2016年12月10日 横須賀横浜道路の車両炎上事故について

16 12月 2016

2016年12月10日、横須賀横浜道路で正面衝突し、炎上した事故を考えるとき、頭に去来したのは水素=燃料電池車のことでした。燃料電池車が同様な事故に至った場合どうなるのかということが皆さんの興味を惹くと思います。水素という言葉からは、水素爆弾=福島第一原子力発電所での建屋水素爆発=飛行船ヒンデンブルグ号爆発事故=引火爆発し易いというイメージが湧いてきます。その誤解を解いていきたいと思います。この中で、福島の原発建屋爆発事故は、建屋の構造が放射能を逃がさないように密閉構造になったいたところに燃料棒の被覆管ジルコニウムから発生した水素に引火しました。また、飛行船ヒンデンブルグ号の爆発火災で炎が上がっているのは、外殻被服のペンキとアルミニウムです。(以下 R水素ネットワークより http://rh2.org/save/)

greenz-rh2-2x

「水素=爆発」というイメージはどこから?

「水素が爆発するから危険」と誤解される根拠に、水素の「燃焼範囲が広い」「極めて小さなエネルギーで着火する」という2つの物性(物質としての特性)があります。燃焼範囲とは、その物質が空気中にどのくらい混ざると燃焼が始まるか、という指標です。水素は、空気に4%〜75%混ざったときに、燃える気体になります。この状態に、静電気程度のエネルギーが加わると着火します。逆に、2つの条件が重ならなければ、自然に着火・爆発することはありません。

※着火エネルギーは、発火点(自然発火温度のこと)とは異なります。発火点は527℃で、空気中で温度が527℃にならないと発火しません。

ガソリンよりも空気よりも軽く、素早く拡散する

空気に4%混ざると燃える気体になる水素ですが、拡散性が高いため、開放した空間で濃度4%以上になることは、ほとんどありません。下の写真は、ガソリン自動車と水素自動車の燃料タンクをわざと破損させて点火し、何が起きるかを実験したときの様子です。空気より重いガソリンがいつまでも燃え続け、タイヤや車体にも引火しています。一方、空気より軽い水素は漏れ出て酸素と混ざり、燃え始めた瞬間に上昇し消えてしまっています。「素早く拡散する」という安全確保上有利な物性は、実験でも証明されています。下の水素搭載車とガソリン搭載車の燃焼比較実験画像をご覧ください。

save_car

画像出典:R水素ネットワークより 左:水素 右:ガソリン 気化ガソリンは空気よりも重いために下に滞留し、長く燃え続けます。画像下3枚の写真は全てガソリン車です。水素は一瞬燃えますがすぐ拡散してしまいます。なお、水素も燃えているように見えますが、炎が上がっているのは実験のために添加した水素ではない他の物質です。水素は炎が見えません。

水素は他の高圧ガス(天然ガス等)と同じ扱いです。決して危険なものではありません。また、日本のエネルギー問題を解決するすばらしい基幹エネルギーとなるものです。

 

コメントする

お名前・メールアドレス・コメントは必須です。
メールアドレスは公開されません。

トラックバックURL