西新宿はとバス事故は踏み間違いです!

05 12月 2019

西新宿で「はとバス」事故が発生しました。どんな事故だったかというと:

画像出典:wikipedia

この記事を見た瞬間、ペダル踏み間違い事故に違いないと思いました。自動車の交通事故は、原因調査は重大事故を除いて行われませんが、事故後1日も経過していない段階で警察関係者やマスコミから「よそ見運転か?」というような憶測記事がでています。ひと一人が亡くなっているのに無責任です。

参考までに以前投稿したセミオートマチック搭載トラックの暴走事故記事を転載します:

神戸灘区トラック暴走事故は踏み間違い(佐原本線踏み間違い事故追報含)

事故の事象をみると明らかにアクセルを踏んで暴走状態になっています。また、事故が起きたのが午後18時35分なのにはとバスの運転者は、逮捕され病院での負傷検査のため釈放されるまで4時間にわたり拘束されています。負傷検査は事故直後に行い、逮捕拘束するのはそのあとではないでしょうか? これは、人権問題ではないでしょうか?

事故車両である、はとバスは、日野自動車製のS’ELEGA(セレガ)スーパーハイデッカー若しくはハイデッカーのようです。そしてこのバスは最近流行しているセミオートマチック搭載車両です。すなわち、2ペダルです。

わたしは長年「ペダル踏み間違い事故防止」について研究しています。AT(オートマチックトランスミッション)は、そのなかで1940年ころにアメリカで発明され、その後急速に普及したのかについて考えてきました。ATというのは、流体継手がもたらした大発明です。カールベンツが発明した内燃機関はもともと低回転では力が出ないという欠点を持っていました。それを解決したのが「クラッチ(杖)」です。クラッチ板を滑らせながら、誤魔化しながら低回転のエンジンでもエンストせずに発進できたのです。ATは常時ギアとエンジンが繋がっている状態です。だからクリープ現象といってドライブにギアを入れた状態では、ブレーキをかけなければ停止状態から発進してしまいます。

ATが流行した主な原因は、「渋滞」にあると思います。何十キロも渋滞するお盆のような時、MT(マニュアルミッション)では、クラッチ操作だけで疲労困憊します。

2019年現在、AT乗用車の市場占有率は、98%くらいになります。一方、長距離運転を行うトラックバスでは、長年ATは受け入れられませんでした。何故なら流体継手(トルクコンバーターなど)ではエンジンからトランスミッションへのパワー伝達ロスが大きすぎて重い荷物を積載するトラックには不向きでした。バスは乗客は軽いのでATを搭載しやすかったと思います。

投稿途中ですが、セミオートマチック トランスミッションについて書きます:

からの記事になります:

トラックに搭載されるセミオートマは乗用車のATとは異なる

クラッチペダルがなく自動変速を行うミッションシステムはATと呼ばれますが、ひと口にATといっても乗用車に搭載されるATシステムとトラックに搭載されるATシステムは異なります。

一般的に乗用車や小型トラックに搭載されるATシステムはトルクコンバーター(通称:トルコン)式ATと呼ばれるミッションシステムで、トラックに搭載されるATシステムは機械式セミオートマと呼ばれるミッションシステムですので、両者の特徴を紹介します。

トルコン式AT

ATフルードと呼ばれる液体トルクコンバーターでエンジン出力をトランスミッションに伝えるATシステムで、非常の多くの乗用車に搭載される一般的なATシステムです。自動変速装置とも呼ばれ基本的に変速の管理はシステムが行い、ドライバーは前進と後退を選択して自動車を走行させます。

機械式セミオートマ

トラックに搭載されるMTシステムをベースに自動変速機能とドライバーが任意にシフト段を選択できるように開発されたのがセミオートマです。エンジン出力に対してトルクコンバーターを使用せずに機械的な変速を行うため、機械式セミオートマとも呼ばれます。

国内トラックメーカーの開発したセミオートマシステムとは?

エンジン同様トラックにとって心臓部ともいえるトランスミッションは、各メーカーが技術力の総力を注ぎ込み開発する非常に重要なパーツであり各社が高性能なセミオートマ開発を行っています。

日野自動車

日野のトラックに搭載されるセミオートマシステムは「プロシフト」です。MTシステムのシフトチェンジを自動化し、他社のオートマとは異なりATではなくAMTとして表記されています。

先進のトランスミッション

模範的な運転をサポート。Pro Shift(6速AMT╱7速AMT)

燃費効率の良い回転域を自動的に選択するAMTを全車に採用。優良ドライバーのようなシフトチェンジが可能で、燃費の向上に貢献。また、さまざまな操作を手元で手軽に行え、運転の負担を軽減します。(リミテッドエディションには設定はありません。)

  • ギヤセレクター
    ギヤセレクター ダイヤルを回すだけで、N、D、Rのレンジ切替、D、Rの「SLOW」モードへの切替が行えます。
  • シーケンシャルレバー
    シーケンシャルレバー オート/マニュアルのモード切替、ギヤのUP/DOWN操作が手元で行えます。

 

まとめ

トラックの自動変速運行を実現させるセミオートマは非常に便利で魅力的なミッションシステムで、次の3つのメリットが存在しますが新車では導入コストが高額となるため導入の際は中古トラック販売店で中古セミオートマトラック購入をおすすめします。

クラッチ操作が不要で運転時のドライバーの負担軽減がされる

誰が運転しても安定した燃料消費量でトラックを運行できる

運転資格にとらわれずAT限定免許で運転できる

長々と書きましたが、要するに西新宿「はとバス」事故は、典型的な「ペダル踏み間違い事故」です。

そしてこの事故車両にはSAT(セミオートマチックトランスミッション)搭載であるが故の運転支援システムとして衝突軽減自動ブレーキが装備されています。

「セーフティ・サポートカー(略称:サポカー)」

サポカー:経済産業省・国土交通省や自動車関係団体では、高齢運転者を含めた全ての自動車運転者による交通事故の発生防止・被害軽減対策の一環として、自動(被害軽減)ブレーキなどの先進安全技術を活用した一定の運転機能を備えた車を「安全運転サポート車(サポカー)」と称してその普及に取り組んでいます。

 

画像出典:日野自動車

このような自動ブレーキは、運転者が主要な運転装置を操作したとき、全て機能解除となります。2019年現在、運転者が意図的に操作したか、あるいは誤って操作したか車両側では判断できないからです。すなわち、ペダル踏み間違い事故では、運転者がアクセルを踏み続けるため、全く効果がありません。

電子的装置の限界です。2019年現在、ペダル踏み間違い事故を防止できるのはアナログ装置だけです。

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OT式左足ブレーキシステムは、このようなバス・トラックに装着可能です:

 

コメント

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