冤罪疑惑 高知白バイ事故

28 11月 2021

高知白バイ衝突死事故
場所 高知県吾川郡春野町
日付 2006年平成18年)3月3日
概要 スクールバス白バイ交通事故
死亡者 高知県警察交通機動隊巡査長白バイ隊員、殉職後二階級特進で警部補
対処 高知県警察がスクールバス運転手業務上過失致死罪容疑逮捕最高裁判所上告棄却、禁錮1年4か月

表出典:wikipedia

画像出典:wikipedia 左:事故白バイと同型車 右:事故スクールバスと同型車

2006年3月3日午後2時30分頃、高知県吾川郡春野町で、道路左側のレストラン駐車場を出発したスクールバスが、国道56号の交差点へ道路外から横断して右折しようと進入しようとするところ、高知県警交通機動隊の巡査長が運転する白バイと衝突し、当時26歳の巡査長は胸部大動脈破裂で死亡した。バスの運転手と乗客の仁淀川町立仁淀中学校3年製22人と教員3人にけがはなかった。

高知・白バイ衝突死 疑惑の”ブレーキ痕”はなぜ裁かれないのか

画像出典:wikipedia Abema times

動画出典:youtube

スクールバス運転手は、安全確認不十分のまま道路へ進入して事故を起こしたとして逮捕・起訴されたが、運転手は、起訴事実はなくバスは停止しており複数証人もいる冤罪として無罪を主張した。

弁護士らが交通事故鑑定人とともに検証実験し、メディアが目撃者を取材すると、「バスは動いていて、急ブレーキをかけた」とする警察と検察側の主張に疑義があり、提出された証拠は偽造や捏造された可能性が高く、当時は現場周辺で白バイの高速度走行訓練が多数目撃されており、事故は自損事故であると指摘された。

高知県警は高知県議会や記者会見で、証拠捏造や白バイの過失を否定した。殉職した巡査長は二階級特進して警部補となった。

2008年8月20日に最高裁は上告を棄却し、一審通り禁固1年4か月の刑が確定した。元運転手は10月23日に高知地方検察庁へ出頭し、加古川刑務所で服役し、2010年2月23日に出所した。

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15年前(2021年現在)、2006年の事故です。マスコミでも随分取り上げられ、冤罪との疑惑が大きかった事件です。結局、最高裁で2008年に上告棄却され、刑が確定しました。

多くの目撃者がいるにも拘わらず、裁判所は何百メートルも離れたところを走っていた別の白バイ隊員の証言だけを採用しました。

15年前の話ですが、ワタシは未だに納得がいきません。

バスは動いていたのか、停止していたのか?

ワタシには少なくとも次の事実が解明されていないと思います:

➀当該スクールバスは、レストランを出てから車道の前で一旦停止し、車道を横断して中央分  離帯のところまで出ていくのに急発進するだろうか?

➁当該スクールバスは、ABS装着車です。当然車輪は一瞬しかロックしないので1mものスキッド痕が道路上につくことはあり得ない。

③右側約1m、左側約1.2mのブレーキ痕がついていたのは左右前輪だけであり、後輪(ダブルタイア)に何故スキッド痕がないのか? 走行検証会では後輪スキッド痕が無かったのか?

④仁淀川町立仁淀川中学校の3年生22人と教員3人及び後ろを走っていた同校校長品原先生の目撃証言を採用せず、178m離れた対向車線を走行中の同僚白バイ隊員の証言を信用できるものとして採用した件。

⑤ブレーキ痕に何故タイアの溝がないか?

動画出典:youtube

動画出典:youtube

動画出典:youtube

動画でも再三、言っていましたが、裁判では「一貫して」科学的な証拠を採用せず、「衆人環視の前で証拠の捏造などできるはずがない」などとの一般的な常識や裁判官の意見などが判決に採用されました。

動画出典:youtube

動画出典:youtube

この事故の本質は、「衝突時にスクールバスが動いていたか停止していたか」というところに絞られます。

そして、スクールバスの停止か動いていたかを証明することで注目されたのが、警察側が提出した物的証拠となる「ブレーキ痕」であり、論争の中心に浮上しました。

  • とりわけブレーキ痕がバスによってできたものか、警察に捏造されたものかという点に争いがある。
  • ブレーキ痕が捏造であれば、事件本体も捏造である。

画像

画像出典:Carat Woman

裁判所では、スクールバスの運転手が「バスは停止していた」「白バイはかなりの猛スピードを出していた」という証言は、信ぴょう性に欠けると判断しています。

しかし、警察側が主張する事故直前に対向車線を走行していた同じ白バイ隊員から目撃証言「白バイは法定速度内の60キロで走行していた」という言葉は、信ぴょう性があると判断しています。

被告側の「バスの停止」や「白バイの超過スピード」には一致する多数の証言があったのに対して、白バイ隊員は対抗して走行していて、証言者も1名のみです。裁判所の矛盾した判断に納得いかない人は多くいました。

動画出典:youtube

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高知地裁の原判決には正確性を欠く部分はいくつかあるが、おおむね正当であり判決に影響はない。
仮に急ブレーキでなくても、白バイとの衝撃により1メートルのブレーキ痕ができてもおかしくない。液体は白バイから流出したものであると思われる。
生徒や教員のほか野次馬等もいる中、警察官が被告人を逮捕して警察署に引致し、現場に戻すまでの間に捏造し得る状況ではなかったから、ブレーキ痕様のもの等を捏造した疑いは全くない。
事故直後とされる写真にブレーキ痕が映っていることに加え、多くの見物人や報道関係者が居合わせる中、捏造の可能性は全くない。
弁護側の証言は事故車両の状況と合致せず信用できない。
白バイにも前方不注視の過失はあったが、被告人が右方向の安全確認を十分にさえしていれば事故は容易に回避できた。
原判決の死亡事故であるからというのは正確性を欠くが、逮捕時被害者は生存していたとはいえ致命傷を負っており重大な事案であることに代わりはなく逮捕は正当である。
人一人の尊い命を奪った結果が重大、被害者感情は厳しく、被告は過去に2度の交通違反があり交通法規に対する遵法精神が希薄、責任を免れるため明らかに不合理な供述をして真摯な反省の情に欠けており、原判決は不当に重いとはいえない。

2007年10月30日 高松高等裁判所(柴田秀樹裁判長)

(引用:wikipedia)

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これが判決文だそうです・・・。

 

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