テスラよ大丈夫か?

23 7月 2017

テスラを率いるイーロンマスク氏(南アフリカ出身、米国帰化)は、テスラモータースだけではなく色々な事業に出資しているので有名です。例えば、宇宙事業やハイパーループシステム(真空状のトンネルを走る高速列車?システム2013年提唱)などです。

さて、主力のテスラモータースでは、平均1千万円を超えるテスラモデルS、モデルXを現在販売しています。そして世界先行予約数40万台といわれるモデル3(廉価版3万5千ドル)の発売が2018年に迫ってきました。ただ生産ラインに問題があって、そうそう簡単にはいかないようです。その最中、米国ブルームバーグ(経済新聞?)から以下の記事が配信されました。抄訳します:

テスラの販売不振、イーロンマスクの大胆な目標に陰り?

 テスラモータースでは、納入実績が低迷していることを受けて、イーロンマスク氏は販売強化の意味で、目標を立て直したいとの意向です。
モデルSセダンとモデルXSUVの今季四半期の販売実績にかつての勢いがありません。。そのことから、マスク氏の頭をよぎったことは新しいモデル3に需要が頭打ちになって在庫の山を築くようなことが起こらないかということでした。

テスラの第2四半期の生産及び納入実績報告からは、様々な疑問を想起させました。 特にモデルSとXの需要についてのことです。Sanford C. Bernstein のアナリストであるToni Sacconaghiは、2017年7月5日に次のようなリポートを書いています。「モデル3がその大量生産を含めて成功するためにテスラがしなければならないことは、クルマを確実に売却利益体質につくることと、当初の納入実車の品質を守り切ることだ」

 

四半期毎の販売実績2016年及び2017年

画像出典:ブルームバーグ

マスク氏は今までテスラで大胆な期限を切った目標を定め、一番売れているモデルSに続いてモデルXと廉価版モデル3を成功させようとしています。彼の最近の目標は・・・2017年12月に月産2万台を・・・確実にすることです。しかし、その数字は、2016年の四半期ごとの納入実績ではあります。

2017年7月5日、2016年6月以来、テスラ株は1日で7.5%の急降下を見せ$326.33まで落ち込みましたが、テスラが市場が閉会したあと2017年7月3日に第2四半期の販売実績が2016年の最初の3か月で記録した2万5千51台から2万2千台に落ち込んだと発表したからです。

ゴールドマンサックスのアナリストとKeyBanc Capital Markets (キーバンクマーケット)が2017年7月5日に語ったところによれば、テスラの高級モデルであるモデルSセダンとモデルXSUVは、販売の頭打ち現象期に入ったように見えるとのことです。(大野註:経済評論家のいうことはアメリカでも日本でもあてにはなりませんが・・・・)マスク氏はこれらの車両が引き続きカリフォルニア州パロアルトベースの地元購買者に興味を持続してもらって、さらにモデル3へと引き継がれるように考えています。2017年7月28日には、30台のモデル3を地元購買者に引き渡したいと計画しています。

コーエン&カンパニーのジェフオズボーンが2017年7月5日、顧客先に語ったところでは、「テスラが最終的に、約束した目標通りに30台のモデル3を顧客に納入できることは喜ばしい限りですが、果たしてハンドメイドで組み立てたクルマを大量生産車と呼べるのかどうか?」と疑問を呈しています。「また、わたしたちはこの大量販売予定車が公式写真もなく詳細が依然として不明で価格さえも解らない」とも語っています。

ゴールドマンサックスのアナリストは6か月株指標を10$下げて$180としました。なお、8人のアナリストは10銘柄を保有株に挙げ、6銘柄を売り株とした中でのことです。

株指標の動き

画像出典:ブルームバーグ

2017年7月3日、市場が閉まってからのテスラの公式発表では、当初の発表台数に加えて何台のクルマが納入途上にあるのかについては不明のままだったが、納入は100kWhのバッテリーの生産状況に左右されるとのことでした。

最初の100kWhバッテリーは、2016年の秋現在、アメリカの基準では335マイルの航続距離がありました。オズボーン氏(前出)によれば、マスク氏は、バッテリーセルの化学成分をグラファイトからシリコンに変更したことを発表しましたが、このことによって同じ容量ならばさらに起電力が増加するとのことです。

テスラによれば、モデルSとモデルXの第2四半期納入実績見込みは、第1四半期より悪くなることはあり得ないと発表した。これについてアナリストたちは肩をすくめて見せました。

「テスラの納入予定には何らの条件も付いていなかったはずですが?・・・何故今発表するのですか」「もしかしたらテスラは当期における特定の事象の経済的逆風を何か恐れているのですか?」

画像出典:Wikipedia 左:モデルX 右:モデルS

画像出典:Wikipedia 左右:モデル3

良く解らない記事でしたが、要するにこういうことです。

約15万円の予約金を募って世界中で40万台もの先行予約を獲得したモデル3ですが、テスラという企業はもともとベンチャーで、零細企業なんです。それでイーロンマスクという男は、もともとパソコンソフトのプログラマーでpaypal(https://www.paypal.com/jp/home)=クレジットカードの代行決済の成功で金を儲け、あちこちの既存自動車メーカーから金で頬をひっぱたいてヘッドハンティングして作った会社なんです。

だから2017年12月にモデル3、月産2万台とか言っていますけれど、実は大量生産の準備が整っていないとみている向きが大多数なのです。トヨタニッサンのように今日明日にできるわけではないのです。莫大な初期投資が必要になります。paypalくらいの稼ぎじゃとてもついていけないのです。

上記記事のように2017年7月28日にはカリフォルニア州パロアルトの地元企業購買者に30台を引き渡すそうですが、これらは全てハンドメイド手作りとのこと、先行き心細いのです。

わたしの燃料電池車、トヨタミライも購入契約から納車まで1年8か月待ちましたが、それでもバックオーダーが2500台といわれていました。ちなみにミライは今でも日産2~3台、月産60~90台の状態で20か月待ちました。愛知県の元町工場というところで職人が手作りしています。なんでも水素タンクの製造がややこしいとのこと。

テスラのモデル3は先行予約40万台ですよ!テスラさん本当にできるの?月産2万台で休みなしに生産しても40万台生産するのに単純計算でも20か月かかる計算です。

 

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