「ペダル踏み間違い事故」に至るの3つのステージ

27 7月 2016

<第1ステージ>

停止乃至減速するためにアクセルペダルからブレーキペダルに踏み変えなければならないとき、(長年の慣れから?)無意識に踏み変えることを忘れるかまたは、踏み変えたと思いこむことが発生し、アクセルペダルを踏みこんでしまう。ただし、どちらのペダルであっても踏みこむことは正しい操作。この現象は心理学用語で<Cognitive Rut コグニティブラット>と呼ばれる。一例を挙げると、例えばアメリカ(右側通行)で日常的に運転していた人が来日(左側通行)し、日本車を買って運転していたが、慣れたころ出勤のため朝起きて車に行き、何気なく左側のドアを開けてしまうようなこと。すなわち、アメリカでは正しかった行為が日本では逆になってしまう。これはペダルが間違っていても踏みこむ操作自体は正しいことから発生することと同じである。

 

<第2ステージ>

アクセルペダルをブレーキペダルを踏みこむ強さで踏めば、車体は突然の急加速状態に陥る。その状態に陥るとドライバーは死の恐怖など激しいストレスに曝される。激しいストレス状態下では、脳前頭葉部分にある前頭前野皮質は容易に「機能不全」状態に陥る。その結果、生理的反射が発生し、前頭前野皮質が機能不全に陥る直前の行為(ペダルを踏み下げる)を継続することしかできなくなる。

<第3ステージ>

ペダルを踏み続けることを継続するため、車体は最大まで加速し、障害物に衝突して停止するまで走行する。一旦停止しても、車体のダメージが少ない場合、さらにバックにギアを入れてまた暴走する例もまれに見られる。2003年に発生した米国カリフォルニア州サンタモニカの踏み間違い事故の目撃者証言によれば、ドライバー(86歳)は真っ直ぐ正面を見つめ両手をハンドルの上に置いていたとのことである。この事故では、青果のオープンマーケットを暴走し、死者10人、重軽傷者73人を出している。

 

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