自動ブレーキの罠(追加+1)

01 7月 2017

2017年4月15日~6月14日本ブログで『自動ブレーキの罠(1)~(5)』について書いたところです。

https://ono-fumimachigai.com/wp/wp-admin/post.php?post=5251&action=edit

自動ブレーキで踏み間違い事故は防げません!!

自動車メーカーはそれを重々承知で『如何にも効果がある』ように宣伝しています。これではいつまでたっても踏み間違い事故は防げません。

自動ブレーキは、そこそこうまく作動していると、運転者の心に『過剰信頼』が生まれてしまいます。そのためできるだけ運転者が先にブレーキを操作するように『自動ブレーキ』はギリギリまで効かないように設計してあります。

そして最も危険なことは:

システム不具合が運転者には判らないようになっています。また、仮にシステム不具合があったらどの時点で運転者に知らせることができるのか?甚だ疑問とするところです。

このことでは、典型的な自動装置の不具合により事故(既報)が発生してしまいました。以下:

自動ブレーキ作動せず事故 全国初 (千葉日報記事より抜粋 2017年4月14日 18:51 )

運転支援機能(自動ブレーキ等)を搭載した日産のミニバン「セレナ」を試乗した客にブレーキを踏まないよう指示して事故を起こしたとして、千葉県警交通捜査課と八千代署は14日、八千代市内の日産自動車販売店の店長男性(46)と同店の営業社員男性(28)を業務上過失傷害容疑で、試乗した客のトラック運転手男性(38)を自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、千葉地検に書類送検した。運転支援機能付き車両の公道での試乗事故は全国初。

書類送検容疑は、営業社員男性は昨年11月27日午後4時50分ごろ、セレナの試乗に来たトラック運転手男性の助手席に同乗。店舗近くの八千代市大和田新田の市道で、アクセルやブレーキ、車線保持などの運転を支援するクルーズコントロール機能が危険を検知して自動停止すると誤った認識のまま、運転手男性に「本来はここでブレーキですが、踏むのを我慢してください」と指示。男性はブレーキを踏まず、信号待ちしていた乗用車に衝突。乗っていた30代の夫婦に全治2週間のけがを負わせた疑い。

同社ホームページによると、セレナは、高速道路での運転を支援する「同一車線自動運転技術」と危険を察知して自動でブレーキがかかる「エマージェンシーブレーキ」を搭載。交通捜査課によると、本来は車両の単眼カメラで危険を察知して自動ブレーキがかかるが、事故当時は夜間で雨が降っており、追突された車は黒色だった。セレナに故障や異常はなく、同課では「対向車の前照灯など道路環境や天候が重なり、自動ブレーキが作動しないまま追突した」と結論づけた。

3人はいずれも容疑を認めている。営業社員男性は「過去数回、試乗時に運転支援機能のクルーズコントロールを設定していたところ停止したので、試乗時も停止するものと誤認したまま指示した」と話している。営業社員男性は試乗中、クルーズコントロール機能を作動させ「時速40キロの設定速度で進行すると停止車両を検知し自動停止する」と説明していたという。

同課によると、同社のマニュアルでは、夜間・降雨時の試乗、一般道でのクルーズコントロール機能の使用を禁じていた。

同課では「自動運転機能は、あくまでも支援システムで限界がある。運転者が機能を理解すべき。警鐘を鳴らすため立件した」と話している。

※警察は『警鐘を鳴らす』ため立件したといっています。しかし、この自動運転機能の単眼カメラが『夜』、『雨が降っていて』、『対向車のライトが乱反射して』、『先行車が黒い色』であったために先行車の認識ができなかったことを運転者に知らせる何らかの警告があったでしょうか?確かに夜間・降雨時の試乗、一般道での使用を禁じていたそうですが、それを知らなかった営業マンもお粗末です。

※でも夜間、降雨時、一般道がダメなら日産セレナの自動ブレーキは使用範囲が相当狭まりますね。

試乗車運転3人不起訴 自動ブレーキ作動せず事故 千葉地検(千葉日報 2017年7月1日 05:00 )

運転支援機能を搭載した新型車を試乗した客に、営業社員がブレーキを踏まないよう指示した事故で、千葉地検は30日、業務上過失傷害容疑で書類送検されていた八千代市内の自動車販売店の店長男性(46)と同店の営業社員男性(28)、自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑の試乗した客のトラック運転手男性(38)を不起訴処分とした。地検は処分理由を明らかにしていない。公道上での運転支援機能を搭載した試乗車の事故は全国初だった。

※先行車の乗員2人は追突されて全治2週間のけがを負ったので立派な《業務上過失傷害刑事事件》ですが、不起訴処分となり、千葉地検は不起訴処分の理由を明らかにしていません。何故?

 

動画出典:youtube

※この事故から判ることは、つまり、障害物を感知するのはクルマに取り付けられたセンサーであり、センサーの感知能力には限界があるということです。センサーが誤作動したり誤認識したりしたときどうしますか?

そう、クルマの運転を運転者が取って代わらなければなりません。そのため全ての自動装置は、運転者が主要な運転操作(ハンドル、ブレーキ、アクセル)をしたらシステム解除になります。

それじゃ聞きますけど、『ペダル踏み間違い事故』というのは、運転者が誤ってアクセルを踏んでしまうことで発生する事故です。アクセルを踏むというのは主要な運転操作です。とすると、自動ブレーキはどうなりますか?

解除です!

クルマは暴走状態に入ります!

自動ブレーキで踏み間違い事故は防げません!!

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