OT式左足ブレーキ装置
わたしの開発したOT式左足ブレーキ装置の大きな特徴は2つあります。
1.ブレーキが必要とされる走行状況で踏み換え忘れ(踏み間違い)が発生しない。(ブレーキとアクセルを違う足で操作するため)
2.運転中は常時左足をブレーキペダルに乗せて置ける構造であるためブレーキが必要なときに『ペダルの踏み換えなし』に直ぐペダルを踏むことができる。
※このことは所謂自動車学校で習う『空走距離』が限りなくゼロに近づくことを意味します。空走距離は、ペダル踏みかえから発生するからです。
現在、OT式左足ブレーキ装置はトヨタエスティマに装着しています。
画像出典:大野一郎 Wikipedia(トヨタエステイマ画像)
トヨタエステイマは、ブレーキの効力倍増装置に真空倍力装置*1という機構が装着されています。この真空倍力装置というのは、エンジンの吸気負圧を利用して油圧装置の油を増幅させたりあるいは、踏力そのものを倍増させてブレーキの効きを倍増させるものです。
ダイレクトアクティングバキュームブースター *1
英語 direct acting vacuum servo booster
負圧を利用した真空圧倍力装置のひとつで、踏力を直接倍力する。Bendix社が開発したマスターバックが代表例。軽自動車から小・中型トラックまでの倍力装置の主流になっている。ダイヤフラムで分けられたシェルの部屋に、通常は真空圧をためておき、ブレーキをかけるとペダル側の部屋に踏力に応じた大気圧が入り、ダイヤフラムに大きな推力が発生して、マスターシリンダーのピストンを押す。要求する推力の大きさやレイアウトの制限から、ダイヤブラムを2個配したタンデム型も多く使われている。ペダルとマスターシリンダーは倍力ユニットを介して機械的に結合されているので、倍力装置が故障しても人力でブレーキは効く。圧力変化によるシェルの変形を抑えるため、取付けボルト数を増やしたり、内部にロッドを設けたものが増える傾向にある。
記事・画像出典:Wikipedia 大車林(Weblio辞書)
ここで問題になるのが真空倍力装置の性質です。真空倍力装置はエンジンの吸気負圧力に依存して作動するため、減速中などエンジン吸気圧が最低になる時に極端にペダルの踏力が軽くなることがあり、そのため足をペダルに乗せて置くと足の重量で意識しないうちにブレーキを踏んでしまうことがありました。当然ストップランプは点灯します。
ただトヨタミライやトヨタプリウスなどの電気自動車やハイブリッド車のブレーキ倍力装置には、油圧ポンプを作動させるために電動モーターが装備されており、こちらは踏力がエンジンに依存することなく一定なのでドライバーの意思に反して無意識に踏むことはありません。
OT式左足ブレーキ装置の欠点(バキュームブレーキ)
運転中足を乗せて置けるような構造にも拘らず、バキュームブレーキ車にあっては、無意識にブレーキを踏んでしまうことがあってはなりません。そのため踏力調整スプリングを設置しました。この後、約2000km走行しましたがとても調子いいです。無意識の踏みこみは全くありませんでした。
画像出典:大野一郎 追加装着したスプリング
そして念のためストップランプが点灯しているのかしていないのかドライバーが確認できるように確認用ランプをドライバーの視界内に設置しました。
画像出典:大野一郎 カーナビ画面左下 点灯中(赤色)
さらにアクセルペダルにL字型の金属プレートを装着し、一般ドライバーによく見られる『踏み変え癖』を防止できます。
画像出典:大野一郎
このスプリング装着によってOT式左足ブレーキ装置は特許取得に大きく前進しました!
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