自転車事情

09 12月 2020

最近ここ横須賀でも自転車ツーリングが流行っているようです。特に土日などの休みには、多くのサイクリストを見かけます。また、米海軍基地があり、基地の外人さんたちもよく乗っているのを見かけます。

自転車というのは車両としての分類上、「軽車両」に分類されます。とすると、道路交通法を守る必要がありそうです。

しかし、例えば信号が赤でも対向のクルマが来ないと無視するひとをよく見かけます。ま、人によりますが。

自転車は特に散歩している時に、危ないと思うことが多々あります。自転車は音がしないのですぐ近くに接近されても気がつきにくいです。このため、歩道上を歩いている時でも歩く場所を変えるときなどはよく後ろを見ながらしなければなりません。つい最近ですが、歩道上のマンホールを避けようとしたら(鉄部がよく滑るため)後ろから来た自転車のライダーと肩が擦れ合いました。あれ、後ろから突っ込まれたらかなりのけがをします。

特に高校生くらいの若い人は、歩道を結構なスピードで走行するためにホント危ないです。しかもながらスマホなんかして。

で、免許更新に行ったら「わかる 身につく 交通教本」というのを<強制的>に買わされました。

ヤフオク! - わかる身につく交通教本 令和2年9月保存版A5判サ...

で、この中の10ページ目「13.自転車の運転による交通の危険を防止するため講習に関する規定の整備」という項目がありました。内容は以下の通り:

平成27年6月1日施行(令和2年6月30日一部改正)

自転車運転者講習制度の概要等

概要

自転車の運転による交通の危険を防止するための講習(自転車運転者講習)制度は、自転車の交通ルール遵守を徹底するため、自転車の運転に関し一定の違反行為(危険行為)を3年以内に2回以上行った者に対し、都道府県公安委員会が講習の受講を命ずるもの。

対象

自転車乗車中に信号無視等の危険行為(15類型)を行い、交通違反として取締りを受けた、または、交通事故を起こして送致された者。
ただし、3年以内に違反・事故を合わせて2回以上繰り返した場合。
都内だけの取締り等に限りません。

対象

自転車乗車中に信号無視等の危険行為(15類型)を行い、交通違反として取締りを受けた、または、交通事故を起こして送致された者。
ただし、3年以内に違反・事故を合わせて2回以上繰り返した場合。
都内だけの取締り等に限りません。

対象となる事例

一時停止違反をして、交通違反として交通切符により取締りを受け、その後3年以内に信号無視が原因となる交通事故を起こし送致された場合。

受講命令について

都道府県公安委員会が、自転車運転者講習受講命令書交付後、3ヶ月以内に自転車運転者講習を受講する旨を命ずるもの。

受講時間・手数料

3時間 6,000円

受講命令に従わなかった場合

5万円以下の罰金

危険行為(15類型)

  • 信号無視【道交法第7条】
  • 通行禁止違反【道交法第8条第1項】
  • 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)【道交法第9条】
  • 通行区分違反【道交法第17条第1項、第4項又は第6項】
  • 路側帯通行時の歩行者の通行妨害【道交法第17条の2第2項】
  • 遮断踏切立入り【道交法第33条第2項】
  • 交差点安全進行義務違反等【道交法第36条】
  • 交差点優先車妨害等【道交法第37条】
  • 環状交差点安全進行義務違反等【道交法第37条の2】
  • 指定場所一時不停止等【道交法第43条】
  • 歩道通行時の通行方法違反【道交法第63条の4第2項】
  • 制動装置(ブレーキ)不良自転車運転【道交法63条の9第1項】
  • 酒酔い運転【道交法第65条第1項】
  • 安全運転義務違反【道交法第70条】
  • 妨害運転(交通の危険のおそれ、著しい交通の危険)【道交法第117条の2の2第11号、第117条の2第6号】
みなさん、自転車は免許がいらないけれど、「車両」です。そのため、その運転には「道路交通法」が適用されます。

自転車に係る主な交通ルール

2 自転車の通行場所
(1)車道通行の原則
(2)例外的に歩道を通行できる場合

2 自転車の通行場所
(1)車道通行の原則
自転車は、歩道と車道の区別のある道路では、車道を通行し
なければいけません(ただし、自転車道があれば、自転車道を
通行しなければいけません。また、著しく歩行者の通行を妨げ
ることとなる場合等を除き、路側帯を通行することができま
す。)。
道路では左側を通行しなければならず、特に、車両通行帯の
ない道路では、道路の左側端を通行しなければいけません。
また、車両通行帯のある道路では、原則として一番左側の車
両通行帯を通行しなければいけません。
【根拠規定】第17条、第17条の2、第18条、第20条、
第63条の3
【罰 則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等

(2)例外的に歩道を通行できる場合
自転車は、車道通行が原則ですが、
○ 道路標識等により自転車が当該歩道を通行することがで
きることとされているとき
○ 自転車の運転者が、高齢者や児童・幼児等であるとき
○ 車道又は交通の状況に照らして当該自転車の通行の安全
を確保するため当該自転車が歩道を通行することがやむを
得ないと認められるとき(大野意見:誰がやむを得ないと認めるのか?)
には、歩道を通行することができます。
ただし、自転車は歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しな
ければならず(普通自転車通行指定部分があるときは、当該部
分を徐行しなければいけません。)、歩行者の通行を妨げることとなるときは一時停止しなければいけません(普通自転車通行指定部分については、歩行者がいないときは、歩道の状況に
応じた安全な速度と方法で進行することができます。)。
【根拠規定】第63条の4
【罰 則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金(歩道通
行要件を満たさないにも関わらず歩道を通行した
場合)等

画像出典:警視庁

歩道を歩いていた女性に追突して死亡させたこともあります。以下朝日新聞デジタルから:

朝日新聞デジタル

ながらスマホの自転車死亡事故、元大学生に有罪判決

斎藤博美、飯塚直人 小林太一、吉沢英将

川崎市麻生区で昨年12月、スマートフォンを操作しながら電動自転車を運転し、歩行者にぶつかって死亡させたとして重過失致死罪で在宅起訴された元大学生の女性(20)=同区=に対し、横浜地裁川崎支部は27日、禁錮2年執行猶予4年(求刑禁錮2年)の判決を言い渡した。スマホを使いながら自転車を運転して事故になるケースは急増しており、警察庁も注意を呼びかけている。

江見健一裁判長は判決で「周囲の安全を全く顧みない自己本位な運転態度で、過失は重大」と指摘。そのうえで、事故当時は時速9・3キロと比較的低速だったことや、被告の家族が加入する保険で賠償が見込まれる点などを考慮し、執行猶予つきの判決が相当だと結論づけた。

判決によると、被告は昨年12月7日午後3時ごろ、歩行者専用道路となっている商店街で自転車を脇見運転し、歩行中の女性(当時77)=同区=と衝突、脳挫傷などで死亡させた。被告は事故直前に少なくとも33秒間、左耳にイヤホンをつけて音楽を聴きながら飲み物を持った右手で右ハンドルを握り、左手でスマホを操作しながら走行。メッセージの送受信を終えてスマホをズボンの左ポケットにしまう動作に気をとられ、事故を起こした。

弁護側は「悪質性の低い脇見運転」だと主張したが、判決は「前方を注視しないばかりか、危険を察知したとしても直ちにブレーキをかけられない状態だった」と述べ、「『脇見運転』と矮小(わいしょう)化する弁護人の主張は論外」と退けた。さらに、被告が法廷で「急いでいたことが事故の原因」と述べたことについて「根本原因である自らの運転態度についての内省が深まっていない」と非難した。

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自転車事故の高額補償例を例示します:

自転車事故による高額賠償事例
裁判所・年 事故の概要 賠償金額
さいたま地裁
平成 14 年2月
男子高校生が朝、自転車で歩道から交差点に無理に進入
し、女性の保険勧誘員(60 歳)が運転する自転車と衝突
し、保険勧誘員は頭蓋骨骨折を負い9日後に死亡した。
3,138 万円
大阪地裁
平成 14 年6月
自転車が信号機のない三叉路の交差点を左折した際、対
向進行してきた 70 歳男性が運転する自転車と衝突し、
植物状態に陥り、事故の1年4月後に死亡した。
3,400 万円
名古屋地裁
平成 14 年9月
男子中学生が夜間無灯火で自転車を走行中、対面歩行の
女性(75 歳)と衝突し、女性には重大な障害(後遺障害
2級)が残った。
3,124 万円
東京地裁
平成 17 年9月
男子高校生が朝、赤信号で交差点の横断歩道を走行中、
旋盤工(62 歳)の男性が運転するオートバイと衝突し、
旋盤工は頭蓋内損傷で 13 日後に死亡した。
4,043 万円
横浜地裁
平成 17 年 11 月
女子高校生が夜間、携帯電話を操作しながら無灯火で走
行中、前方を歩行中の看護師(57 歳)の女性と衝突し、
看護師には重大な障害(手足がしびれて歩行が困難)が
残った。
5,000 万円
東京地裁
平成 19 年 4 月
成人男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に
進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55 歳)と 衝
突し、女性は頭蓋内損傷等で 11 日後に死亡した。
5,438 万円
大阪地裁
平成 19 年7月
歩道上で無灯火の 15 歳男性の自転車が歩行中の 62 歳
男性と正面衝突し、歩行者の男性が死亡した。
3,000 万円
東京地裁
平成 20 年6月
自転車運転中の男子高校生が車道を斜めに横断し、対
向車線を自転車で直進してきた 24 歳会社員男性と衝
突し、会社員は言語機能の喪失等重大な障害が残った。
9,266 万円
神戸地裁
平成 21 年3月
自転車が、信号のない交差点を歩いて横断中の 54 歳
女性と衝突し、女性は顔の骨や歯を折る重傷を負っ
た。
1,239 万円
さいたま地裁
平成 23 年 11 月
女性が自転車で歩道を通行中、路地から歩いて出てき
た 35 歳女性と衝突し、歩行者の女性が骨折した。
1,706 万円
東京地裁
平成 25 年3月
歩行者も通行できるサイクリングロードで出勤中の
男性会社員の自転車が散歩中の 77 歳男性と衝突し、
歩行者の男性が3日後に死亡した。
2,174 万円
神戸地裁
平成 25 年7月
坂道を下ってきた小学5年の少年の自転車が歩行中
の 62 歳女性と衝突し、歩行者の女性が意識不明とな
った。
9,520 万円

東京地裁
平成 26 年1月
信号無視した会社員の男性 46 歳の自転車が横断歩道
を渡っていた 75 歳の女性と衝突し、歩行者の女性が
死亡した。
4,746 万円

どうですか、みなさん自転車も怖いものですよね。

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