米運輸省、自動運転車に関する指針概要を発表

21 9月 2016

昔、国土交通省(旧運輸省 MOT)の航空局で働いていた頃、東京虎ノ門のアメリカ大使館の中にあるFAA(Federal  Aviation Agency わが国では連邦航空局といっていますがー局はBureauですから Agency は庁と訳す方が正しいと思いますー2016年のいまでもあると思います)に行って、担当官と名刺の交換をしました。
勿論、連邦航空庁は、米国運輸省(U.S DOT)の一組織です。
日本の航空局も国土交通省の一組織です。
そこで気が付いたのは、運輸省の英語表記です。

先ず、合衆国運輸省の英語表記です:U.S. Department of Transportation です。
日本の運輸省は:Ministry of Transport です。

多くのアメリカ人は、Transport ?、Transportation だろうと聞き返します。
なるほど。早速辞書を引いてみると、Transport は、他動詞が一番先にきて、名詞は2番目です。
一方、Transportation は、名詞が一番にきます。
そういうもんかなと思っていたところ、念のためイギリスの運輸省はなんていうのかなとまたまた辞書を引いてみたら、ありました。
Department for Transport でした。
イギリスの真似だったんですね。
明治維新の頃から、国の近代化を目指してきた先達の苦労が見えるようです。

わたしは決してグローバリゼーションがいいとは思いませんが、世界で生きていくためにはある程度仕方がないのかもしれません。
しかし、神武天皇以来皇紀2676年の今年、どこにこんな歴史を持つ国がありますか?
わたしは日本人として大きな誇りを持っています。生活全般和服で通したいくらいです。

米運輸省、自動運転車に関する指針概要

さて、随分脱線しました。自動運転の話です。
まだ、きちんとしたものは発表されていないのですが、合衆国運輸長官の談話形式で以下の通り発表されました。:

DOT will evaluate in deciding whether a self-driving car is safe enough are:

  • How and where the car is supposed to operate.
  • How the car detects and responds to oncoming objects.
  • How the system responds in case of a software failure.
  • How it was tested and validated.
  • How it protects user data.
  • How it records and shares data.
  • How it is programmed to address ethical dilemmas on the road.

合衆国運輸省は、自動運転車が本当に安全に運行できるかどうか以下の点について評価することとしました。次は、わたしの翻訳ではありませんが、よくできているので転載します。:

・自動運転車がどのように、どこで運用される想定となっているか。
・自動運転車が接近してくる対象物をどう検知し、対応するか。
・自動運転車のソフトウェアに不具合が生じた場合、システムはどう反応するか。
・自動運転車はどう実験・検証されたか。
・自動運転車はユーザーデータをどう保護するか。
・自動運転車はデータをどのように記録・共有するか。
・自動運転車は路上での倫理的なジレンマに対応するためにどうプログラムされているか。

Updated by WirelessWire News編集部 on 9月 20, 2016, 14:43 pm JST より転載

倫理的なジレンマとは、例えば、衝突が避けられないとコンピューターが判断したとき、通学中の3人の子供の方に突っ込むか、6人の老人の集団に突っ込むかという究極の倫理的判断です。
論理的ではなく倫理的判断です。
つまり論理的には人数の少ない方に突っ込んだ方が被害が少ないです。
けれど子供と老人、どう判断するのでしょうか?大体、子供と老人を判別できるかどうかもあやしいです。
しかし、AI(人工知能)があったとしても、事故があった時、誰がその判断に対して評価するのか疑問です。裁判所?そして誰が最終的な損害賠償の責任を取るのですか?日本では交通事故に対してその運転者に対して『刑事罰』があるのです。誰がその罪を背負うのでしょうか?

合衆国運輸長官 Transportation Secretary Anthony Foxx
合衆国運輸長官
Transportation Secretary Anthony Foxx
出典:Mark Wilson/Getty Images

イーロンマスク テスラモーターズCEO
イーロンマスク テスラモーターズCEO
出典:Wikipedia

まだまだ大まかな指針ですが、2016年5月のペンシルバニア州テスラ死亡事故が大きく影響していると思います。米国の既存の自動車メーカーは、テスラにいい感情を抱いていないことは容易に想像できます。
会長のイーロンマスクCEOは、南アフリカ生まれで、日本でも有名なPaypal(ネット等のカード支払い)の創始者です。これで財を成しました。
トヨタ自動車はこのテスラ電気自動車に興味を示し、電気自動車の共同開発契約に調印したようです。自動車に関しては全くの素人のテスラが全世界のあちこちの自動車メーカーからひとを引き抜いて曲がりなりにもここまで大きくなってきたのですからエライと思います。目の付け所がよかったと思います。また、テスラのキモになっているリチウムイオン電池は、日本のパナソニックの汎用品です。素晴らしいです。でも、電気自動車は、決してECOでもなければ、環境に良くもないです。石油や石炭を燃やしてできた電気を使っているのですから。

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