テスラモータースが自動運転動画をアップしました!(S3中国事故動画あり)

30 10月 2016

テスラ自身の自動運転動画—

2016年5月ペンシルバニア州でトレーラーの側面にノーブレーキで衝突し、死亡事故となったテスラモデルSですが、その事故原因を米国のNTSB(国家輸送安全委員会)が調査中です。未だ原因が特定されていません。そのような状況にも拘らず2016年10月21日テスラモータースが完全自動運転(レベル4-下記参照)を思わせる動画をネットにアップしました。まったく懲りない人たちだと思います。仮にも自動運転を疑われる中でひと一人が亡くなっている状況で、また自動運転のCMをこれみよがしに打たなくてもよいのではありませんか?自動運転といっても、レベル0(ゼロ)からレベル4までひと(運転者)とのかかわりの度合いで等級分けされており、現在認可されているのはレベル2までです。完全自動運転(レベル4)を行うためには、ソフト、ハードの両面から様々な問題があり、ソフトの面では、自動運転中に万が一交通事故が発生した場合、誰が責任を負うのかという問題が、損害保険の問題を含めて発生します。ハードの面では、走行中、障害物センサーの誤作動・誤認識に人間(運転者)が関わることなく処理できるかという問題があります。一般的には、人工知能の搭載が必要といわれています。レベル3は、自動運転中に不具合が発生したらクルマの制御を人間の運転者が即時取って代わることになっていますが、人間の状況判断時間および決断時間、そして運転操作にフィードバックする時間がかかり、その間に事故となってしまうという問題からあまり現実的なものではありません。さて、懲りない人たちがアップした自動運転動画を転載します。

 

動画出典:テスラモータース

この動画では運転者の手が完全にハンドルから離れていますが、日本では許可されていません。また、動画の中で、ハンドルから完全に手を離しているのですが、いつでも握れるような状態で、運転者の手がピクッピクッと動くのが面白いです。運転者はビクビクもので、本当は手を出したいのでしょうね。

VOLVOエンジニアによる自動運転に関するテスラ批判ー

世界中で開発が進められる「自動運転カー(自律運転車両)」に先駆けて、EVメーカーのテスラは2015年10月に「モデルS」のソフトウェアをアップデートする形で自動運転機能を一般向けの車両でデビューさせています。テスラのクルマは、『走るスマホ』といわれているように、いくらでもソフトウエアのアップデートが可能なようになっています。既存の自動車メーカーのお株を奪う形で後発メーカーのテスラが時代を先取ることになったわけですが、テスラが世に出たのは2003年頃の話で、自動車メーカーを名乗るのもおこがましいのですが、要するに《Paypal》というセキュリティ付きのネット代金支払いシステムで金を儲けたイーロンマスク氏が、電気自動車をつくるということで、あちこちの自動車メーカーから技術者を金にあかせてかき集めて出来上がった企業なのです。自動車製造に関するノウハウも何もない超促成企業です。中国韓国の自動車メーカーにその企業形態が酷似しています。

テスラと同様に自動運転車両の開発を進めているVOLVO ボルボのエンジニアはテスラの自律運転技術について「Wannabe(ワナビー:~気取り)」:つまり、半自動運転(レベル2)なのに如何にも全自動運転(レベル4)ができるかのようにWannabe(気取っている)と語りました(ボルボで事故回避関連のシニア・テクニカルリーダーを務めるトレント・ビクター氏がThe Verge(アメリカの科学雑誌)のインタビューの中で語ったものです)。そうなんです。わたしが度々本トピックスでテスラを取り上げるのは、何か胡散臭いものを感じるからなのです。しかし、VOLVOにしても、さきほど取り上げたソフト、ハードの諸問題を解決している訳ではありません。状況は、テスラと同じ土俵にたっています。だから、VOLVOの技術者が、テスラは偽物で自分たちは本物ですと主張するのには若干の無理があります。要は人工知能の車体搭載と事故が起こった際の責任の所在、損害保険の問題に行きつきます。

 

動画出典:VOLVO,youtube

VOLVOは完全自動運転(自律走行車両 レベル4)を目指しており、そのことを公言しているのはテスラに比較して正直であると思います。それが冒頭の発言に表れているのかもしれません。

 

テスラモデルS中国での死亡事故(衝突動画)ー

次に既報のテスラが中国で起こした死亡事故(路肩に駐車中の道路清掃車にノーブレーキで衝突)の動画(出典:youtube)が漸く入手できたのでここでアップします。幸い死亡事故にはならずとも、このような事故を多分あちらこちらでやっていると思います。テスラがやっているような《自動運転レベル4》があたかも可能であるようなCMは、消費者に誤解を与えて事故を誘発すると思います。

 

動画出典:youtube

テスラモーターでは、これが自動運転だったかどうかは不明、車両の破損が酷く解析できないとしています。また、事故車両運転者の遺族が情報を提供しないので原因調査ができないともコメントしています。しかし、遺族が情報を公開しないから事故原因調査はできませんとするのは、少しおかしいのではありませんか?遺族は、テスラディーラーとテスラモータースに損害賠償裁判を訴訟しています。しかし、この動画を見る限り、道路を真っ直ぐに直進し、ノーブレーキで突っ込んでいるところを見ると自動運転だったような感じが濃厚です。運転者は眠っていたか少なくとも前を見ていません。

 

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