高齢者 ≠ ペダル踏み間違い事故

21 11月 2016

2016年10月28日朝、87歳男性の運転する軽トラック(AT車)がバスの停車待ちをしていた別の軽乗用車に追突し、そのはずみで横転、登校中の小学生の列に突っ込みました。この運転者は、前日の10月27日の朝に家庭ごみを積んでどこかに捨てようと夜通し走り回り、事故当日の朝も自宅への帰り道を忘れて何回も自宅前を通り過ぎての事故だったそうです。その意味では、この運転者は間違いなく認知症であると思われます。

 

動画出典:youtube

そして、横浜地検は11日、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで逮捕された運転者(87)について、刑事責任能力の有無を見極めるため、3カ月の予定で鑑定留置を始めたと発表しました。専門医による精神鑑定の結果を踏まえ、責任能力がないと判断されれば起訴されません。年前に受けた免許更新時の認知機能検査では問題ないとされていました。(記事出典:朝日デジタルニュース)

この軽トラック(AT車)は、衝突する寸前まで通学路/商店街の複数防犯カメラに撮影されており、衝突現場に近づくにしたがって速度が上がっています。すなわちこの事故は明らかに『ペダル踏み間違い事故』です。上の動画では、軽トラックが軽自動車への衝突を避けて小学生の列に突っ込んだようなアニメーションとなっていますが、それでは現場一帯にごみの山が散乱している説明とはなりません。つまり、軽トラックは『横転』して小学生の列に突っ込んでいます。何故横転したかというと、フルスロットルでなだらかなスロープ状の軽乗用車後部に前部右車輪を乗り上げたため左に横転したのです。

この事故は、典型的なペダル踏み間違い事故であります。そのため、運転者の認知機能とは何ら関係しません。

一方、2016年11月12日、東京・立川市緑町の病院で、83歳の女性が運転していた車が暴走し、歩道を歩いていた30代の男女二人が死亡するという事故がありました。こちらは運転していた83歳女性も怪我を負いましたが、認知症の疑いがないとのことで過失運転致死罪によって起訴される見通しです。

 

動画出典:youtube

ペダル踏み間違い事故は、運転者の年齢、認知機能とは何らの関係もなく、AT車ペダルの構造的欠陥によって発生します。この事故で肉親を亡くされたご遺族のお気持ちは痛いほど理解できますが、運転者に責任を負わせるのは筋違いです。わたしは運転者も被害者だと思います。本当の責任は自動車メーカーにあります。何故なら、AT車が世の中に出てきた1970年代からペダル踏み間違い事故は、発生し続けており、メーカー自身も事故原因をよく理解しているのです。しかし、今回のように高齢者の事故、認知機能の衰えに責任を転嫁しています。許せません。

 

動画出典:youtube

この動画の故稲垣聖菜さんの事故もペダル踏み間違い事故です。加速しながら(つまりペダル踏み間違い事故)渋滞最後尾に突っ込んでそのはずみで歩道の稲垣聖菜さんをはねてしまった事故です。

 

次のPDFファイルは、ペダル踏み間違い事故と年齢の関連です。高齢者だけでなく若年層(24歳以下)にも多く発生しています。

info86

本当に悲しい出来事です。小学生(8歳)、稲垣聖菜さん(15歳)まだまだたくさんあります。全ては運転者の責任にされて、みなさん交通刑務所に行きました。でも、運転者は交通刑務所に行って何を反省するのでしょうか?大事な大事な肉親を殺されて、運転者を憎む気持ちは本当に解ります。でも、繰り返します! 踏み間違い事故の本当の犯人は、自動車メーカーです。そして、メーカーは解っていながら運転者に責任を転嫁しています。そして社会も、ペダル踏み間違い事故があたかも高齢者特有の事故であるかのようにそれを受け入れています。本当に切ない思いです。

現在のペダル配置のままでは、クルマはホントの走る凶器です!!

 

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