2016年9月15日テスラ青山にモデルS(P90D)の試乗に行ってきました

15 9月 2016

 テスラモデルS(P90D)
テスラモデルS(P90D)画像出典:テスラモーターズ

12:00からの試乗で、モデルS、1400万円の車体(P90D)でした。
実際の車体を見てみると、先ず大きいです。
また、車体前面にはラジエーターがないので空気取り入れ口がありません。

懸案のミリ波レーダを装備しているのかいないのか疑問となっていましたので、チェックしてみるとミリ波レーダーを装備していること確認しました。
しかしそうだとすると、何故ぺンシルバニアの事故でノーブレーキで衝突したのかわかりません。

というのは、先に投稿したようにNTSB(米国国家安全輸送委員会)の予備調査報告書では、事故車コンピューターのデータ解析によって衝突直前に時速74マイル(時速約118キロ)で衝突したとなっています。

事故時にテスラのドライバーは、他車認識機能付きクルーズコントロール及び自動ステア(ハンドル)機能付レーン保持機能を使用していました。

NTSB報告書では述べられていませんが、カメラが強い西日でトレーラを認識できなかったのが衝突の原因とする意見が大勢を占める中で、わたしの疑問は、もしそうだとすれば、何故ミリ波レーダーがトレーラー荷台部分の大きなボディを認識できなかったのかということです。
衝突した相手がトレーラであるだけに急にテスラの目の前に出てきたとは思えません。
トレーラの運転者は、かなりゆっくり東行レーンの横断を始めたと思います。

本日の試乗を担当してくれたテスラの日本人セールスマン氏が言うには、事故車のテスラS3は、カメラがプライマリーでミリ波レーダーがセコンダリーだったからダメだったとのことでしたが、それは衝突した理由とするには筋が通らないと思います。
何故なら自動システムでは、もしプライマリーシステム(カメラ)がだめなら当然セコンダリーシステム(ミリ波レーダー)が機能しなければなりません。
わたしは事故を起こしたテスラがミリ波レーダーを搭載していなかったのではないかとの疑念を感じます。

しかし、本当にミリ波レーダーが装備されていたのなら何故機能しなかったのか、本当のところは不明です。
また、このセールスマン氏は、先行車追随機能がカメラではできないからミリ波レーダーを装備しているとも言っていましたが、それは違います。
スバルは現にカメラでやっています。
だから、ミリ波レーダーの障害物検知範囲はどのくらいか聞いたところ、企業秘密なので答えられないとのことでしたが、それも疑問です。
性能を隠したらクルマを売れないではないですか?
他のメーカーは障害物検知範囲について明示しています。

わたしには、このひとがペンシルバニア州事故の関連で質問から逃げたようにしか見えませんでした。
テスラから緘口令が出ているのかもしれません。

またテスラの試乗においてわかったことは、

❶先ず加速がすごいということです。0→100km/hまでの加速が2.7秒というのは、世界トップクラスです。ニッサンGTRのレーシング仕様やV12フェラーリが2.4秒ですから。
ただし、100km/hを超えたらすぐおいて行かれるそうです。
何故ならガソリンエンジンのクルマは、ピークトルクに達するためには時間がかかりますが、電気であれば一瞬でピークトルクに達します。でも必要ですか?

❷テスラはクルマというよりタブレットみたいです。
例えばテスラバージョン7からバージョン8(新機能)へのアップデートはすぐできます。

❸クルマは人命を乗せています。
PCだったらクラッシュやバグは許されますが、クルマだったら許されません。
率直、怖いと思いました。
クラッシュ・バグがでて事故になったら誰が責任取るのですか?
また、航空事故調査官のときに経験があるのですが、クラッシュ・バグの再現はまずできません。

自動運転は一般道で行われ、レベル2の自動運転であるにも関わらず、ハンドルから手放しで走行できました。
また、テスラのズルいところと思いましたが、自動運転を行うためには、自動運転に同意するという『同意書』にタッチしなければならないようになっています。
つまり、何かあったら運転者の責任よということになります。
これもタッチスクリーンで行いますが、17インチタッチスクリーンのほぼ真ん中あたりに小さな四角枠で示される同意書にタッチするのは老眼の人には少しつらいかなと思えるようなものでした。

また、同意書をタッチするために運転していて一定時間目が前方から離れるのも気になりました。
クルマには普通、前進、後進スイッチがありますが、どこにあるのか聞くのを忘れました。
下の画像はBMWi3の前進後進スイッチセレクターです。

また、床面の低い位置にリチウムイオン電池が敷き詰められているので重心が低く、4輪駆動でもあるので、手動でも自動でもかなりのスピードでカーブを走行できます。
ただ、タイアが流れた場合、自動ではカウンターステアをあてる等の修正ができるかどうかまでは聞けませんでした。

テスラモデルSの電池設置状況
テスラモデルSの電池設置状況
出典:テスラモーターズ

参考写真:BMWi3(電気自動車)の前進後進スイッチセレクター
参考写真:BMWi3(電気自動車)の前進後進スイッチセレクター

電話による取材では(試乗してくれたセールスマン氏ではない)、『バージョン8では、自動運転でハンドルから手を離せばテスラは停止する(バージョン7では手放しできる)』そうです。信用できませんね。
テスラジャパンの社員さえ何か解っていないなーというのが正直な感想です。だって、高速道路自動運転中にもし、手を離して停止したら危ないではないですか?

テスラモデルSの内装写真
テスラモデルSの内装写真です。豪華です。普通のクルマのようにレバー、スイッチがありません
出典:テスラモーター

テスラの内装には驚きました。
先ずシートはすべて本革、イタリアのデザイナーがデザインしたそうです。
スイッチ類も一切ありません。すべて17インチスクリーン上でのタッチパネルでの操作。
シート以外の内装は、バックスキンの本革で高級感たっぷり。
また、前席、後席ともディユアルのサンルーフになっていて、タッチスクリーンの操作で開閉できるようになっています。
正直凄いなーと思いました。

試乗させてくれたセールスマン氏は、いままで160台売ったそうです。
海のものとも山のものとも解らないテスラ。日本人も金持ちになりましたね。

コメント

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