福島第一原子力発電所の水素爆発に思うー水素は危ないか?

26 7月 2016

2011年3月11日に発生した東北大震災。福島第一原子力発電所の1号機が3/12に水素爆発し次いで3/14には3号機、3/15には4号機で爆発が起こりました。また、古くは1937年5月6日、アメリカNJ州レイクハースト海軍基地に係留しようとしていた独硬式飛行船ヒンデンブルグ号が水素爆発を起こしたのではないかといわれています。また、水素爆発ではないのですが、1970年4月11日、地球から約33万kmのところでアポロ13号機械船の燃料電池用酸素タンクで爆発が発生したことも有名な話です。さて、原子炉がある原発建屋は、人体に危険な影響がある放射能を外部に逃がさないよう密閉構造になっています。そして燃料棒を被覆しているのはジルコニウム合金と呼ばれる金属です。この金属は高温に曝されると周囲の水蒸気(水)と反応して水素を発生させます。密閉された空間の中で酸素濃度が5%、水素濃度が4%以上になると500℃以上の高温化では着火します。すなわち水素爆発となります。ヒンデンブルグ号は硬式飛行船なので外皮に使用されていた酸化鉄とアルミニウムの合金がテルミットと呼ばれる着火剤と同じ成分であり、着陸時の天候が雨だったため、これに係留索からの静電気放電が起こって水素爆発になったといわれています。

水素爆発は、比重が軽く拡散性が大きい水素では、開放された外気中では濃度4%には至らず、爆発には至らないということです。下の画像でも自動車のガソリンタンクと水素タンクに着火したときの実験の様子がありますが、気化ガソリンは空気より比重が重いためいつまでも車体周辺に留まりついには全体が燃えています。

水素は危ないというイメージが先行していますが、水素はそれなりに扱いには注意を要しますが危ないものではありません。

 

 

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福島第一原子力発電所建屋水素爆発

 

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ヒンデンブルグ号爆発

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水素/気化ガソリン着火実験(左側車両が水素)

 

 

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