メーカーが後付「加速抑制装置」開発を要請される

07 7月 2019

度重なるペダル踏み間違い事故を受けて、国土交通省がようやく動きました。国内各メーカーに後付け「速度抑制装置」開発促進を要請しました。次の産経新聞記事の通りです:

国交省、自動ブレーキなど開発要請へ 高齢者事故防止

自動車大手8社のうち、後付けの安全運転支援装置を販売しているのはトヨタ自動車とダイハツ工業の2社。ホンダや日産自動車などは既に開発に取り組んでいることを明らかにしており、国土交通省の要請を受け、全社が後付け装置の市販に踏み切る見通しだ。
トヨタ自動車が販売している後付けの「踏み間違い加速抑制システム」。赤い円内は超音波センサー
トヨタ自動車が販売している後付けの「踏み間違い加速抑制システム」。赤い円内は超音波センサー
トヨタは昨年12月にハイブリッド車(HV)「プリウス」、小型HV「アクア」の2車種について、後付けの「踏み間違い加速抑制システム」の販売を始めた。車の前後に、「超音波センサー」を取り付けるとともに、車内に表示機を設置。前・後方の約3メートル以内にある壁などの障害物をセンサーが検知すると、ブザー音で注意を喚起する。ブレーキと間違えてアクセルを強く踏んだと判断した場合は加速を抑制する。
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(以下大野の意見):
先ず、トヨタのこの加速抑制装置は、2つの点でダメです。理由は、次の通り:
(その1)
超音波センサー=ソナー は障害物の探知範囲が約3mでペダル踏み間違い対応が「停止時」しか想定していないこと。踏み間違い事故発生は約94%が走行時に発生しています(2006~2008 米国ノースカロライナ州警察データーベースの統計より)。ほとんど効果がないといえます。
(その2)
クルマは運転者が意図的にアクセルを操作したか誤って操作したか「判断」することはできません。判断できるのはAI(人工知能)を搭載した場合です。
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(記事続き)
トヨタの豊田章男社長は日本自動車工業会会長としての会見で、「新車に(安全装備を)装着しても普及には時間がかかる」と強調していた。今年6月には対象に「ウィッシュ」など3車種を追加。10月には「カローラフィールダー」などさらに3車種を対象とし、12月には小型車「ヴィッツ」も加える。計12車種のうち、対象車の保有台数は、合わせて約460万台となる。 装置の価格はトヨタが5万5080円で、取り付けには別途、3万~4万円かかる。トヨタによると、「(高齢の運転者による事故などで)関心が高まり、販売店への問い合わせが増えている」という。

ダイハツも昨年12月、平成19年に発売した軽自動車、2代目「タント」を対象に後付け装置を発売。今年2月、対象を計3車種に増やした。工賃込みで5万9508円。 国交省の要請を受け、マツダの関係者は5日、「既に販売した車に装置を適合させることには難しさもあるが、安全に関することなので積極的に対応したい」と話した。

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左足ブレーキやナルセペダル、ストップペダルなどのアナログ踏み間違い防止装置があるのに何故、国土交通省、メーカーはそれを放っておくのでしょうか?

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