燃料電池飛行機

10 10月 2018

燃料電池技術は何にでも使えます。ケロシン(灯油)を燃やして飛ぶジェット旅客機のエンジンを電気モーターandプロペラでどうやって代換えするのかな~? ちなみにボーイング777のエンジンはGE製GE90ですが、最高推力569kN(定格は513kN)として認定されています。2基で1,138kN(キロニュートン)になります。大体ですが地球上では、1kN≒0.102tです。とすると、569kNは約58tの推力となります。B777の最大離陸重量は最大で約347tです。こんなものプロペラで飛ばせんのか?

と思ったら下の画像をみたらモーターが9個もついてます。ということはこの機体がB777と同意程度のものと仮定するとモーター/プロペラ1基あたり12.8tの推力があればオッケー👌になります。

(June 3, 2015配信)

水素と酸素で飛ぶ飛行機

 ボーイングでは水素と酸素で飛行機の推進力を得る研究が進んでいる。燃料電池の反応後に排出されるのは水。クリーンエネルギーの代表格の燃料電池モータープレーンはいつ頃に実用化されるのだろうか。

 世界一周飛行の途中で悪天候で日本に予定外の着陸をしたソーラーインパルス2は主翼一面に太陽電池パネルを貼り付けて、日中は太陽光発電を電力とするモーター推進。残った電力をリチウムイオンバッテリーに蓄電すれば、原理的には昼夜連続飛行が可能となる。

 最近は燃料電池飛行機、すなわち水素と酸素を燃料として発電してモーター推進の飛行機を開発する計画があいついでいる。日本でも経産省がIHIに航空機用燃料電池システムの開発を委託し、IHIはボーイング社と共同で実機(B737)にシステムを積み飛行条件で電力を供給し、補助電源(APU)を置き換える実証が済んでいる。

 一方、燃料電池による発電で推進力を得る研究もさかんで、シンガポールのホライゾン社では10kgまでの無人飛行機の長時間飛行記録を持っている。AEROPACという燃料電池システムは重量2kgのカートリッジ式で900Wの電力供給能力を有する。これにより小型のドローンは燃料電池化が可能となった。

Photo: Stanford Energy Club 

 航空機用燃料電池の開発で先端を行くドイツの開発グループではエネルギー効率を飛躍的に高めた。さらに革新的な提案もある。機体をカーボンファイバーで軽量化し、液体水素を燃料とした燃料電池システム航空機ではエネルギー効率が90%以上に達するという。

 通常の燃料を燃焼して推進力とする飛行機は40%どまり。例えばボーイングB737-800が巡行するのに要するエネルギーは11MW、8,400軒の住宅の消費電力に相当する。図のようなカーボンファイバーの旅客機はゼロエミッションで飛ぶ。

次はGigazineというブログサイトのニュースから:

2017年10月06日 11時34分 乗り物

モーターで飛ぶ電気小型旅客機が2022年までの飛行を目指して開発中

ボーイング系のベンチャーキャピタル「HorizonX」とアメリカの格安航空会社・JetBlue傘下の「JetBlue Technology Ventures」が支援するスタートアップ「Zunum Aero」が今後の事業展開計画を更新し、2022年までに電気モーターを用いた近距離用ハイブリッド電気航空機を飛行させる計画を発表しました。

Zunum Aero
http://zunum.aero/

These hybrid electric jets could change how we live and work by 2022 – The Verge
https://www.theverge.com/2017/10/5/16429398/zunum-aero-hybrid-electric-jet-2022

Zunum Aeroが発表したのは、機体にバッテリーを搭載して電気モーターで飛ぶ12人乗りの短距離型旅客機。同社ではこれまでに2020年までの飛行を目指す初期計画を発表していましたが、今回の計画ではより詳細なプランを定め、飛行時期を新たに2022年とすることが発表されています。

電気で飛ぶZunumの飛行機ですが、翼の内部にバッテリーを搭載するのに加え、発電用のエンジンを組み合わせるハイブリッド型にすることで飛行に必要な電力を生みだす計画。航空機を飛ばすためには非常に高いエネルギー密度を持つパワーソースが必要なのですが、現時点でのバッテリーではそこまでの容量が実現できていないことがその理由です。しかし、今後の技術革新によって完全バッテリー駆動が実現した時のことを視野に入れ、Zunumでは大規模な機体改修を行うことなくパワートレインを換装できる機体開発を進めているとのこと。

そのため、まずはプロペラを駆動する電気モーターと発電用のジェットエンジンを「シリーズ(直列)」に配置する設計を取り入れています。この「シリーズ」が意味するところが、物理的にモーターをエンジンを同軸上に並べるのか、それとも電気的に直列配置するのか、その詳細はほぼ不明の状態ですが、同社では今後15年から20年の技術革新を吸収できる機体の基本設計を盛り込んでいくと方針を明らかにしています。

Zunumでは機体を「小型機」に完全に割り切って開発を進めており、まず目指す航続距離は700マイル(約1100km)で、2030年までには航続距離1000マイル(約1600km)の機体開発を目指すとのこと。一般的な小型ジェット機で3000km~6000km程度、地方路線で多く使われるターボプロップ機でも1000km以上の航続距離があるのに対してZunumの機体は極めて短距離に集中するわけですが、これは従来の機体が不得意としていた短距離を効率よくカバーすることに狙いを定めているため。

特にジェット機の場合、一定の距離を飛ぶためにかかる「マイル単価」は距離が短くなるほど上昇する傾向にあります。これは、ジェット機がトータルで最も効率良く飛べる距離やスピード、搭載量のゾーンが高いところにあるためで、Zunumによると500マイル(約800km)のフライトにかかる乗客1人あたりのコストは、1000マイル(約1600km)のフライトに比べて3倍に上るケースもあるとのこと。Zunumはそれよりも低いゾーンにある短距離・少人数の路線需要をターゲットとすることで、小型ジェット機が不得意とするゾーンに割って入ろうという狙いを定めている模様です。

Zunumの試算によると、この機体のオペレーションコストは1座席を1マイル飛ばすコスト「1シートマイル」が0.09ドル(約10円)、または1時間のフライトあたり260ドル(約3万円)になるとのこと。最高速度は時速360マイル(約580km/h)と低めですが、コストの低さに加えて排出ガスと騒音を80%カットすることが可能で、さらに離陸に必要な滑走距離はたった2200フィート(約670メートル)と非常に短くて済むため、規模の小さな地方の空港にもマッチし、安価なチケット料金と高い収益性を生みだすことが可能になるとしています。

また、地方の空港同士をダイレクトにポイント・トゥー・ポイントで結ぶことで、従来よりもトータルの移動時間を短くする効果も期待できる模様。これまでは考えられなかった電気による航空機が本当に誕生してサービスを開始する日が訪れるのか、関心が高まりそうな発表です。

で、なんでわざわざハイブリッド飛行機にするのか?いささか疑問です。

 

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