ユーロを見込んでいると発表されています。(3,000万~5,000万円あたりでしょうか?)
2017年の発売予定まで乗り越えるべきハードルは多いと言われています。関係法令や飛行性能・安全性に加え、路上での自動車としての規制も全てクリアする必要があるからです。
また、当然ですが飛行には操縦士免許が必要であり、飛び立つために200メートルの滑走路、着地には50メートルの平坦地が必要です。しかしウルトラライトプレーンのカテゴリーなら飛行機操縦士免許はいりません。なぜならウルトラライトは飛行機ではないからです。
まだまだ「空飛ぶ車」というよりは「飛行機にもなる車」という印象ですね。

3エアロモービル

写真出典:AeroMobile社 チェコ製

性能は、自動車時160km/h、飛行機200km/h(111ノット)航続飛行距離700kmとのことです。

エアロモービルコクピット

エアロモービル操縦席 写真出典:AeroMobile社

 

動画出典:youtube

 

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