何故「あおり運転」を❓

04 8月 2022

クルマは便利です。でも包丁と同じで凶器にもなるんです。

この事件は2019年5月に発生しました。

動画出典:YouTube

MBSニュース

『運転ミス』とされた事故が一転し『あおり運転』で在宅起訴 バイク男性が死亡の事故 車運転の男は「予想外で妨害の意思はない」と無罪主張

『過失運転』の事故が一転し『あおり運転』が原因として在宅起訴

おととし5月、石川県白山市の北陸自動車道で事故が起きた。現場には大破した大型バイクが残されていて、道路を隔てた先にはヘルメットが転がっていた。この事故で、大型バイクを運転していた黒川敦愛さん(当時76)が死亡した。
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その後、警察は「並走していた車が事故を引き起こした」などとして、JR西日本の職員・本松宏一容疑者(44)を過失運転致死容疑で書類送検した。
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事故から1年以上が経った去年9月、取材班は「捜査が急展開した」という情報を掴み、事故現場へと向かった。

「車とバイクの位置関係を細かく確認しています。事故当時、あおり運転があった状況を再現しているものとみられます」

“過失運転”として処理された事故が、一転して“あおり運転”だった可能性が浮上していたのだ。事実上の「捜査のやり直し」。
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現場では、黒川さんの大型バイクに見立てた白いバイクと、本松容疑者の車と同型種を走らせ、6時間にも亘って実況見分が行われた。
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そして、今年2月。金沢地検は「あおり運転」が事故の原因だったとして、本松被告を過失運転ではなく、危険運転致死罪で在宅起訴した。

「無理やりな車線変更」「幅寄せ」再調査のきっかけは“ドラレコの映像”

一連の捜査の中で何が起きていたのか。今年11月5日に遺族側の代理人弁護士が取材に応じた。

(遺族側の代理人 冨宅恵弁護士)
「(遺族が)後続車のドライブレコーダーを見られて、おそらく見られた直後に『大変な事故なんです』という連絡を受けました。(Q映像を見て率直にどう思った?)かなりショッキングな映像でした。これはもう意図的にやっているとしか考えられない」
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再捜査のきっかけとなったのは、黒川さんの後方を走っていた知人女性のヘルメットに設置された“ドライブレコーダーの映像”だった。
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取材を進めると、記録された映像の内容が少しずつ見えてきた。

証言などを基に映像を再現した。現場となった北陸自動車道は2車線。追い越し車線を走る黒川さんと女性のバイク。左前方を走る白い車が、本松被告の車だ。
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2人に気付いた本松被告は、黒川さんに抜かされまいとスピードを上げた。前方の黒い車に追いつくと、無理やり車線変更を行い2人の間に割り込んだ。
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そして、急激に減速。映像には2度減速する様子が映っていた。

この時、後ろにいた女性は、事故当時のことを次のように証言している。

(後続の女性)
「急に減速してきたので、急ブレーキをかけた。時速100kmから60kmまで減速して、転倒するかと思った」
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女性が無線で黒川さんに「邪魔されている」などと伝えると、黒川さんは「左に寄って待つ」と答えたという。

黒川さんがバイクを左車線に移すと、本松被告の車が急加速し、並走した時だった。車が左側に幅寄せし、バイクはバランスを崩して転倒した。

映像には「あおり運転」とみられる様子が記録されていたのだ。

車を運転の男を直撃「あおり運転はしていない」運転ミスが原因と主張

一体なぜ、このような「あおり運転」を行ったのか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

始まった裁判員裁判…被告側は「妨害の意思はない」と無罪主張

そして、11月15日、金沢地裁で裁判員裁判が始まった。争点は「通行を妨害する意思があったのかどうか」。

検察側は冒頭陳述で次のように指摘した。

(検察側)
「やむを得ない事情がないにも関わらず、黒川さんの約1m前方から走行車線へと侵入し、著しく車両を接近させた。指示器さえ出さず、通行を妨害する意思はあった」
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一方の本松被告側は、「無罪」を主張した。

(被告側)
「黒川さんとスピード差もあったので、『車線変更しよう』と思ったが、黒川さんが数秒間に急加速したため、車両同士が接近してしまった。予想外だった。妨害の意思はない」
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画像出典:MBS

北陸道幅寄せ死 懲役6年 金沢地裁判決 危険運転を認定

2021年12月8日 05時00分 (12月8日 10時07分更新) 中日新聞
石川県白山市の北陸自動車道で二〇一九年五月、乗用車で幅寄せし、三輪バイク「トライク」の男性を死なせたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)などの罪に問われた金沢市鳴和町、JR西日本社員本松宏一被告(44)の裁判員裁判の判決が七日、金沢地裁であった。大村陽一裁判長は、危険運転致死罪が成立するとして、懲役六年(求刑懲役七年)を言い渡した。
 判決は、追い越し車線にいた被告が、通行車両のドライブレコーダーの映像などから、走行車線にいた三輪バイクの直前に、ウインカーをつけず、法定速度を超える時速約百十四〜百三十キロで幅寄せしたと認定。車一台分もない距離だったとして「被害者は驚きや恐怖とともに、衝突を避けるためにとっさに急ハンドルを切らざるを得ないのは明らかだ」と指摘した。
被害車両が走行車線に入ると一転、急加速して走り寄った点、安全に車線変更するだけの余裕があったのに接近した点を示し「バイクの安全な通行を妨げる可能性を認識しながら、あえて危険な接近をしたと強く推認できる」と、妨害目的があったと結論付けた。
 量刑の理由で「全く落ち度のない被害者の尊い命を奪うという取り返しのつかない結果をもたらした。このような危険で悪質な運転行為におよんだことは強い非難に値する」と断じた。
被告の行為が過失にとどまるか、危険運転が成立するかが争われ、危険運転の条件となる走行を妨害する目的で、著しく接近する行為があったかが焦点だった。
 判決によると、白山市の北陸道で乗用車を運転中、会社役員黒川敦愛(あつよし)さん=当時(76)、大阪府高槻市=のトライクに著しく接近。左に急ハンドルを切らせてガードレールに衝突させ、外傷性心破裂で死亡させた。
 本松被告は、家族で商業施設に向かう途中だったという。勾留はされておらず、法廷の外に出てきた被告は報道陣の問い掛けには応じなかった。JR西日本は「社員に対して今回の判断がなされたことは、重く受け止めなければならないと考えている。皆様方に深くおわび申し上げる」とコメントを発表した。

「妨害」主観的側面 客観的証拠 積み重ね判断

被告に通行を妨害する目的があったか、なかったか−。主観的な側面が強い事実の立証が争点になった裁判だった。
 過失犯罪・交通犯罪に詳しい日本大の船山泰範元教授(刑法学)は「行為者の気持ちの問題を映像解析を基にした客観的証拠を積み重ねることで、十分判断できるということを示した」と評価した。
 裁判員は、ドライブレコーダーの映像など客観的な証拠を基に「著しく接近した」という事実認定を明確にした上で、妨害の目的について検討。「(被告が)妨害の可能性があると認識していたことが、強く推認される」と導いた。
 船山氏は「主観的な問題の立証についての判断方法を示した。同じような事案についての判断に影響が出るのではないか」と解説。ドライブレコーダーの普及とともに、映像などの客観的証拠が事件の立証で一層、重要視されていくとも指摘した。
 判決は、量刑の理由の中で今後の妨害運転の抑止の観点も踏まえた。船山氏は「今回の事件は裁判員裁判において身近な安全を求める国民の良識が示された」と総括した。(村松秀規)
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執行猶予がつかない実刑判決ですが、この本松受刑者は収監されたのでしょうか?

 

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