日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が会社法違反(特別背任)などの罪で起訴されたことを受けて、日産と仏ルノー、三菱自動車の3社は新たな意思決定機関の設立を発表、「ゴーン追放」で足並みをそろえた。当のゴーン被告は「リーダーシップを発揮できる人がおらず、今後の日産が心配だ」と発言したというが、ジャーナリストの井上久男氏(54)は「日産にとってもルノーにとってもゴーン被告は過去の人」と指摘する。
3社連合トップの記者会見では、日産の西川広人社長とルノーのジャンドミニク・スナール会長、ティエリー・ボロレCEO、三菱自動車の益子修会長が出席、「アライアンスオペレーティングボード」の設立を発表した。西川氏は、ゴーン被告が描いていた日産とルノーの統合構想については「過去にそういった状況はあったが、今は将来のことに目を向ける」と答えた。
ゴーン被告は来週以降、記者会見を開く方向で調整中だというが、『日産vsゴーン 支配と暗闘の20年』(文春新書)の著書がある井上氏は、「日産の実務に影響を与えることはないだろう」とみる。 井上氏は朝日新聞記者(大野註:ということはカスということです)を経て独立、自動車業界を中心に取材を続けている。ゴーン被告に何度もインタビューしている井上氏は「『人情』などと言って外科手術できなかった日本人経営者の“悪い”部分にメスを入れ、国籍、年齢や性別を問わない人材起用や働き方改革など日本企業の先進となった」と評する。
一方で「情け容赦ないコスト削減策で『技術の日産』の技術力は落ち、商品力は低下した。会社の私物化もあった。外面でフレンドリーに見せながら社内で独裁者だったことは事実だ」とする。 ゴーン被告はルノーCEOも兼任していたが、2015年にマクロン仏経済相(当時)がルノー株買い増しを命じるなどルノーを通じて日産に介入する動きを見せた。
「当時は西川氏ら日本人取締役と仏政府の間でゴーン氏は調整していたとの見方もできる。日産がルノー株を取締役会の承認なしに買い増せるようにしたのもゴーン氏の『仕込み杖』だったといえる」(井上氏)
ところが、17年にマクロン氏が大統領に就任すると事態は動く。ゴーン被告はルノーCEOの任期を22年までに延長することで合意した。
「ゴーン被告は仏政府の意向をくみつつも日産に配慮する努力をしていたのかもしれないが、日産の主導権確保を考える西川氏との間に溝ができていったことは間違いない」と井上氏。
結局、日産経営陣はゴーン被告の不正に関する内部通報を利用する形で「クーデター」を起こした。「西川氏はゴーン体制の負の遺産によって業績が悪化したことで頭がいっぱいだろう。スナール氏はゴーン被告よりも仏政府の意向を重んじる可能性もある」と井上氏は指摘している。
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ま、ゴーンはもう過去の人。終わりということだね。
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