ポルシェお前もか!?

28 7月 2017

ポルシェの生みの親は?

先ずポルシェがフォルクスワーゲンの傘下にあるとは知りませんでした。欧州はフォルクスワーゲン、正しくはフォルクスヴァーゲンの天下ですね。 Volkswagen とは、Volks=Folks=国民、家族。よくアメリカの大統領が演説でアメリカンフォークス(わが国民!)と呼びかけていますよね。で、Wagen=Auto=ヴァーゲン、つまりクルマです。だからフォルクスヴァーゲンは、日本語で言えば「国民車」という意味です。昔のトヨタカローラみたいな感じでしょうか? かのアドルフ・ヒットラーがフェルディナンド・ポルシェ博士に命令して作らせた国策としてのクルマです。完成したのがあのビートル=カブトムシです。

カブトムシはリアエンジン・リアドライブ(後輪駆動)車で、1300ccくらいの小排気量エンジンを搭載し、空冷水平対向4気筒エンジンです。ポルシェもナローポルシェと呼ばれる古いタイプは空冷6気筒水平対向エンジンを搭載していました。走るとバタバタバタという特徴のある音がしました。ちなみにスバルでもこんな音がするタイプもあります。技術的にはエギゾーストパイプ(エンジンからの排気ガスが通るところ)の長さが等しくないとこのようなバタバタ不協和音になるそうです。

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画像出典:Wikipedia

画像出典:Wikipedia 旧型ビークルのエンジン部分 空冷水平対向4気筒エンジンです。そして後輪駆動です。当時プロペラシャフト(前部エンジンの駆動力を後輪に伝える機構)とか面倒なものは全て省いて簡単をモットーに製作されています。

 

画像出典:Wikipedia こちらの2台は最近作られた新しいビートルです。エンジンは前に搭載しています。中狭いしなんかリバイバルの受け狙いだけで意味のないクルマ・・・・。

画像出典:Wikipedia 新型ビートルのエンジン部分。前に水冷式直立4気筒SOHC(シングルオーバーヘッドカム)エンジンです。そして前輪駆動です。旧型ビートルとはすべてがまるで正反対。要するにビートルの皮を被った紛い物(まがいもの)です。

アドルフ・ヒットラーは悪の代名詞のように言われていますが、当時不況のどん底にあったドイツを救った救世主でした・・・。

だからVW、Volkswagen は、ポルシェそのものなんです。だからどちらかというとポルシェが親でVWが子供のような関係ですが、いつのまにやら親子関係逆転でしたね。さて、記事の本文です:

 ドイツのドブリント運輸相は2017年7月27日、同国自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級スポーツ車メーカー、ポルシェのディーゼルエンジン車が排ガス規制逃れ(排ガス不正)のための違法ソフトウエアを搭載していたとして、約2万2000台のリコール(回収・無償修理)を命じることを明らかにしました(DPA通信)。リコールの対象車両は、欧州内で販売されたスポーツ用多目的車(SUV=スポーツユーティリティビークル)の「カイエン」。試験場での排ガス検査中か、実際に路上を走行しているのかを自分で見分けて排ガス規制を逃れるソフトを搭載していました。(共同)(大野註:つまりベンチ上で排ガス検査をされているのか、それとも実際、路上を走っているのかを自分で検知してエンジンの回転を抑えて対応を変えるというソフトです)ディーゼル車だけで良かったです。しかし、今は表に出ないけれどガソリン車でもやっているかも・・・・。そう考えるのが普通です。

画像出典:Wikipedia これがポルシェカイエンです。

 

石原慎太郎前東京都知事

昔、石原慎太郎東京都知事(小池都知事の前)が記者会見で、ペットボトルに入った黒い粉をまき散らして(後で掃除が大変でしたでしょうね)、都内へのディーゼルトラックの出入りが制限されました。ひところクリーンディーゼルなんていってもてはやされたもんですが・・・。でもやっぱり、ガソリン車に比較して排出物に問題ありだったのですね。石原前都知事は偉い人だったですね。

排出物規制

こうしてみると、現代の技術では結構規制に合致するエンジンを作ることはできるけれど、そうすると「性能」が落ちて客受けするクルマが造れない=売れないというジレンマに陥るわけです。お客様が欲しがるクルマは他人より性能のいい、カッコよくてスピードの出るクルマです。特にポルシェカイエンは買えば軽く1千万くらいするクルマ。これがニッサンマーチに抜かれるようじゃ商売にならないのです。今回の排出物規制逃れは、なるべくしてなったようなもの。

ははぁ!だからフランスも英国もガソリン車諦めてEV車に特化しようとしているのですね。EV車にはエンジンないですから(笑)。

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