ニッサンが『可変圧縮比』!!エンジンをパリモーターショウ(2016年9月29日開幕)で発表

27 8月 2016

みなさんには釈迦に説法で申し訳ありませんが、知らない人もおられると思いますので軽く圧縮比について触れますと、エンジンとは、シリンダーの中にガソリンと空気が混ざった混合気を入れて燃焼させ、その爆発的な膨張でピストンを動かすしくみです。ただし、シリンダー内に入れた混合気にそのまま火をつけても、それほど大きな力は得られません。点火する前にぎゅっと圧縮しておくことで、爆発力が飛躍的にアップします。では、どのくらい圧縮すればいいのでしょうか。その答えは簡単で、圧縮させればさせるほど、エンジンはパワーアップします。ただ、ある程度まで圧縮比を上げると、ノッキングという弊害が発生してしまいます。ノッキングは燃焼室内で起きる異常燃焼で、高温のためピストンに穴を開けるなど、エンジンを破壊してしまう現象です。そのため、高性能なエンジンを開発するには、いかにノッキングを回避しながら圧縮比を上げるかがポイントになります。しかし、もし、圧縮比を変えることができれば、ノッキングの問題もなくなります。ともかく、燃費と高性能は反比例します。圧縮比を変えるには燃焼室の容積を変えることであり、そのためにはコンロッドの長さを変えることが必要となりますが、コンロッドは大変な高速運動をしているのにその長さを変えることは容易なことではありません。技術の根幹になっているのは、可変する圧縮比に対応するように燃焼室の容積を増減させるように、ピストン上死点(ピストンの上限)の位置をシームレス(過不足なく)に変更するメカニズムです。実際的には、クランクシャフトにリンク機構を追加し、このリンクにコンロッドを取り付ける構造となっています。コンロッドの実質的な長さはコンロッドとリンクの合計となり、リンクの角度を変えることで、コンロッドの長さを変化させたのと同じ効果を得ることができます。今回の可変圧縮比の技術は、排気量2.0L(リットル)の4気筒ターボエンジン「VC-T(Variable Compression-Turbocharged)」に搭載されます。圧縮比は8~14の間で自由に変更できるようです。いずれは主力の6気筒エンジンに搭載されるようになると思います。すごい技術です。(記事出典:マイナビニュース http://www.msn.com/ja-jp/news/)

 

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ニッサンインフィニティVC-T4気筒エンジン(写真出典元:日産自動車)

 

 

 

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VC-Tエンジンコンロッドの構造(写真出典元:日産自動車)

 

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エンジンノッキング異常燃焼のイメージ図(出典:http://car-moby.jp/79066)

 

 

 

 

 

 

 

 

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