オートライトその他の搭載義務化を図る2020年

07 10月 2016

国土交通省は2016年7日にも、道路運送車両法に基づく保安基準を改正する予定です。暗くなると自動点灯する「オートライト」や、エンジン音が静かなハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの接近を知らせる装置を義務づけるのが柱となっています。交通事故の死傷者減に向け、政府主導で新技術の活用を後押しすることとしています。(大野註:ただし薄暮や夜明けなどライトを点灯していないために発生した交通事故数やエンジン音がしないために発生した交通事故数などのデータは提示されていません)

保安基準の主な改正ポイントは、(1)オートライトの義務化(2)ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)など静音車両の接近を知らせる装置の義務化(3)スポーツ用多目的車(SUV)用の補助ミラー取り付け基準の明文化-などが骨子となるようです。2020年東京五輪前から新車に関して搭載を順次適用を始める予定としています。

(1)オートライトはセンサーで明るさを感知し、自動でヘッドライトを点灯・消灯する機能です。改正では、日の入り15分前程度の明るさにあたる1千ルクス未満になると、2秒以内に点灯するなどの要件を設けるほか、運転者が任意で機能解除できないようにします。

また、(2)HVやEVなどの静音車両は一般ガソリン・ディーゼルエンジン車に比べ走行音が聞こえにくいためです。既存の通報装置を規定するガイドラインは、音量を「エンジンで時速20キロで走行する程度」と定めてありましたが、具体的な数値基準はありませんでした。改正では、平成30年3月以降に発売する新型車に「時速10キロで50デシベル、同20キロでは56デシベル」と規定し、やや音量をアップした上で周波数も範囲を定めました。

(3)SUV用の補助ミラーについては、改正により取り付け方法を溶接、リベットやボルト取り付けなどと明確に規定し、容易に取り外しできなくします。(以上産経ニュースより 佐久間修志)何故このような法改正を行うかについてその根拠が示されていませんが、多分走行に邪魔になるとかの理由で撤去してしまうような違法改造行為が多いかあるいは、簡単にいたずらされて持ち去られるようなことがあるのだと思います。

本トピックス欄2016年9月21日『夜間横断中の歩行者をはねた事故の96%はロービーム走行中だった(2015年統計データ)』と『AHB自動ハイ・ロービーム切り替え装置(追報)』の二つの記事で提案いたしましたように上記(1)について、改正の趣旨は『交通事故の死傷者減に向け、政府主導で新技術の活用を後押しすることとしています』ということであれば、警察庁が発表したデータに基づき、夜間横断中の歩行者を発見しやすくするための『自動ハイ・ロービーム切り替え装置』の搭載を義務化すればこのタイプの交通事故を減らすことが可能となると思います。素晴らしいことではありませんか。

そもそも道路運送車両の保安基準(平成28年6月18日現在)には、ハイビームは、走行用照明装置と決められており、ロービームは、対向車両の防眩のための補助装置の位置付けとなっています。トヨタでは、2種類の自動切り替え装置があり、クラウン、マジェスタ及びレクサスなど高級車に装備されているアダプティブ ハイビーム システム(AHS 遮光式ハイビームシステム)と単純にハイビームとロービームを切り替える方式の自動切り替え装置があります。いずれの方式であっても、是非全メーカーの全車種に搭載していただきたいと思います。

 

トヨタクラウン アダプティブハイビームシステム(AHS) 出典:youtube

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