セイフティサポートカーS とはなに?

13 3月 2018

政府主導の自動ブレーキ導入振興策です。以下:

とともに、官民連携で普及啓発に取り組んでいます。

自動ブレーキが止まるをサポート!
セーフティ・サポートカー(サポカー)

「セーフティ・サポートカー(サポカー)」とは自動ブレーキを搭載した、全ての運転者に推奨する自動車です。

セーフティ・サポートカーS(サポカーS)

「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」とは自動ブレーキに加え、ペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載した、特に高齢運転者に推奨する自動車です。

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これ、ちょっと酷いです。なにが酷いかというと:

❶ペダル踏み間違い事故が高齢者だから発生すると仮定していること

❷ペダル踏み間違い時加速抑制装置等が作動するには条件があるが、そのことについては全く触れていないこと

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以下政府広報に戻ります:

サポートカーの区分サポカーSは自動ブレーキの機能に応じて、
以下の3つの区分があります。

ワイド
ワイド
ワイド 自動ブレーキ(対歩行者)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置※1、車線逸脱警報※2、先進ライト※3
ベーシック+
ベーシック+
ベーシック+ 自動ブレーキ(対車両)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置※1
ベーシック
ベーシック
ベーシック 低速自動ブレーキ(対車両)※4、ペダル踏み間違い時加速抑制装置※1
  1. ※1 マニュアル車は除く。
  2. ※2 車線維持支援装置でも可。
  3. ※3 自動切替型前照灯、自動防眩型前照灯又は配光可変型前照灯をいう。
  4. ※4 作動速度域が時速30km 以下のもの。
  5. ※5 将来、技術の進化や目的に応じ、「安全運転サポート車」の対象装置の拡大を想定。
  6. ※6 このほか、高齢運転者による事故の防止に効果がある技術についても、各社の判断で安全運転サポート車の機能として追加し、普及啓発に活用することができる。

これが「サポカー/サポカーS」の技術 ADVANCED SAFETY TECHNOLOGY

  • 自動ブレーキ(対車両・対歩行者)
    ぶつからない技術

    車載のレーダーやカメラにより前方の車両や歩行者を検知し、衝突の可能性がある場合には、運転者に対して警報します。さらに衝突の可能性が高い場合には、自動でブレーキを作動します。

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    (大野註:問題はこのとき運転者が意図して/あるいは間違えてアクセルを踏んだ場合どうなるのかということに言及していません)

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  • ペダル踏み間違い時加速抑制装置
    飛び出さない技術

    停止時や低速走行時に、車載のレーダー、カメラ、ソナーが前方や後方の壁や車両を検知している状態でアクセルを踏み込んだ場合には、エンジン出力を抑える等により、急加速を防止します。

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    (大野註:大前提として、低速走行時といっていますが、それは一体何キロから作動するのか? それを過ぎたら作動しないのか?)

    また、名古屋高検検事長の事故はサポカーSであるのに停止時から発生しました。以下「サポカーはどこまで安全? 元特捜部長の事故に見え隠れする意外な“盲点”とは?」をごらんください:

    https://ono-fumimachigai.com/%e5%85%83%e7%89%b9%e6%8d%9c%e9%83%a8%e9%95%b7%e3%81%ae%e8%b8%8f%e3%81%bf%e9%96%93%e9%81%95%e3%81%84%e4%ba%8b%e6%95%85/

    ペダル踏み間違い事故の約93%は走行中から発生しています。下に掲げる事故前操作をご覧ください。

    事故走行前操作1 20171.23

そして、確たる統計が未だできていませんが、中高速からの「ペダル踏み間違い事故」が結構あります。本ブログの投稿、「横浜横須賀延長道路の踏み間違い事故」をご参照:

https://ono-fumimachigai.com/%e6%a8%aa%e6%b5%9c%e6%a8%aa%e9%a0%88%e8%b3%80%e5%bb%b6%e9%95%b7%e9%81%93%e8%b7%af%e4%ba%8b%e6%95%85/

  • 車線逸脱警報
    はみ出さない技術

    車載のカメラにより道路上の車線を検知し、車線からはみ出しそうになった場合やはみ出した場合には、運転者に対して警報します。

  • 先進ライト
    ヘッドライト自動切り替え技術

    ●自動切替型前照灯 前方の先行車や対向車等を検知し、ハイビームとロービームを自動的に切り替えます。 ●自動防眩型前照灯 前方の先行車や対向車等を検知し、ハイビームの照射範囲のうち当該車両のエリアのみを部分的に減光します。 ●配光可変型前照灯ハンドルや方向指示器などの運転者操作に応じ、水平方向の照射範囲を自動的に制御します。

運転者の事故低減に有効です TRAFFIC ACCIDENT

死亡事故件数全体に占める高齢運転者の割合が増加しています。
75歳以上の運転者による死亡事故件数は、近年、横ばいで推移していますが、
死亡事故件数全体が減少傾向にあるため、その占める割合は増加しています。
2016年中の75歳以上の運転者による死亡事故は、
75歳未満の運転者に比べブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故の占める割合が8.7倍高いほか、
工作物衝突や路外逸脱等の車両単独の占める割合が高いことが明らかになっています。

「高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議(警察庁)」における配布資料を基に作成

死亡事故件数(件)
75歳以上の高齢運転者による死亡事故件数(件)及び構成比(%)

死亡事故の人的要因(2016年)

75歳以上高齢運転者:このうち、ハンドル操作不適 15%、ブレーキとアクセルの踏み間違い 15%
75歳未満の運転者:このうち、ハンドル操作不適 11%、ブレーキとアクセルの踏み間違い 0.7%

■操作不適 ■内在的前方不注意(漫然運転等) ■安全不確認
■判断の誤り ■外在的前方不注意(脇見等) ■調査不能

平成29年警察白書を基に作成

どんな先進安全支援技術があるの? ADVANCED SAFETY TECHNOLOGY どんな先進安全支援技術があるの? ADVANCED SAFETY TECHNOLOGY

ブレーキを踏みそこなったり、ペダルを踏み間違えること。それは、ちょっとした不注意や焦りなどによって、誰の身にも起き得ることです。そこで、自動ブレーキなどの先進安全技術でドライバーの安全運転を支援してくれる車が、サポカー、サポカーSです。
国内乗用車メーカーにおける自動ブレーキの新車搭載率は2015年時点で45.5%。実はサポカーは特別な車ではありません。
自動車メーカー各社は、自動ブレーキをはじめ、さまざまな先進安全技術を搭載した車を開発、販売することによって、ドライバーの皆さまの安全運転をサポートしています。

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この政府広報をつくるからには「有識者のみなさん」を集めたことでしょうが、有識者のレベルが低いです。なんでわたしのところに来ないの?

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