ペダル踏み間違い事故に対するメーカーの取り組み

16 9月 2016

2日遅れですいません。
また、『ペダル踏み間違い』で立体駐車場から車が転落しました。

2016年9月14日転落したワゴン車 出典:NEWS24

2016年9月14日転落したワゴン車 出典:NEWS24

2016年9月14日午前9時45分ごろ、広島市安佐南区の商業施設「ゆめタウン祇園」の立体駐車場3階からワゴン車が地上に落下しました。
運転していた60代の男性は無事でしたが近くにいた40代の男性の頭に車の破片が当たり、軽いけがをしました。
県警によると、駐車しようとして『アクセルとブレーキを踏み間違えた』と話しているそうです。
車体は駐車場のクルマ止めを乗り越え、さらに外壁の柵を破って落下、下の駐輪場屋根にあたって約5メートル下に落下しました。

2016年9月1日には、愛知県弥富市で75歳男性運転の乗用車が牛丼屋駐車場から出て、県道に出ようとして一旦停止しようとした際、ブレーキペダルに踏み換えをせずにアクセルペダルを踏んだためクルマは急加速し、歩いていた男性70歳をはねて道路を横断し、反対側の住宅外塀に衝突して停止しました。
はねられた男性は頭を強く打って搬送先の病院で死亡しました。

なぜ踏み間違い事故が起こるのか?

このトピックス欄でも度々ご報告してきましたが、米国のノースカロライナ州ステートポリスのデータベースより、ペダル踏み間違いを起因とする事故の約96%が特に緊急でない状況の下、アクセルペダルからブレーキペダルに踏み換えてクルマを停止させようとする状況で発生しています。

わたしはこのとき『踏み換え』を忘れてしまうか『踏み換え』を実施したとの思いこみの結果、ブレーキを踏まなければならない場面でアクセルを踏んでしまうことが原因と考えています。

『踏み換え』をしなければならないペダル構造がこの事故の原因であると思います。
副次的にアクセルペダルもブレーキペダルも同様に踏みこむ操作を行うことが事故原因に寄与していると思います。

お粗末なペダル踏み間違い事故に対するメーカーの取り組み

さて、このようなペダルの構造が事故原因となっているのにメーカーは一体全体何をしているのでしょうか?

ニッサン自動車は踏み間違い防止装置と謳ってソーナー(超音波)で障害物を認識し、アクセルを踏んでも車が加速しないようにしています。
そしてこの装置はメーカーオプション(有償)となっています。

ソーナーで障害物認識を行う場合、障害物検知範囲はせいぜい5~6メートルです。
ペダルの踏み間違いが5~6メートルの障害物を認識できる範囲から発生する場合もあるでしょうが、上記の事故のように道路で一旦停止するような場所でも発生するのですから、この装置は非常に限定的な範囲や条件でしか作動しないのは明らかです。

したがってメーカーも『踏み間違い衝突防止アシスト』という名称をつけていますが、毎日毎日テレビでCMを流していれば一般消費者は本当に全ての踏み間違い防止ができると勘違いしてしまうでしょう。

ニッサン自動車 『踏み間違い衝突防止アシスト』 出典:日産自動車
ニッサン自動車 『踏み間違い衝突防止アシスト』 出典:日産自動車

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