踏み間違い事故防止への方向性が間違ってます!

22 5月 2018

2016年12月3日、福岡三信病院の待合室にタクシーがペダル踏み間違いによる暴走の結果突入した事故から2018年5月20日で1年半が過ぎました。

この事故は3人死亡7人重軽傷という重大事故でしたが、いま官民が協力の下やっていることは、自動ブレーキの普及です。

以下産経新聞の記事から:

2017.12.3 07:04配信)

※事故発生が2016年12月3日でした。それから1年後の記事です。

福岡タクシー暴走から1年 自動ブレーキ普及進む

福岡市博多区の病院で3人が犠牲になったタクシー暴走事故から3日で1年。捜査当局は、運転手によるブレーキとアクセルの踏み間違いが原因と断定したが、その後も踏み間違え事故が後を絶たない。自動ブレーキ搭載車の普及に向け、官民の取り組みが進む。 事故は昨年12月3日夕方に発生した。原三信病院にタクシーが猛スピードで突っ込み、入院中の男性=当時(53)=と見舞いに来ていたいずれも44歳の夫婦の3人が死亡、7人が負傷した。

運転手の松岡龍生被告(65)は逮捕後、精神鑑定を経て今年2月に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪で起訴された。公判はまだ開かれていない。

公益財団法人「交通事故総合分析センター」によると、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故は昨年1年間で5085件に上り、60代以上が約4割を占めた。 国土交通省や経済産業省は今年度から、障害物を検知して衝突を防ぐ自動ブレーキと、踏み間違えた際の加速抑制装置を搭載した車両を「安全運転サポート車」として推進する方針を決め、メーカーの協力を得て試乗会を開催するなど普及活動に乗り出している。

暴走事故の後、松岡被告は「ブレーキを踏んだが止まらなかった」と供述していた。一般社団法人「全国ハイヤー・タクシー連合会」は運転手の高齢化も問題視する。9月策定の事故削減計画で、健康状態の把握やストレスチェックの徹底を盛り込んだ。

国交省技術政策課は「(サポート車の)機能を過信しないことが大切だ」としている。

  

画像出典:Wikipedia 上段:タクシー走行経路、下段:待合室前に設けられた防護壁・・・・しかし、意味ないよなー。本来やるべきは、踏み間違い事故の防止なのに~。一種のメモリアルのために作ったのでしょうね。

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ここには、仮に「踏み間違い」が発生して暴走になり、障害物を感知して自動ブレーキが効くかのようなイメージがあります。そうではありません。上の記事中にもありますが・・・・:

あくまで踏み間違い事故を防止するのは自動ブレーキではなく、「加速抑制装置」になります。それは:

※「加速抑制装置」作動のためにはに条件があります:

1)停止(速度0km/h)~15km/hの範囲で作動する

2)それ以外の速度域では、運転者が主要運転装置を操作すると、自動装置(加速抑制装置)は解除となる

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ここに踏み間違い事故前走行状態の統計があります。米国ノースカロライナ州警察データベースの統計から:

事故前走行操作1 20171.23

このデータから判るように停止状態からの「踏み間違い事故」はほとんどありません。ただし、走行状態からの「踏み間違い事故」であっても、時速何キロで踏み間違えたかの統計はありませんので、この加速抑制装置はどのくらい効果があるのか解りません。

2018年最近のクルマには、EDR(イベント データ レコーダー)が装着されており、エアバッグが開くとその時のクルマの走行状態が記録されるようになっています。司法機関は、これらのデータを取得して、本当に踏み間違い事故防止のために時速15kmでよいのかどうか検討すべきです。

ただし、時速15kmであっても自動装置の大原則に明らかに反しています。

というのは仮に時速15kmであってもドライバーが意図的にアクセルを操作する状況が必ず存在するからです。

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