スマホ自転車の歩行者死亡事故

13 7月 2018

自転車は軽車両という区分になり、本来人が通る「歩道」を通ってはいけないのですが、特例で以下:

自転車は車両であるため、歩道が設けられた道路においては、基本的に車道を通らなければならない。
ただし、次のいずれかに該当する場合には、歩道を通行することもできる。

  • 「自転車通行可」の道路標識または「普通自転車通行指定部分」の道路標示がある歩道を通るとき
  • 運転者が13歳未満もしくは70歳以上、または身体に障害を負っている場合
  • 安全のためやむを得ない場合

「■ 安全のためやむを得ない場合」 とはどういう場合を指すのか判りませんが、歩道を自転車が走るのは歩行者との速度差があり過ぎて問題があるといわざるを得ません。わたしが住んでいるところでは、狭い歩道と広い歩道があって、広い歩道は自転車が通れるようになっています。しかし、歩行者も自転車も決められたところを歩く/走行する人は多くないです。スクランブル交差点のように入り乱れています。

そんなとき、スマホをやりながら運転していて歩行者に衝突し死亡させた女子大生の裁判が結審しました。以下産経新聞のニュースからです:

2018.7.12 14:32

スマートフォンと飲み物を持ちながら電動アシスト自転車に乗り、歩行者にぶつかって死亡させたとして、重過失致死罪で在宅起訴された元大学生森野実空被告(20)の初公判が12日、横浜地裁川崎支部(江見健一裁判長)で開かれ、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は禁錮2年を求刑し、即日結審した。 論告で検察側は「少なくとも5~6秒間はスマホを見て完全に脇見運転しており、安全運転の意識が欠如している」と指摘。弁護側は「大学を退学するなど制裁を受けている」として執行猶予付きの判決を求めた。被告は「同じ過ちはしません」と謝罪した。

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これ、加害者も被害者も本当に胸が苦しくなるような悲しい事件です。この女子大生は、これで前科1犯です。亡くなられた方は77歳女性、脳挫傷でした。自転車ということを本当に軽く見ていたのですね。あとに残された82歳夫は、茫然自失です。可愛そうで見ていられないです。

現場は、川崎市内の商店街で、自転車は降りて歩かなければなりませんが未だに若者などが自転車に乗っているそうです。

ちなみに現在までの自転車事故の損が負い賠償金について例を挙げます。

賠償額:9,521万円
男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。( 神戸地方裁判所、平成25(2013)年7月4日判決)

賠償額:9,266万円
男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。(東京地方裁判所、平成20(2008)年6月5日判決

賠償額:6,779万円
男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。(東京地方裁判所、平成15(2003)年9月30日判決)

賠償額:5,438万円
男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。(東京地方裁判所、平成19(2007)年4月11日判決)

賠償額:4,746万円
男性が昼間、赤信号を無視して交差点を直進し、青信号で横断歩道を歩行中の女性(75歳)に衝突。女性は脳挫傷等で5日後に死亡した。(東京地方裁判所、平成26(2014)年1月28日判決)

(以上出典:一般財団法人日本損害保険協会ホームページ「自転車事故と保管」)

自転車はみなさんが思うほど安全ではありません。歩行者との混在はむしろ危険とさえ言えます。

 

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