テスラのファントムブレーキ

17 7月 2022

ファントムブレーキとは? AUTOPILOTなどで自動運転中、何もないのに突然ブレーキがかかってしまう現象です。例えば、高速道路などでこれが発生すると危険です。追突されかねない。

テスラが仕様変更を行った後「勝手に急ブレーキがかかる」ファントムブレーキ現象が多発。直近で100件を越え調査対象に

投稿日:2022/02/09 更新日:

| テスラはレーダーの使用をやめ、カメラのみにて自動運転を制御するもよう 

現時点での技術レベルではやはりレーダーとの併用が無難か

さて、テスラのクルマが突如”勝手に”ブレーキをかけるという怪奇現象「ファントムブレーキ」について、米国道路交通安全局(NHTSA)に100件超のクレームが提出されており、現在NHTSAが調査に乗り出している、とのこと。

これは高度運転支援システムを搭載した車両が、道路上の何かを障害物を含めた「危険」として誤解してブレーキを踏んでしまうというもので、テスラのみではなく同様のシステムを搭載する車両には常に付きまとう問題です。

程度にもよりますが、これが生じると当然「急ブレーキ」状態となってしまい、よって後続車が追突してしまう危険性が生じ、そのほかにも周囲に何らかの影響を与えかねないというトラブルでもありますね。

ただしテスラではこところクレームが急増

ただし、ことテスラにおいてはこの問題が急増する傾向にあるといい、それまでの22ヶ月では37件だったファントムブレーキに関する苦情が、この3ヶ月では107件に増加したと報じられていて、これはテスラが運転支援システムの運用を「レーダーセンサーではなく、カメラのみで行う」と決めたタイミングと一致しているのだそう。

カーネギーメロン大学で自律走行車の安全性を研究しているフィル・クープマン教授は、ワシントンポスト紙に対して「ファントムブレーキは、システム開発者が、何もないのに何かが路上にあるとシステムが”誤報”を出した時、それが誤報であるかどうかを判定するためのロジックを適切に設定していない場合に起こるものです。テスラ以外の他社が取り入れているのは、複数の異なるセンサーを使い、複数のカメラだけでなく、複数の種類のセンサーをクロスチェックすることです。例えば、道路を横切るように浮かぶ(歩行者が持つ)バッグは、カメラの視点ではトラックに見えるかもしれませんが、レーダーやLiDARで裏付けが取れれば、それはトラックではないということがわかり、ファントムブレーキは避けられるかもしれません」とコメント。

(大野意見)これはちょっとおかしい意見です。以前テスラモデルSがAUTOPILOTで走行中、州間道路を横断していたセミトレーラーに突っ込み、運転者が死亡した事故がありました。このときテスラは、ミリ波レーダーとカメラが搭載され、カメラが逆光でトレーラーを認識できない状況でもミリ波レーダーが働いて障害物が感知できた筈でした。ところがノーブレーキでトレーラーに突っ込んで運転者が死亡という事故になりました。運転者はこのときハリーポッターのDVDを見ていたとの情報もあります。ともあれ、何故ミリ波レーダーがトレーラーを検知しなかったのかということに私自身長く疑問に思っていました。ワタシの推論ですが、このときテスラのロジックは、カメラとミリ波レーダーが同時に感知しないと自動ブレーキが作動しないというものだったのではないでしょうか?。理由は誤作動が多いから。

テスラ車の「自動運転による米国初の死亡事故」、その詳細が判明

2016年5月に起きた「米国初の自動運転による死亡事故」に関する調査結果を、米国家運輸安全委員会が発表した。車両自体に欠陥はなく、運転者が「ハンドルに手を添えるように」との警告を無視していたという。
テスラ車の「自動運転による米国初の死亡事故」、その詳細が判明
NTSBが2017年6月19日にFLICKRにアップした「MODEL S」の事故車両。死亡事故を起こした「MODEL S」の画像はこちら。PHOTOGRAPH COURTESY OF NTSB (CC BY-NC-SA 2.0)

これは、運転者ジョシュア・ブラウンが死亡した事故についてNTSBが発表した文書に含まれている調査結果である。オハイオ州に住んでいたブラウンは事故当時、フロリダ州のハイウェイをテスラ車で走行中に、信号のない交差点を通過していたトレーラートラックに潜り込むかたちで衝突して死亡した。自動運転モードのクルマが起こした、米国初の死亡事故だった。

NTSBによると、テスラ車は運転者に対して「ハンドルに手を添えてください」という警告を7回表示したという。だが元海軍特殊部隊員の運転者は、ハンドルに手を添えていなければならなかった37分間の走行中、25秒間しかハンドルを握っていなかった。この事故を受け、テスラは同年9月、車内の安全警告に反応しなかった運転者にはオートパイロット機能を使用できないようする最新アップデートを発表した

報告書によると、衝突時のクルマはオートパイロットモードになっており、運転者は長時間にわたってハンドルに手を添えていなかったという。運転者は車載システムから、「ハンドルに手を添えるように」と何度も警告を発せられていたとNTSBは述べた。

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カーネギーメロン大学のフィル・クープマン教授が言っていることは、すでにAI(人工知能)の範囲です。2022年現在時点では、非常に実現可能性が少ないと思います。また、テスラは何故ミリ波レーダーを止めてカメラだけにしたのでしょうか?

ファントムブレーキがなくなっても、肝心の自動運転はとても無理なのではないでしょうか?

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画像出典:何れもWikipedia

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