マスク拒否、臨時着陸に思う

13 9月 2020

本日はクルマ関係の話題ではありません。しかし、社会生活の基本である「ルール」についての問題だと思うので取り上げ、みなさんと一緒に考えたいと思います:

2020年9月7日、北海道釧路空港発関西空港行のANA系LLC(格安航空会社)ピーチ・アビエーションの飛行機で発生しました。以下夕刊フジの記事から抜粋:

ピーチ機内「マスク拒否」問題 降ろされた男性が反論「事前に案内なかった」

2020.9.11配信記事より

格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーション機内で、乗客の男性がマスク着用を拒否し、客室乗務員を大声で威圧したなどとして、臨時着陸後に降ろされたトラブルで、乗客男性が「不当かつ誤った判断で降機を強いられた」と反論した。男性は夕刊フジの取材に応じ、ピーチ側の対応を批判した。

7日に北海道の釧路空港から関西国際空港に向かうピーチ機の離陸前、客室乗務員が男性に新型コロナウイルスの感染防止策としてマスクの着用を求めたが、男性は拒否し、午後0時半の出発が約45分遅れた。

飛行中も大声を出すなど威圧的な態度が続いたとして、機長が航空法の安全阻害行為に当たると判断、新潟空港に臨時着陸し男性を降ろした。関空には約2時間15分遅れで到着、乗客125人に影響が出た。

男性は9日にツイッターのアカウントを開設し、「事前にマスク着用推奨や例外申請の案内のアナウンスはなかった」と投稿するなど、ピーチ側の問題点を指摘した。

夕刊フジの取材に「乗務員からマスク着用の『お願い』を受けたが、『答えはノーです』と返答した。あくまで任意のお願いが、食い下がる形で複数回行われたことは妥当な対応ではない」と説明した。

マスクを着用しなかった理由については「個人のプライバシーに関わる健康上の理由の詳細な開示は、当事者にとって大変な負担を強いる」と述べるにとどめた。乗務員には「理由の提示などが必要であれば書面で一筆書く」と付け加えていたという。

<大野註:この男性の両隣の席の客は、場所を移動しており、この人たちの迷惑は考えないのでしょうか? また、新潟空港に臨時着陸したのは、乗務員に対して「威嚇」たからであり、その意味ピーチ側は十分対応したといえるのではないでしょうか? いやなら釧路で降りればよかったのでは?>

飛行中の大声は「耳の聞こえが悪く、人より声が大きい時がある」と男性。威圧的とされた態度については「近くの乗客から不適切な発言を受け、正当な手段として第三者の客室乗務員に抗議した。『コックピットに詰め寄っている』との報道もあったが、乗務員の待機場所とコックピットの距離が近く、マスク越しの声が聞き取りにくいため距離が近づいた」と説明した。

<大野註:こんなの詭弁にしか聞こえませんね>

男性は新潟空港でピーチ機を降りたが、「契約終了とチケット払い戻しの署名を求められたが拒否した。今後の対応についてはピーチ側と話し合っている」と語った。

ツイッターでは「ピーチ社以上に、動画を撮った傍観者、拍手を送った匿名の乗客者たちに、残念な気持ちを抱きました」ともつづっている。

<大野註:でも、自分が原因で釧路で45分、新潟への臨時着陸で2時間15分遅れたのは事実であり、それは正当な行為とは到底言えないのではないでしょうか?>

ピーチの広報担当者は「男性が運営するアカウントの存在は把握している」とした上で、「あくまで航空法に則り、最終的には機長が判断を下した」と回答した。(以上夕刊フジWEB版ZakZakより転載)

 

ピーチ、就航初号機のA320が5月3日ラストフライト!初便から7年半、約 ...

画像出典:Wikipedia

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さて、ネットではこの男性が誰であるかが既に特定され、しかも顔写真も出ております。これはプライバシーの侵害にあたるのではないかとも思われます。下記の記事はけせらせらニュースより:

ピーチのマスク拒否男/奥野じゅんや氏の職業・大学・経歴(学歴)顔写真は?

として他の乗客が撮影した男性の画像を掲載しています・・・・。

 

一方、「感覚過敏症」という病気もあり、物理的にマスクができない人が存在することも事実です。以下の動画は日テレNEWSからの転載です。NHK以外はいつ削除されるか解りませんが転載します:

動画出典:youtube

プラスチックで顔を覆うようなものでもだめなのでしょうか?

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こんなやつ。これで過敏症は発症するのでしょうか? 飲食店でもこんな透明マスク?しているひとを見かけますよね。

さて、気になるのはこれからピーチアビエーションとこの男性の間で遅延に対する「損害賠償請求」裁判が始まるのではないかということです。

はっきりさせておかないといけないのは、マスク着用はあくまで航空会社側の「要請」であることであり、「着用義務」ではありません。しかし、飛行機で隣り合わせで座ることは「密」状態であり、客室乗務員にも感染の危険があるわけです。けせらせらニュースから抜粋します:

ピーチのマスク拒否男の損害賠償額は1000万円超の見込み!刑事罰は?

画像出典:けせらせらニュース
山口宏弁護士がこう説明する。

「東京~大阪間を飛行する場合、大体400万~500万円の経費がかかります。
釧路からなら、少なくともその倍です。日本の損害賠償はあくまで実損害をカバーするという考えです。
今回の場合、新潟空港へ着陸時と離陸時の燃料代が余計にかかり、上昇時にはより多くの燃料が
必要になります。空港着陸料、施設使用料、機体整備費、新潟空港のスタッフの人件費などを考えれば、
ざっと1000万円近くいくのではないか。刑事では航空法違反にあたる可能性があり、
威力業務妨害罪も成立します」

※この計算少しおかしいです。ピーチアビエーションのA320は座席数180席。平均価格が ¥8000/席としても¥8000✖180席=¥1,440,000です。この弁護士はどこからデータを引っ張り出したのか知りませんが、乗務員人件費、地上係員人件費、営業経費、燃料費、機材の減価償却(またはリース代)などの経費が144万円以上になったら飛べば飛ぶだけ赤字になります。損益分岐点として搭乗率を60%くらいにしているでしょうから144✖0.6=86.4 86万くらいに設定しているでしょう。
民間企業ですからそれはあり得ません。また、他の乗客に運賃払い戻しをしている訳ではないでしょう。
そのため損害賠償額はそんなに高額のものとはならないでしょう。
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ただし、このコロナのご時世、飛行機や新幹線の乗り方にひとつの問題提議をしたことは否定できないと思います。

 

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