左足ブレーキは何故普及しないか?

12 5月 2017

AT車による『ペダル踏み換え忘れ事故(踏み間違い事故)』は、AT車が出現した1960年代当初から発生し続けており、2017年現在に至るまで放置されたままです。

ペダル踏み換え忘れ事故は、同じ右足で『踏む』という操作でアクセル、ブレーキを操作するために発生します。つまりペダルのある場所が少し違うだけで操作するために『踏む』行為自体は正しい訳です。これが踏み換え忘れ事故が発生する原因です。

1993年2月22日には、国会の交通安全対策特別委員会で民社党の和田一仁衆議院議員(故人)が、「どうして両足があって左足を遊ばせておくのか。左足をブレーキ専門に使いなさい、初めからこれを教えていただければ、踏み間違えというのは絶対に起きない」と主張。自動車教習所の段階でAT専用の運転法を習わせるべきだと政府へ訴えた。

『「左足ブレーキ論」がなぜ社会に広まらなかったのかというと、『日本ではまだ「マニュアル車と両方に乗るケースが多く、ドライバーが混乱する可能性が高い」という反対意見が今のところ優勢』(日本経済新聞 1987年6月17日)だったからだ』(産経WEBニュース2017.5.9 15:12より)

このことに関してのわたしの経験では、確かにAT車に乗った時に左足をブレーキに乗せて置くと、MT車のギアチェンジのタイミングで無意識に左足をクラッチを踏む強さでブレーキを度々踏んでしまうことが発生しました(車両は1972年製ホンダシビックAT車)。1970年代から80年代にかけてはMT車の割合が多かったのです。

『国会で「踏み間違い対策」が論じられてから22年が経った2015年6月10日、内閣委員会で維新の党の河野正美衆議院議員が、高齢者によるブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故が多発していることを受けて、政府の取り組みを質問したところ、鈴木基久警察庁交通局長(当時)は「車両側の対策を講じることが有効」だとして以下のように述べている。

『具体的には、最先端の技術を駆使いたしまして事故を未然に防止する技術、これを、先ほど先生がおっしゃられたとおり、予防安全技術と申します。その開発普及を進めてまいりたいと思っております』

そんな決意表明の通り、2017年2月28日には安全機能を備えたクルマを「安全運転サポート車」と呼び、普及を目指していくという計画を政府が発表した。(以上産経WEBニュース 窪田順正氏)

さて、ここは端的に言って「安全運転サポート車」『自動ブレーキ』のことを述べている訳ですが、自動ブレーキは、以下の理由によって『ペダル踏み換え忘れ事故』には全く効力がありません:

自動ブレーキシステムは、障害物検知を様々なセンサーで行っており、問題はこのセンサーが頻繁に誤作動・誤認識を起こすことです。そのため、システムが誤作動・誤認識を起こした場合、人間(運転者)がクルマの運転(制御)を取って代わらなければなりません(Overide,Take over)。人間がクルマの制御を取って代わるということは、クルマにとってはどういうことかというと、すなわち主要な運転装置を運転者が動かすということです。ハンドル、アクセル、ブレーキなどです。

とすると、アクセルを踏みこむことによって発生する踏み換え忘れ事故は、アクセルを踏みこんでいるために自動ブレーキシステムが解除状態となり、『なんら踏み換え忘れ事故』には効力がないことになります。

さて、既存ペダル配置車の『左足ブレーキ』操作は、さすがに無意識にクラッチを踏む(ただし、今でもMT車に乗っておられる人は、左足ブレーキを実施すると昔と同じように無意識にクラッチ操作をする可能性が大きいです。)ひとは減少しましたが、次の欠点があります:

1.踵を床に着けて置いても吊り下げ式ブレーキの場合は、半ブレーキ   状態になる可能性があること

2.ブレーキペダルが右足操作用に右寄りに設置してあるので左足をブレーキペダルに乗せると体幹がやや右向きになります。

3. 2.の姿勢になるとシートベルトの装着位置が正しくない位置となり、衝突の衝撃にうまく作動しない可能性があります。

4. 2.の姿勢になるとエアバッグが展張しても頭部がエアバッグから外れてしまう可能性があります。

*そこで手前味噌で大変すいませんがOT式左足ブレーキ装置の出番です。ちなみに2017年5月12日現在、トヨタエステイマに2016年11月に装着以来、既に公道走行1万キロを突破しました。OT式左足ブレーキは上記の1.から4.の欠点を全て克服しています。

画像出典:Wikipedia 昔の自動車学校教本です。

画像出典:Wikipedia

 

動画出典:youtube

 

画像出典:大野一郎

 

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