自律走行自動運転の意味

04 9月 2016

自動化は飛行機の世界の方が進んでいます。しかし、飛行機は、ほとんどの場合他律航行です。例えば航空路は幅5マイル(約9km)のなかでGPS(カーナビのようなもの)かVOR(航空標識 電波灯台)で作られており、その幅からずれないように飛行しています。さらに地上からはレーダーでモニターしており、常時管制機関の指示に基づいて飛行しています。これから外れるのは有視界飛行による自律飛行方式だけです。そしていま、自動車の自動運転といわれているものは、この有視界飛行方式に似ていて、他人が用意した電波とか線路とかに頼らず自分で走行しようとするものです。例えば高速道路の車線や他の車両などを自力で認識して運転者なしで走行しようとするものです。安倍首相が2020年には実現したいとした自動運転がどのレベルのものか必ずしも明確ではありませんが、自動運転実現には、自動運転中の事故に拘わる法的問題と、損害賠償保険の問題、また、障害物を検知するカメラとセンサーの誤作動、誤認識についての判断処理、すなわち人工知能(Artificial Intelligence)を搭載できるかどうかの問題にもなってきます。なお、この車載の人工知能についてはトヨタ自動車をはじめ各自動車メーカーやグーグルなどのIT企業が開発にしのぎを削っています。トヨタは研究費全体1兆8千億円のうちMIT(マサチューセッツ工科大学)と組んで10億ドル(約1000億円)使うつもりです。飛行機の世界の自動化とは、オートパイロットやフライトマネージメントシステムなどに代表されるものです。これらは何もなければ誠に便利なものですが、悪天候のとき、風が強いとき、人間が操縦して難しい時は大抵自動装置は使えません。人間が簡単にできるものは自動装置も簡単にでき、人間が難しいものは自動装置も難しいという誠に使い勝手が悪いものです。自動車自動運転はレベル0~レベル4まで分類されており、レベル4は運転者が全く運転にタッチしない完全自動運転です。多分人工知能を装備していると思います。わたしが問題だと思うのはレベル3です。というのは、人工知能を搭載していないため、自動装置に何らかの不具合があった場合、即時運転者が運転を引き継がなければならないからです。しかし、考えてみてください。他車と衝突しそうになっているとか、車線を逸脱して壁に衝突しそうだとか、そのような事態に立ち至った時、運転者は状況を理解するのに時間がかかると考えられ、また、理解してから行動を起こすまでまた時間がかかります。高速で走行時にそんな時間的余裕はないと考えられませんか?レベル3は現実問題として実現可能性があまりないと思います。しかし、行政がこれを認可した場合は、世界中で自動運転中の事故が発生するでしょう。レベル3の場合、自動運転中でも事故があれば全ては運転者の責任となっています。レベル4自動運転中事故の責任は、当然車両製造者になると考えられます。これを書いている最中に思うことは、ペダル踏み間違い事故のことです。全てのメーカーは、あまり効果が期待できない自動ブレーキにこぞって力を注ぎ、ペダルの配置不具合という根本的な問題に目を瞑っているように見えます。なにか自動運転レベル3と状況が似ていませんか?ペダル踏み間違い事故は、すべて運転者の責任となります。だから事故が人身事故となった場合には、運転者は刑事責任を問われます。自動運転レベル3での事故も同様に運転者は刑事責任を問われます。わたしは、レベル4以外『自動運転』という字句を使うべきではないと強く思います。レベル3での事故の刑事責任をとって交通刑務所にいきたいですか?img1_file5795eb36deba3     各自動車メーカーの研究費(出典:日刊工業新聞2016年9月2日net配信記事)--------------------------------------------

 

 

レベル3 自動運転:加速・操舵・制動を全てシステムが行い、システムが要請したときはドライバーが対応する状態。加速・操舵・制動を全て自動的に行うシステム。通常時はドライバーは運転から解放されるが、緊急時やシステムの限界時には、システムからの運転操作切り替え要請にドライバーは適切に応じる必要がある。事故時の責任はドライバーとなる。レベル3に該当するシステムは2016年時点で市販されていない。しかし、自動車専用道走行中のみに限定する等した日産プロ・パイロットを搭載したセレナが8月下旬発売予定と発表され[11]、他の多くの自動車メーカーやその他の企業が、レベル3相当の自動運転車の市販に向けて開発を行っており、日本政府も2020年までにレベル3自動運転車の実用化を目標としている。

レベル4 自動運転:
完全自動運転。加速・操舵・制動を全てドライバー以外が行い、ドライバーが全く関与しない状態。安全に関わる運転操作と周辺監視をすべてシステムや外部に委ねる。有人、無人両方がある。レベル4に該当するシステムは、上記の鉱山等で運用されている無人ダンプや無人軍事用車両等、特殊環境で運用されているもののみで、一般市民が公道を走れるものは2016年時点では市販されていない。
2016年に世界で初めてオランダで公道でレベル4相当の無人バスの試験運転が開始された。無人バスは、WePodと名づけられている。それまではレベル4目的の試験車両でも公道走行時にはドライバーが必ず必要であったが、これはドライバーなしでオランダ社会基盤相等の6人の乗客を乗せての公道走行を行った。公開されたデモでは約8km/hで約200mほど公道を運転手不在で走行しただけだが、2016年の夏には一般の乗客を乗せて、約24km/hで約11kmほどのルートを走行する公共交通機関として運用が開始される予定である[12][13]
日本政府はレベル4の自動運転の実現は2020年代後半を目指すとしていたが、上記のように特定のルートを走る無人タクシー、バスという形で海外でレベル4の自動運転車の実用化が具体的になってきたこともあり、日本においても東京オリンピックが行われる2020年にレベル3の自動運転車の実現と平行して、レベル4の無人タクシーの運用開始を目標とする事を発表した[14]
アメリカでは、カリフォルニア州でレベル4の自動運転車を規制する法案がカリフォルニア州運輸局から提出されたが[15]、その後、より上位のアメリカ全土の交通規制を管理するアメリカ運輸省は、「自動運転の人工知能はドライバー」であるとレベル4を容認する見解をしめした[16]。(レベル3、レベル4について出典:Wikipedia)

ハイライト部分は、本当にこじつけであって、運転者が運転をテイクオーバーする時間的余裕がないため、実現不能です。『自動運転の人工知能はドライバー』って意味になっていますか?? 多分自動車メーカーから当局への圧力があったのでしょうね。ちょっと立ち返って考えると、バッカじゃなかろうかと思いませんか? ホント何のための自動運転でしょうか?

コメントする

お名前・メールアドレス・コメントは必須です。
メールアドレスは公開されません。

トラックバックURL