電気自動車というと
ニッサンリーフ、テスラモータースばかりが目立ちますが、2004年に慶應義塾大学を中心に38社の企業が連合体として、エリーカ(Eliica; Electric Lithium-Ion Car)という革新的な技術を使用した電気自動車が製作されました。リチウムイオン電池は革新的な電池ですが、コンデンサを装着するなど適切な処置をしないと不安定な部分があり、ボーイングB787やサムスン電子のギャラクシーノート7などの発火問題がありますので、使用には注意が必要です。なお、テスラはパナソニック製の汎用(専用ではない)リチウムイオン電池を搭載しています。
先ず、エリーカのスペックから、:
エリーカの性能諸元
最高速度挑戦車と高加速性挑戦車があり、電池の仕様や減速比など、スペックが若干異なります。数値が二つ並ぶ場合は前者が最高速度挑戦車、後者が高加速性挑戦車です。
ボディー
- 全長 – 5100mm (ミライ 4,890mm)
- 全幅 – 1900mm (ミライ 1,815mm)
- 全高 – 1365mm(最高速度), 1415mm(高加速)(ミライ 1,535mm)
- 重量 – 2400kg (ミライ 1,535kg)
- 定員 – 5人
電池
- 種類 – リチウムイオン (ミライ ニッケル水素電池)
- 容量 – 31kWh, 55kWh
- 電圧 – 332V, 328V
モーター
- 種類 – 永久磁石型同期式 (ミライ 永久磁石式(型)同期型(式)モーター)
- 最大トルク – 100Nm ×8輪 (ミライ 335Nm-2輪)
- 最大出力 – 60kW ×8輪=480kW (ミライ は2輪で113kW)
- 最大回転数 - 12000rpm
モーターコントローラー
- 形式 – PWM式
性能
- 最大速度(目標)- 400km/h (最高速度), 190km/h(加速度)(ミライ 180km/h)
- 最大加速度 – 0.4G, 0.8G
- 0→400m加速時間 – 15.3sec、11.3sec
- 一充電走行距離 – 200km, 320km (ミライ 水素フル充填4.5kg 約560km @¥1,080×4.5=¥4,860)
- 充電時間(電池容量0-70%)- 4分、30分
- ステアリング – 電動パワーアシスト 1/2/4軸操舵
エリーカの凄いところ、弱いところ
動力源は各車輪の中に組み込まれたモーター、すなわちインホイールモーター(In-Wheel-Motor)で、車輪を直接駆動することで機械損失を抑え、航続距離の増加に寄与します。外形が決まっているためモーターのサイズを大きくできないので、走行抵抗に打ち勝って最高速度400km/hを狙えるほどの出力を得るにはモーターの数、すなわち車輪を増やす必要がありました。モーターの一つ一つがインバーター制御されて、一つあたり約80馬力を発生させます。合計出力は約640馬力となり、優れた加速性能を発揮します。各車輪にはブレーキ、変速ギア、ハブ・ベアリングが搭載されていて運動性能の向上に役立っている。開発者によれば、各車輪のインバーターシグナル同期が難しく、苦労したそうです。なおインホイールモーターと集積台車構造を採用することで車両レイアウトの自由化や車内空間の拡大が計れるますが、ブレーキ部品や足回り部品のエンジン車との共用、ばね下重量の増加、コストなどに課題があると言われています。要するに、整備面の困難、及び販売価格です。
この車両が何故8輪車なのかこれで謎が解けました。小さい車輪の中にモーターやブレーキが組み込んである構造だから、車輪を数揃えないと馬力が出ないのです。またこの構造は、メンテナンスが非常に大変だと思われます。また、開発者によると、エリーカ(1)台分のリチウム電池で約2000万円(2008年7月現在)のコストがかかるそうです。販売価格は(1)台3000万円とのことです。開発者の清水宏元慶応大学環境情報学部教授は、さらにSIM-Drive(Shimizu In wheel Motor-Drive)という名称の会社を立ち上げ、エリーカの廉価版の電気自動車を開発販売しようとしましたが、2013年3月社長を退き、会社は事実上乗っ取りにあいました。2016年現在SIM-Drive社は鳴かず飛ばずであり、なんらの電気自動車も生産していません。一方、テスラモータースは、設立当時内部対立などがあったものの、2013年9月現在、株価時価総額2兆円の大企業になりました。テスラモーターの創業者イーロンマスク氏は南アフリカの出身でアメリカの大学に留学し、後にアメリカに帰化した人物で、ネット代金支払いのPayalで財を成した人です。要するにホリエモンじゃないけれど、現金を持っていた。その現金を使ってあらゆる問題にすぐ対処することができたということです。一方の清水先生は、大学の教授であり動かせる金には限度があったということではないでしょうか?
画像出典:Wikipedia 清水宏氏
動画出典:youtube 慶應義塾大学
動画出典:youtube 慶應義塾大学
この車両が何故8輪車なのかこれで謎が解けました。小さい車輪の中にモーターやブレーキが組み込んである構造だから、車輪を数揃えないと馬力が出ないのです。またこの構造は、メンテナンスが非常に大変だと思われます。また、開発者によると、エリーカ(1)台分のリチウム電池で約2000万円(2008年7月現在)のコストがかかるそうです。販売価格は(1)台3000万円とのことです。開発者の清水宏元慶応大学環境情報学部教授は、さらにSIM-Drive(Shimizu In wheel Motor-Drive)という名称の会社を立ち上げ、エリーカの廉価版の電気自動車を開発販売しようとしましたが、2013年3月社長を退き、会社は事実上乗っ取りにあいました。2016年現在SIM-Drive社は鳴かず飛ばずであり、なんらの電気自動車も生産していません。一方、テスラモータースは、設立当時内部対立などがあったものの、2013年9月現在、株価時価総額2兆円の大企業になりました。テスラモーターの創業者イーロンマスク氏は南アフリカの出身でアメリカの大学に留学し、後にアメリカに帰化した人物で、ネット代金支払いのPayalで財を成した人です。要するにホリエモンじゃないけれど、現金を持っていた。その現金を使ってあらゆる問題にすぐ対処することができたということです。一方の清水先生は、大学の教授であり動かせる金には限度があったということではないでしょうか?
このように、物事がうまくいくためには、どんなに凄い発明をしても、人々が興味を示さなければ、なににもならないし、また、消費者が購入できる範囲内の値段であることが必要になると思います。米国カリフォルニア州のテスラモータースは、同じような時期に同じ電気自動車を世の中に出しました。テスラのクルマは安くはないですが800万円から1400万円です。一方、エーリカは3000万円です。誰がこのクルマを買うことができるでしょうか?燃料電池車ミライは定価¥7,230,000です。メルセデスベンツE200のベーシックモデルが約¥8,000,000です。それでも一般庶民には、高嶺の花です。国と地方自治体から¥3,260,000もの補助金が交付されるのでやっとわたしも購入することができました。
確かに電気自動車は、物凄い発明です。しかも、アイデア自身はガソリン自動車ができるとうの前1830年代からありました。
画像出典:http://blog.goo.ne.jp Wikipedia 左:電池は1777年、モーターは1823年に発明されていたました。しかし、電気自動車としての実用化は1873年で、完成させたのはイギリス人の「ロバート・デイビットソン」でした。右:この時のガソリンエンジンは、1876年にドイツ人の「ニコラウス・オットー」が発明したガソリンエンジンを改良したもの。
ダイムラーとベンツは後に会社を合併し、「ダイムラー・ベンツ社」が誕生しました。
この頃には、蒸気自動車、電気自動車、ガソリン自動車が併存していることになります。
そして、電気自動車は、とうとう時速100km/hの壁を超えてしまいました。下の画像です。
画像出典:Wikipedia ジャメコンタクト号(フランス)時速106km達成
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