世界の純電気自動車について

03 11月 2016

先ず電気自動車とは

なにかということを考えますと、一番最初に浮かぶのは(0)ゼロ エミッション、有害排気ガスが出ないということです。究極のクリーンカ―ともいわれます。いずれの電気自動車についても泣き所は航続距離です。アメリカテスラのように、航続距離が500kmに及ぶものがありますが、その場合は、電池をたくさん搭載するために重く巨大なクルマになってしまいました。また、バッテリーをエンプティから充電する場合には、相当な時間がかかります。テスラS3の場合、家庭電源40A200Vで充電しても約13時間かかります。それが夜間だとしても、約13時間もの間電子レンジも使えなければエアコンも使えないというのは生活に支障があります。しかし、その電気代はガソリン・ディーゼル自動車に比べれば相当に経済的です。以下、:

『安上がりかどうかの前に、電気自動車を買うとなると、まずは車庫に充電設備が必要です。今のところまだ公共の充電設備は発展途上なので、自分の一存で電気を引ける自宅車庫保管でないと厳しいということになりますね。急速充電設備を設置するにはまだ150万円以上かかるので現実的じゃありません。しかし深夜はクルマを使わないなら、200Vのコンセントさえ設置すれば大丈夫です。自宅が築20年以内なら、通常、配電盤まで200V電源が来ているので、数万円もあればコンセントを設置する工事をしてもらえます。そして、深夜電力契約をします。これだと、夜11時から朝7時までの電気代は昼間の約3分の1くらいになります。その分昼間の電気単価が少し上がりますが、それは仕方ないですね。東京電力の場合、深夜電力は1kWhあたり7.35円(昼間は26円くらい)。リーフの電池容量は24kWh、i-MiEV(アイミーブ 三菱)は16kWhなので、カラから満充電するとしてリーフで176円、i-MiEVだと118円ということになります。

それで走れる距離は、リーフが約100キロ、i-MiEVが80キロ(目安)。ガソリン車がリッター12キロ走ると仮定すると、燃料代は6分の1から7分の1程度で済む計算です。』以上清水草一氏記事より(2010年7月6日)

清水草一

筆者プロフィール: 清水草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。

電気自動車は(0)ゼロ エミッションか?

電気自動車そのものは、確かにスーパークリーンです。しかし、その電気は何処から来たか考えればクリーンでないのは一目瞭然です。わが国では発電に石油・石炭を使った火力発電が全発電量の87.7%を占めます(2014年実績 経済産業省)。下図をご参照ください。

 

situat-20-thumb yjimage

画像出典:Wikipedia 経済産業省

つまり、電気自動車は、火力発電で発電した電気を使う限りクリーンではあり得ないのです。特にわが国においては、石油はほぼ100%外国からの輸入に頼っており、しかもわが国の総発電量の87.7%(2014年実績)が石油・石炭による火力発電ですのでまさに綱渡り状態といっていいと思います。一刻も早く自国内で生産できるエネルギーに変換しなければならないのは自明の理であります。少なくとも火薬庫といわれる中東地域からの石油輸入が全輸入量の8割を占める現在、輸入元のシフトをしていかなければなりません。例えば、ロシア。石油系の発電のなかでLNGは46.6%に達しますが、こちらはロシア、オーストラリア及びインドネシアなど中東からではありません。現在最も有効な安全保障関係を結んでいるアメリカからの輸入量を増加させるのもひとつの選択肢です。

事業用水素製造は、

2016年現在、天然ガス(メタノール)やバイオマスを蒸気改質法という方法で水素を抽出するのが一番経済的な方法ですが、将来的には波力発電、風力発電、太陽光発電及び地熱発電などの再生可能エネルギーで海水(水)を電気分解して水素を抽出し、貯蔵することが求められています。水素は様々な方法で貯蔵することができるので、大変便利です。

 

energy_il02 suiso2_1_sj

画像出典:Wikipedia

 

世界の電気自動車(中国製を除く)

下図、《タイプ》のコラムで《BEV》は純粋電気自動車:《PHEV》はプラグインハイブリッドというガソリンエンジンとの複合電気自動車です。BEVは黄色のハイライト。

28車種の中で純粋電気自動車は、たった10車種です。どのメーカーも航続距離が問題のようです。特に冬場は、電気自動車の場合、熱源がないのでどうしてもヒーターを使用すると、走行距離は激減します。勿論、夏場でも同じことです。因みに燃料電池システムでは、冷却システムが必要なほど発電時には、発熱しますので、夏場の熱交換を含めこちらは問題ありません。下図は、中国製車両(こちらは情報量が極端に少なく、どういうものか皆目わかりません)を含めた電気自動車の販売量です。

 

  1. Tesla Model S(米国)- 51,390台
  2. Nissan Leaf(日本)- 43,870台
  3. Mitsubishi Outlander PHEV(日本)- 43,259台
  4. BYD Qin(中国)- 31,898台
  5. BMW i3(ドイツ)- 24,083台
  6. Kandi K11 Panda EV(中国)-20,390台
  7. Renault Zoe(フランス)-18,846台
  8. BYD Tang(中国)-18,375台
  9. Chevrolet Volt(米国)-17,508台
  10. Volkswagen Golf GTE(ドイツ)-17,282台
  11. BAIC E-Series EV(中国)-16,488台
  12. Zotye Z100 / Cloud EV(中国)-15,467台
  13. Volkswagen Golf GTE(ドイツ)-15,356台
  14. Audi A3 e-Tron(ドイツ)-11,962台
  15. Roewe 550 PHEV(中国)10,711台
  16. JAC i EV(中国)-10,420台
  17. Ford Fusion Energi(米国)-9,894台
  18. Ford C-Max Energi(米国)-9,643台
  19. Kandi K10 EV(中国)-7,665台
  20. Kia Soul EV(韓国)-7,510台

 

資料出典:兵庫三菱Web編集局 | 記事 : N.Yokoyama
配信日 : 2016年2月17日 15時30分 JST

全世界の2015年自動車販売台数は、6,517万8千台(8,967万8千台-中国2450万台)となりました(一般社団法人 日本自動車工業会 筆者註:中国の生産台数は数字の根拠が薄弱なので除きました)。上記の販売台数合計(中国製販売台数は除く)は、24万7,737台で0.38%です。微々たるものですね。

 

動画出典:youtube BMW(バイエルンモーターヴィークル)

 

コメントする

お名前・メールアドレス・コメントは必須です。
メールアドレスは公開されません。

トラックバックURL