実に個人的なミライ ドライブ インプレッション   その1

03 9月 2016

ミライ ドライブ インプレッション

わたしは自動車評論家ではないし、設計者、エンジニアとかの自動車のプロでもありません。一介のペダル踏み間違い事故防止の研究者です。自動車運転歴は40年くらいあり、思えばほとんど毎日乗ってます。しかし、縁あってトヨタミライを購入することができ、1年8か月待って漸く納車されたことは既報の通りです。納車されてから初めてのロングドライブとして、2016年9月2日に横須賀市から埼玉県川口市新井宿というところまで行ってきました。往復235kmくらいでした。そのときのドライブの印象をお話ししたいと思います。ミライの第一印象は、トヨタプリウスからエンジンをとってしまったクルマという感じでした。というのは同じトヨタ車だからかもしれませんが、クルマの形が違うとはいえ、スイッチ操作類のレバーや位置が同じような感じだからです。ただ、スイッチ類はすべてがタッチパネル方式です。プリウスはプシュボタン式です。ただ、例えばエアコンAUTOの表示LEDライトなどが小さすぎて老眼の身にはつらい感じです。計器の表示も勿論デジタル方式でどの表示にしていいのか迷うくらいたくさんあります。それはプリウスも同じでしたがさらにという感じです。また、ライトスイッチがウインカーレバーと一緒についています。普通OFF → SMALL → MAIN LIGHTS → AUTOという並びでしたが、ミライは、OFF → いきなりAUTO → SMALL → MAIN LIGHTSとなっていて、常時AUTOにしておく設定です。細かいことですが、妙に感心したので報告します。シートは身長167cmのわたしが座ると、巨人の国に来た小人のようです。ヘッドレストは頭の上にきますし(ちょっと大げさ)、全体が大きいです。シートは本革ですし、運転席・助手席ともパワーシートで、座ってブレーキを踏み、パワースイッチを入れると、シート、ステアリングともプリセットの位置になってくれます。素晴らしい。でも、給油のVISAカードなどを入れる小物入れの数が絶対的に少ないです。全体的な室内の造作は出来がいいですが、実は2016年8月31日に試乗させてもらったベンツE200に比較すると見劣りがします。

メルセデス ベンツ E200乗ってみました

ベンツE200は大体乗り出し価格が同じ(約800万円)ですが、シートの造りといい、内装といい、室内イルミネーション(64色)といい、全体の感じ雰囲気に一日の長があります。ベンツのEクラスは丁度中間に位置するクルマでこうですから最高級のSクラスってどんなだろうと思います。正直、ベンツってすごいなーと思う次第です。別に腐ってはいないですが、腐っても鯛というのはベンツのための言葉ではないかと思います。また、E200の計器盤は表示も大きくて明るく、解りやすくて良かったです。ベンツは、ガソリンエンジン車の生みの親の会社だから(カールベンツ)自動車製作では本家本元です。もっとも、E200は、通常エンジンですので、ミライのように水素圧縮タンクであるとか、燃料電池であるとかに金がかからないのでその分内装制作費に回せるのも事実です。だから単純に比較するのはミライが可愛そうであるかもしれません。さて、ミライ、その走りですが、エンジンがないから静かです。高速走ってもタイアの走行路面音と風切音だけ。わたしはもう1台トヨタエスティマという1BOXカーを持っていますが、単純比較で、全体的に走行音はエスティマと大して変わらない感じがしました。勿論、高速の合流などエスティマではエンジンの加速音が甲高いですが、合流の方に気を取られてあまり気になりません。ミライでも音がするかしないか合流の方に気を取られてあまり気になりません。巡航時にはエスティマも大してうるさくはないので、違いに気づかなかったです。また、プリウスと比較すると、走りだしのときプリウスは、アクセルを踏むとエンジンが始動しますので、その音ははっきり聞こえます。その他の状況での走行音の違いはあまり違いに気が付きませんでした。さて、実はミライは水素タンクを2本積載しているからかもしれませんが、外形がかなり大柄です。エスティマより7.5cm長く、プリウスより45cmも長く、トヨタクラウンマジェスタと同じくらいです。おかげでプリウスを入れていた同じ駐車場に入れていますが、鼻が出てシャッターが閉まりません。夜間の悪戯を防止するために特注で帆布カバーを作りました。ミライはプリウスと同じように走行モードを選択できるようになっています。無印モード、ECO(エコ)モードそしてPWR(パワー)モードです。高速では合流も含めてPWRモードにして走行しましたが、その加速はなかなかいい感じです。燃費はPWRモードで100km/kgでした(既報)。プリウスのPWRモードと同じような感じがしました。もっともニッサンGTR(0~100km/h 2.8秒)とか運転したことがないのでどんなに速いか比較できませんが、エスティマ アエラス2WD 2.4リッターよりは速い感じがしました。ところが、パワーウエイトレシオ(出力重量比)などデータ比較をするとミライが13.44kg/ps、トヨタカムリハイブリッドが11.40kg/ps、エスティマ2WD アエラス2.4リッターが12.67kg/psとなっており(重量比が小さいほど加速力がよい)、エスティマより加速性能は劣るという結果になりました。しかし、体感的には十分な加速力もあり、大きい割には取り回しも特に大きさを感じませんし、扱いやすいクルマと感じました。もう一つ感じたのは、クルマを購入すると普通オプション装備がたくさんありますが、ミライは寒冷地仕様のオプションのみです。つまり、何でもかんでも既に装備されている訳です。また、燃料電池車の特色ですが、走れば走るほど水、H₂Oが専用タンクに溜まります。出してもいいところで出すのですが、100km走るとかなりの量が出ます。さながら犬のオシッコのようでした。ふと思うとこの水ただ捨てるのは勿体ないので、パイプを延長してコップで受けて飲めるようにしたら、災害時などいいのではないかと思いました。さて、ENEOS水素ステーションの人から聞いた情報ですが、ミライは現在(2016年8月現在)日本国内全部で700台、うち500台が東京にあり、神奈川県は70台だそうです。そのうち半分は官公庁に納入されているので、350台は官公庁に入っており、民間は350台だけです。横須賀市がある神奈川県を考えると35台しかありません。そのため、どこを走っても物凄い注目度で、首都高では、隣に並んで走行され、じろじろ見られました。帰りがけ横浜市弘明寺の水素充填ステーションで水素充填したときは、到着して出発するまでじーっと見ている人がいました。なんか注目されるのは悪い気がしない反面、気恥ずかしい気もします。

 

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ミライ 出典:トヨタ自動車

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ミライ 後ろは初代プリウス 出典:トヨタ自動車

 

 

 

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プリウスZVW30 ミライの前に乗っていたプリウス 出典:Wikipedia

 

 

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ミライ プリウスの駐車場には入らない 帆布で前部を覆いました

 

 

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