『ベダル踏み間違い事故』。
このフレーズは、咄嗟の出来事が起こった時に、踏むべきブレーキではなく『間違えて』アクセルペダルを踏んでしまったという意味で命名されたのだと思います。

下のグラフは、米国ノースカロライナ州警察データベースの『踏み間違い事故走行前操作統計(2000-2009)』ですが、『ベダル踏み間違い事故』の96%は、特に緊急ではない状況で車両を停止あるいは減速させるためにアクセルから足を離してブレーキに踏み換えなければならないところで発生しています。これが、わたしが申し上げている『ペダル踏み換え忘れ』ではないかと考えられる根拠です。

人は緊急時であればあるほど「ブレーキを踏まなければならない」と強く思うため、間違えずにブレーキを踏むことができます。

しかし、運転者が何万回も実施しているアクセルから足を離してブレーキを操作しなければならないというほとんど無意識に行うペダル踏み換えが必要な場面で、正にそれは発生するのです。

これらのことから、『ペダル踏み間違い事故』ではなく『ペダル踏み換え忘れ事故』と呼称するのが実態に照らして一番状態を表していると考えられます。

踏み間違い事故走行前操作統計(2000-2009)[米国ノースカロライナ州警察データベース]
事故前の運転状況 件数
前   進 929
駐 車 時 600
後進(他の操作に優先) 254
右折時(左ハンドル車) 119
減速または停止 116
左折時(左ハンドル車) 113
駐車枠からの出発時 75
路肩からの出発時 49
走行レーンでの停止 27
走行レーンから駐車へ 19
道路上の障害物回避時 15
Uターン時 15
レーン変更または合流 12
追い越し時 3
走行レーンからの出発 3
その他 59
総計 2,408

踏み間違い事故走行前操作統計(2000-2009)[米国ノースカロライナ州警察データベース]