百田尚樹さんという作家をご存じの方も多いと思います。 このひとは化粧品会社DHCが提供する「虎ノ門ニュース」というインターネット番組のディレクターをされており、また、ご自分でも毎週火曜日に出演されています。 その番組中、標記東池袋母子死傷事故の飯塚幸三被告の公判について言及している部分がありました。
以下その動画をご覧ください。45分30秒あたりから:
動画出典:youtube
弁護側の主張について、これはあまりにも酷い。「被告は事故当時88歳と高齢ではありましたが、健康で人体的に障害はなかった」と主張。事故当時の被告の状況として「減速時におかしなことが起こり始めた。ブレーキペダルを踏むと抜けるような感触があった。踏み間違えではない。踏み換え動作はしていない。(大野意見:アクセルから踏み換えをしていないと読めますね)ブレーキペダルを操作しており、アクセルペダルを踏んだという過失は認められない」などとした。(暴走運転中)、アクセルを目視して(!!)足を離しブレーキを踏んだがちょっと抜ける感じがして・・・」
この部分については、百田先生も相当に怒り狂っていました。そうです、ペダル踏み間違い暴走では、アクセルを目視することは不可能です(踏み間違いによる暴走でなくてもムリ)。脳が機能不全に陥っていてそんなことできるはずもない・・・。
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夫の松永拓也さん、父の・上原義教さん、本事故でけがを負ったみなさん、そしてそれだけでなく、飯塚幸三被告本人と家族、全員が生き地獄です。
確かに飯塚さんが踏み間違いをしたことが、この事故の直接原因です。
でも、人間ですから誰でも踏み間違い=過失をします。 いい例が元名古屋高検検事長の踏み間違い死亡事故です。 上の記事の八代弁護士、百田尚樹さん、北村弁護士だってみなそうです。 百田さん、北村さんは動画の中で「日常的に運転していると」言っているので、なおさら過失を起こす割合は高いのではないですか?
人間、ブレーキと思って踏み間違いをすると、ほぼ100%のひとがブレーキペダルと思っているペダルを再度強く踏んでしまいます。そしてクルマは最大加速で暴走するようになってしまいます。こうなると、クルマは最早何かに衝突して停止するまで制御不能です。
そして人に死傷を負わせた場合、運転者は「予見可能な過失を未然に防ぐことを怠った罪」で起訴され、収監されます。
そして、例えばトヨタを始めとするメーカーは、ペダル踏み間違いを完全に防止する装置を搭載していません。
ということは、クルマを自分で運転しないことあるいは、この過失(踏み間違い)を完全に防止する装置を搭載するしか「予見可能な過失を未然に防ぐ」ことはできません。
このような事故が起こる最大の原因は、人間の間違いというより、「ペダル配置の欠陥」によるものです。
画像出典:Wikipedia 倒れてオレンジのカバーをかけられている人が被害者の松永真菜さんです。自転車に娘を乗せて横断歩道を渡っていただけなのに・・・。
妻と娘を一瞬で奪われた夫の無念を思うとなんとも言えなくなります・・・。
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最後にホントにおバカな自動車ヒョーロンカの記事を掲載します:
池袋暴走、車の欠陥?「ブレーキ踏んで加速した」上級国民の主張はありえるのか
2020.12.15 K沢M宏
・・・・・・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・クルマの専門家(国沢光宏)の立場から考えてみたい。
そもそも論として、クルマは安全に走れるよう作られている(大野意見:ホントっすか)。日本だけでも毎日1000万台規模のクルマが稼働しています。
飯塚被告の2代目トヨタ「プリウス」だけで約119万台も販売されており、それぞれ10万km走ったとして約1200億kmに達する(大野意見:それぞれ10万km走ったとして??? ホントバッカじゃないの?? そんなわけねーじゃん)。同じような事故が起きていないため、池袋でブレーキ踏んで加速したのは1200億km分の1(大野意見:小学生にも笑われるよっ)ということ。
したがって「ブレーキを踏んだのに加速した」という証明をしなければならないことは、極端にクルマ嫌いの裁判官なら認識していると思う。
もちろん弁護側が突拍子も無いことを主張するのは民主主義だから自由です。ただし「ブレーキを踏んだのに加速した」という立証をしない限り、飯塚被告側の主張は荒唐無稽ということになる(大野意見:誰に立証する責任があるの?)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・(省略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わたしの考えは以下の通りです:
この事故は疑いのない、典型的な「ペダル踏み間違い事故」です。その前提の上で申し上げます。
飯塚幸三氏は、自分では解っていると思います。 その上で、「クルマの構造的な欠陥(つまり、ペダル配置の欠陥)をいっても仕方がない。ブレーキを踏んでもクルマが暴走したといえば、裁判に時間がかかる。その間に自分は(収監)されることなく死ねる」
というのが本音ではないでしょうか。
わたしはそう思います。
この飯塚幸三被告の裁判では、まことに多くの人が裁判での被告の態度について「憤慨」しています。しかし、死亡事故を起こしたもと高級官僚が、裁判でどういう態度を示せばいいのでしょうか? 世間の人は潔く罪を認めて収監されればそれでよいのでしょうか?
わたしは、世間のみなさんが本当の問題に気がついていないように思います。
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