東池袋事故加害者の証言から

09 11月 2019

東池袋のペダル踏み間違い事故。88歳男性が事故現場の現場検証に立ち会いました。

次は産経新聞WEB版の記事を掲載します。わたしが問題だと思うところにハイライトしました。みなさんと一緒に考えたいと思います:

池袋母子死亡事故 暴走の元院長を来週にも書類送検 警視庁

2019.11.8 22:15
https://www.sankei.com/affairs/news/191108/afr1911080047-n1.html

東京都豊島区南池袋で起きた事故で、現場検証する捜査員ら=東京都豊島区(佐藤徳昭撮影)
東京都豊島区南池袋で起きた事故で、現場検証する捜査員ら=東京都豊島区(佐藤徳昭撮影)

東京・池袋で4月、暴走した乗用車に母子がはねられ死亡した事故で、警視庁交通捜査課が来週にも自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)=東京都板橋区弥生町=を書類送検する方針を固めたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。

画像出典:wikipedia 

捜査関係者によると、飯塚元院長は当初、「ブレーキをかけたが利かなかった。アクセルが戻らなかった」などと説明。車の機能検査の結果、異常は確認されず、その後、「ブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性もある」と話した。こうした状況を踏まえ、警視庁は運転操作ミスが事故原因と結論付けたという。

事故は4月19日に豊島区東池袋の都道で発生。自転車に乗った近所の松永真菜さん=当時(31)=と長女の莉子ちゃん=同(3)=が死亡、男女8人と妻が重軽傷を負った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この事故の全ては「ブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性もある」ということです。
ブレーキとアクセルを踏み間違った結果、2人のひとを殺してしまう結果となりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

メーカーは「自動ブレーキ」や「加速抑制装置」など「ペダルを踏み間違ったあとの装置」に走っていますが、所詮、対症療法です。

対症療法:疾病の原因に対してではなく、主要な症状を軽減するための治療を行い、自然治癒能力を高め、かつ治癒を促進する療法である。転じて医学以外の分野においても、比喩として、「根本的な対策とは離れて、表面に表れた状況に対応して物事を処理すること。

メーカーがやっていることはまさにこれなんです。 なんで対症療法なんですか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「自動ブレーキ」は、2019年現時点では、アクセルを踏むという行為がドライバーが主要な運転操作をしたという意味で、解除となり、ペダル踏み間違い事故防止の役に立ちません。

それでは「加速抑制装置」はどうなんでしょうか? ➀その作動条件は、停止状態~時速15km乃至20kmの範囲で作動することとなっています。何故速度制限が付いているのでしょうか? それは、つぎの2つのことからです:

1. 踏み間違い事故のほとんどが時速0km~20kmで発生しているという感覚からだけの「間違った」前提を無理やりこじつけているからです。(中高速からの踏み間違い事故は、この東池袋事故を含み、多数あると考えられます: 11/16 日本TV ウエークアッププラスでの報道では、時速50km付近からの踏み間違い事故であることを警視庁が発表したそうですーただし、飯塚院長は、パニック状態で踏み間違えた可能性があると証言していますが、わたしは踏み間違いが発生したために左側ガードレールに接触したと考えています。すなわちパニック時に踏み間違えたのではないと思っています)ただし、踏み間違い事故がどの速度から発生したかという統計は未だありません。

2. 「加速抑制装置」の障害物検知センサーは、ほとんどの場合、検知範囲が狭い「ソーナー(超音波反響測定装置)」です。 また、ソーナーは誤作動、誤認識が最も多い検知媒体です。例えば、雨が降ったり雪が降ったりすると途端にダメになります。メーカーではなるべく表面に出ないように処理していますが、音を出すという機能のためにあまり隠すことはできません。この装置はいままで駐車の際の障害物検知に用いられてきましたが、加速抑制装置に使用することは「ミスフィット」だろうと思います。最低限レーザーのような装置を追加して装備する必要があります。ただし、レーザーは、朝日夕日など赤外線が多く発生している場合、誤作動することがあります。

以上のことから2019年現行の「加速抑制装置」は、「ペダル踏み間違い事故防止」には、限定的な効果しかないと考えられます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「対症療法」のことを申し上げました。対症療法と対比して使われるのが「原因療法」です。これは病気の原因を取り除こうとするものであり、言わば正統療法といえます。

すなわち、踏み間違えてから対処するのではなく、踏み間違いしないようにするということが求められています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

踏み間違いしないようにするという装置のひとつとして、わたしが開発した「左足ブレーキシステム」というものがあります。以下ご覧ください:

ペダル踏み間違い事故を防止する「左足ブレーキ」販売サイト

画像出典:大野一郎 画像をクリックするとリンク先にジャンプします。

この東池袋の事故被害者の夫であり父である男性が88歳の加害者に対して「厳罰」を与えてほしいという署名活動を行いました。29万人の署名が集まったそうです。


画像出典:wikipedia

何も悪いことをしていない被害者母子が突然殺されたことに対するやりきれない怒りと悲しみがこの88歳加害者に向けられるのは解ります。しかし、わたしの仲間である北海道の前田さんも交通事故で当時18歳の長女を喪いました。前田さんはこの被害者母子夫の行動には賛同されていません。

リンク先:
交通死「遺された親」の叫び

画像にもリンクを貼っています。

88歳の運転者にさらに厳罰をという趣旨の署名には疑問を感じざるを得ません。多分、収監された刑務所で亡くなることと思われます。しかし、それでこのペダル踏み間違い事故がなんらか減少するでしょうか?

コメントする

お名前・メールアドレス・コメントは必須です。
メールアドレスは公開されません。

トラックバックURL