ペダル踏み間違い事故がなぜ急激に増加?

27 7月 2019

標記のような記事が出ていました。

ペダル踏み間違いに拠る事故は、AT車が日本市場に出た1970年代から発生しています。ただ、報道されなかったか、運転者の単純な過失として処理されていただけでした。それは2019年に至るまで連綿として続いています。

さて、どんな記事なのか見てみましょう。

なぜ急激に増加? アクセルとブレーキの踏み間違い事故が起こるワケ

6/17(月) 11:40配信 Auto Messe Web

なぜ急激に増加? アクセルとブレーキの踏み間違い事故が起こるワケ

肉体的な衰えが事故を招く

 高齢ドライバーの起こす交通事故が目立っている。その中にはアクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違いが原因と報道されているものが目に付くという声もある。実際、交通事故は減少傾向にあるとはいえ、2018年でも43万件が発生、52万4695人もの方がけがをされ、3532人の方々が残念ながら亡くなってしまった。

(大野意見):同じITRDAの資料には2008年25歳以下の若年層の方が75歳以上の高齢層より事故が多かったこともあります。そこの説明がつかないですね。

意外に難しい左足でのブレーキ操作

この数字からすると、毎日10名程度の方が交通事故で亡くなっており、1200件近い交通事故が起きている計算になる。報道されている交通事故はごく一部であり、それを持って高齢ドライバーのペダル踏み間違い事故が多いと判断するのは早計だ。むしろ「高齢ドライバー・事故・ペダル踏み間違い」といったキーワードが耳目を集めるため、そうした報道が増えているという見方もできる。

75歳を超えるとペダル踏み間違いが増える

 それはさておき、アクセルとブレーキのペダルを踏み間違えることによる交通事故は確かに発生しているし、高齢ドライバーになるとそうしたミスが増えるというのも事実であろう。公益財団法人 交通事故総合分析センター(略称:イタルダ)の統計によると、ペダルを踏み間違えるといったミスは24歳以下と65~74歳の同じくらいの割合で、25~54歳ではもっとも低くなり、75歳を超えるとグンと増えることが明らかとなっている。

その原因として考えられるのは、身も蓋もないが肉体的な衰えだ。現在、日本においてポピュラーかつ正しいとされているのは右足でアクセルとブレーキそれぞれのペダルを踏み込むという運転方法。そのため運転中は右足を踏みかえる動作を繰り返すことになる。足を持ち上げてペダルを踏みかえているケースもあれば、かかとを床につけて足首をひねるようにして踏みかえている人もいるだろう。

いずれにしても加齢によって膝の動きや足首の柔軟性は徐々に衰えていく。そのため、同じ動作を繰り返しているときに踏みかえたつもりなのに、足が思ったように動いていないということが出てくると考えられる。そうした高齢ドライバーは、周囲の状況から急かされるなどして焦れば焦るほどミスを起こしやすい。

なぜ急激に増加? アクセルとブレーキの踏み間違い事故が起こるワケ

駐車場での踏み間違いが多いわけではない

 こうしてペダルの踏み間違いは起こる。そのトリガーとして体をひねって後方を確認したり、腕を伸ばして料金を支払ったりする駐車場ではペダルの踏み間違いが起こりやすいというのが定説だ……。しかし、イタルダの統計を見ていると、たしかに高齢ドライバーにおいては駐車場でのペダルを踏み間違い事故が増える傾向にあるが、どの年齢においても単路(一般道路)での事故件数がもっとも多かったりするのだ。余談だが、単路でのペダル踏み間違い事故はATだけで起きるわけではない。ブレーキを踏んでいるつもりでアクセルを踏むといったミスはMTでも起きうる。

とはいえ、単路における事故原因はペダルを踏み間違い以外が圧倒的に多い。その反面、事故件数自体はさほど多くないが、駐車場での事故は踏み間違いによるものが多くなる。とくに75歳以上の高齢ドライバーにおいては駐車場で起こす事故の10%以上がペダルを踏み間違いに起因しているということだ。ただし、逆にいえば80%以上の事故はペダルを踏み間違い以外の要因で起きている。ペダルを踏み間違いがなくなれば、交通事故が半減するという話ではないのだ。それでも10%以上の事故が減らせるのであればペダル踏み間違いを減らす努力をする価値はある。

いまさら操作系を変えるのも難しい……

 さて、ペダル踏み間違いを起こしても、すぐに気付いて踏みかえることができれば大きなアクシデントにはつながらない。それができないのは、ブレーキだと思い込んでいるからアクセルペダルから足を離せず、まして減速しようとしてさらに強く踏み込んでしまうからだ。さらに予想外の加速により、体が硬直してしまったり、パニックになって冷静さを失ってしまったりすることでリカバリーできずに、被害を大きくしてしまう。

その対策として、車両側でいえばソナーを利用した誤発進抑制機能が広く採用されている。またアクセルペダルの踏み込み量を検知して、一定のレベルを超えるとアクセル操作を受け付けないようにする後付けの安全装置も売られている。前者は基本的に新車時に装備するもので、後付けできるメーカーもあるが車種は限定される。後者もバイワイヤの電子スロットル車にしか対応しない。

踏み間違い対策のドライビングテクニックとして左足ブレーキを薦める声もあるが、この手の技術は向き不向きがある上に、高齢ドライバーがいまさら新しい運転技術を習得するというのは現実的ではない。そこでおすすめしたいのが両足ブレーキだ。

(大野意見):

❶この手の技術に向き不向きはありません。遊園地のゴーカートと基本的に同じですから。

❷高齢ドライバーでも遊園地のゴーカートを運転するのは難しいことではありません。

そこでおすすめしたいのが両足ブレーキだ。通常の停止時に

加齢によりブレーキを踏む力が弱くなっているために通常の停止時にもブレーキを踏む力が緩んでしまうこともあるだろう。そうしたときに右足でブレーキを踏んでいるのをアシストするように左足もブレーキペダルに足をかけて両足でペダルを踏むことで、強いブレーキングとなる。通常の運転は右足でブレーキングするので運転がギクシャクすることもない。あくまでも停止してから左足の力を加えるといったイメージだ。

そうして停止時限定のテクニックとして両足でブレーキを踏むクセをつけておけば、もし右足がペダルの踏み間違いをしたときにも、結果的に左足でブレーキを踏むことができるだろう。さすがに両足でアクセルペダルを踏むというのは考えづらい。ブレーキオーバーライドといってブレーキ優先の機能がついているクルマであれば、それによって減速できるし、そうした機能がない古いモデルでもブレーキペダルを踏んでいれば、少なくとも減速はするので被害を抑えることが期待できる。

(大野意見):こんな小難しいことができる人がいるでしょうか?ブレーキオーバーライドがついていないクルマにはあまり効果がありませんね。

 

 

 

 

コメントする

お名前・メールアドレス・コメントは必須です。
メールアドレスは公開されません。

トラックバックURL