自動ブレーキの罠(3)

19 4月 2017

ニッサンセレナプロパイロットについての事故分析その(3)です。何故自動運転中にこの事故が起こったかです。

前車への自動追随機構は、スバルだと複眼(距離測定が容易)カメラその他(トヨタ、三菱など)は、ミリ波レーダー + 単眼カメラが多くなってます。VOLVOなどは赤外線レーザーを使っています。以下は日産セレナのプロパイロットコンセプトです。

 

*1 約60km/h未満で走行時の車間および操舵制御を搭載した1.5~2.0Lクラス8人乗りミニバンが世界初(2016年6月現在 日産調べ)。
*2 プロパイロットは高速道路や自動車専用道路で使用してください。プロパイロットはドライバーの運転操作を支援するためのシステムであり、 自動運転システムではありません。(!!ー投稿者註 さんざん自動運転システムと謳っておきながら小さい字で自動運転ではないと注意書きを書くのはズルくないですか?)安全運転をおこなう責任はドライバーにあります。
*3 わき見運転やぼんやり運転などの前方不注意および雨・霧などの 視界不良による危険を回避するものではありません。先行車との車間距離、車線内の位置、周囲の状況に応じてアクセル、ブレーキ、ハンドルを操作するなどして、 常に安全運転を心がけてください。
*4 システムの能力には限界がありますので、システムだけに頼った運転はせず、常に安全運転を心がけてください。
*5 プロパイロットの操作方法や重要な注意事項などが記載されていますので、ご使用前に必ず取扱説明書をお読みください。

画像出典:ニッサン自動車(注意書きの文章とも)

「プロパイロット」を実現する二つの革新的自動運転技術
「プロパイロット」は、2つの革新的自動運転技術によって構成されています。

一つは、小型で高性能の「レーザースキャナー」です。
高精度の3次元計測により、車両の周囲にある物体との距離を正確に測定することで、安全に走行することができます。

もう一つは、遠くまで見渡せて360度の視野を持つ「8カメラシステム」です。きついカーブや交差点でも、車両の進行方向を正確に決めることができます。(投稿者註:プロパイロットは単眼カメラ)

日産は、これらの技術を日本と米国の一般・高速道路で、繰り返しテストしてきました。(記事:ニッサン自動車より)

次は、報道されている体験搭乗のプロパイロット自動走行中に事故を起こした時の状況です。

セレナは、高速道路での運転を支援する「同一車線自動運転技術」と危険を察知して自動でブレーキがかかる「エマージェンシーブレーキ」を搭載。交通捜査課によると、本来は車両の単眼カメラで危険を察知して自動ブレーキがかかるが、事故当時は夜間で雨が降っており、追突された車は黒色だった。セレナに故障や異常はなく、同課では「対向車の前照灯など道路環境や天候が重なり、自動ブレーキが作動しないまま追突した」と結論づけた。(本ブログ『自動ブレーキの罠(2)』2017年4月18日投稿より抜粋)

自動ブレーキはぎりぎりまでかからないようになっており(投稿者註:どのメーカーでも同じ)、その意味でニッサン販売員が『ブレーキを踏まないで我慢してください』といったことがわかります。そして、センサーの不作動により先行車に追突しました。

とすると、このプロパイロットなる『運転支援装置』は、何のためのものでしょうか?

 

動画出典:youtube ニッサン自動車

この装置が一番効果を発揮するのは恐らく高速道路の渋滞時と思います。しかし、装置がいつ不具合を起こすか判らない中での使用には二の足を踏みます。何のための装置でしょうか?しかもプロパイロットを搭載したセレナは291万円とのことです。

 

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