燃料電池の歴史

24 9月 2016

燃料電池は1801年イギリスの初代男爵ハンフリー ダービー卿(Sir Humphry Davy, 1st Baronet)がボルタ電池によって燃料電池の原理を発明しました。1800年にナポレオンがフランスの皇帝になってから1年後のことです。

イギリスの初代男爵ハンフリー ダービー卿(Sir Humphry Davy, 1st Baronet)
イギリスの初代男爵ハンフリー ダービー卿
(Sir Humphry Davy, 1st Baronet)
出典:Wikipedia

ボルタ電池 出典:Wikipedia
ボルタ電池 出典:Wikipedia

その後1842年、白金電極に水素と酸素を供給して発電する実験によって燃料電池を実証したのがイギリス人のサー・ウイリアム・ロバート・グローヴでした。

サー・ウイリアム・ロバート・グローヴ(イギリス人) 出典:Wikipedia
サー・ウイリアム・ロバート・グローヴ
(イギリス人)
出典:Wikipedia

実験用燃料電池
実験用燃料電池 出典:Wikipedia

ミライは今でも触媒に白金を使用しています。その装置が下の画像です。

トヨタミライの燃料電池
トヨタミライの燃料電池 出典:トヨタ自動車

43年後の1885年になって、ドイツ人のカール ベンツがガソリンエンジンで自律走行するパテント・モトール・ヴァーゲンを完成させ、それまで捨てていたガソリンを使った自動車が脚光を浴びました。
自動車が世の中に受け入れられ発展するに従って、ガソリンの需要が増え、石油は基幹エネルギーになっていきました。
乱立で息も絶え絶えだった石油採掘業者がガソリンの御陰で息を吹き返し、ジャイアント企業になっていきました。

カール ベンツ(ドイツ人)ガソリン自動車の発明者
カール ベンツ(ドイツ人)
ガソリン自動車の発明者(特許を最初に取得)
出典:Wikipedia

パテント・モトール・ヴァーゲン 3輪車(カール ベンツ製作)
パテント・モトール・ヴァーゲン 3輪車
(カール ベンツ製作)
出典:Wikipedia

宇宙開発競争による燃料電池開発

燃料電池は、その後1世紀近くも特段の進展がなかったのですが、米ソの宇宙開発競争が始まってから、米国で長時間の発電が可能な燃料電池を利用すべく研究がスタートしました。宇宙ではガソリンエンジンを運転するわけにはいきません。1965年ジェミニ5号に初めて積載され、アポロ11号では月まで行きました。アポロ13号では燃料電池に酸素を供給する酸素タンクの爆発により地球への帰還が危ぶまれた状態になりましたが、無事帰還できたのはトムハンクス主演の映画アポロ13号にくわしく描かれています。燃料電池は退役したスペースシャトルにも搭載されていました。
ともあれ、一般的なエネルギーとしては、石油がたくさん採れるアメリカでは、石油代替えとしてのエネルギー資源開発にあまり熱心ではなかったといえます。

しかし、環境問題などがクローズアップされた結果、アメリカでもハイブリッド自動車や電気自動車等が注目されるようになってきました。
いまは倒産して国有企業となってしまったGM(ゼネラルモータース)は、1960年代から燃料電池車にはかなり力を入れており、2016年現在ホンダと組んで2025年目標にアメリカに燃料電池製造工場を立ち上げようとしています。

トヨタ 燃料電池車とハイブリッド車

トヨタミライ ZBA-JPD10
トヨタミライ ZBA-JPD10
出典:トヨタ自動車

何故トヨタがこれらに先駆けて燃料電池車ミライを世に出せたかは、ひとえにハイブリッド車製造とそのノウハウに一日の長があつたからです。ハイブリッド車のエンジンの代わりに燃料電池があって、非常に構造が似ています。ホンダもGMもベンツもハイブリッド車の実用化がトヨタに比べて少し遅れました。

さて、トヨタがミライ開発の根幹となるハイブリッド車の開発に着手したのは1990年初頭であり、1995年に正式にプロジェクトが発足し、1997年10月には初代プリウスを発売しています。
思い起こすとラジオでクルマ好きの所さんがプリウス、カッコワリーと言っていたのを憶えています。ホントにカッコ悪かったです。

しかし、プリウスもモデルチェンジを重ねて、3代目のプリウスはだいぶカッコよくなりました。
わたしは2011年製の3代目プリウスZVW30のGTouringという45扁平タイアを付けたタイプに乗っていましたが、なかなかカッコよかったです。燃費は高速+下道で23km/Lくらいでした。因みにこのプリウスには、『手動スロットル』を装着して2万kmを走行いたしました。
2016年現在のプリウスはさらに燃費も伸び、さらにカッコよくなりました。

2011年製プリウス ZVW30 レーダークルーズコントロール付
2011年製プリウス ZVW30
レーダークルーズコントロール付

トヨタプリウスZVW50
トヨタプリウスZVW50
出典:トヨタ自動車

いつも言っていることですが、ミライは、究極のエコカーですが、実は大事なのは、国の根幹を為すエネルギー問題だということです。
トヨタはこのことをよくよくわきまえての快挙だったと思います。
総額800万近いクルマを購入するとき、国が地方自治体も含めて300万円の補助金、すなわち税金を出すのです。

燃料電池車とエネルギー問題

2016年現在、基幹エネルギーは化石燃料です。
そして石油はそのほぼ全量を輸入に頼っています。
中東からがその80%です。
紛争地帯であるペルシャ湾のホルムズ海峡を通り、マラッカ海峡を通り、支那が滑走路を強行建設している南シナ海を通って日本i運ばれてきます。
危ないといったらありゃしないところです。将来何が起こるかわからないです。何か一朝ことあれば大変です。
だから日本政府は必死なのです。

ENEOS(JXエネルギー株式会社 JX Nippon Oil & Energy Corporation)がオフサイトの水素ステーションで5億の施設を一生懸命作り続けているのも判ります。一日当たり1台乃至2台しか充填に来ないそうですが、頭が下がります。

ニッサンが2020年を目標にバイオエタノール燃料電池車を出すそうですが、ホントに解ってないなーと思います。
政府が5億のオフサイト水素ステーション建設に3億円だし、地方自治体が1億円出す意味がまったく解っていません。
バイオエタノールのスタンドなら簡単に従来型スタンドに併設できますが、やはり外国企業(51%株式はフランスルノー所有)ですから、解らないのかもしれませんね。また、労働争議で倒産寸前になって、首切りゴーンと呼ばれていたカルロス ゴーンがルノーから送りこまれてきたわけです。
職人レベルではニッサン(ホントはスカイライン)GTRなどは心から尊敬しますけれど。
また先に報告しましたように、ガソリンエンジンの圧縮比を変えられる!エンジンを開発したのもニッサンです。これは凄いことです。ホントに。

まぁ、エネルギーの多様化として水素だけでなくバイオエタノールもいいのかもしれませんが、バイオエタノールでは工業用・家庭用電気の発電はできないでしょうね。
水素はできます。

自動運転についてもニッサンはとても下品な(すいません)矢沢永吉を使ってリーフで自動運転しているCMを垂れ流していますが、事故時の責任問題とかセンサーの誤作動とか、大事なことを避けて通っています。やっちゃぇニッサン! 臭いものにふた。

2020年発売予定ニッサンバイオエタノール燃料電池車
2020年発売予定
ニッサンバイオエタノール燃料電池車
出典:Wikipedia

最高に下品な矢沢永吉ニッサン自動運転CM
最高に下品な矢沢永吉ニッサン自動運転CM
出典:日産自動車

トヨタは流石に利口です。自動運転、1兆円近い金を投資して研究しているのに、ひとことも言いませんね。人工知能ができない限りなにもできないことを知っているからです。尊敬しています。

燃料電池はWASC(ホワイト アングロサクソン カソリック)イギリス人が発明して、親戚のWASP(ホワイト アングロサクソン プロテスタント)アメリカ人が発展させ、そして日本人が完成させたといっていいです。わたしは日本人であることが誇りです。嬉しいです。

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