トヨタミライ、凄いクルマです

23 9月 2016

トヨタミライ スケルトンFCシステム概念図
トヨタミライ スケルトンFCシステム概念図 出典:トヨタ自動車

9月22日ミライの無料1か月点検に神奈川トヨタ横須賀店に行ってきました。

リフトで上げられたミライの下回りを初めて見ました。
ホントに他のガソリン車とは違っています。
フルフラットにパネルでカバーされ見慣れたものが何もありません。

後部パネルを外して初めて前部水素タンク(全部で2本設置されています)を見ました。
ついでに水素漏れ感知用センサーも見せてもらいました。

水素タンク
水素タンク 出典:トヨタ自動車

水素タンク

初めてボンネットを開けて中に何が入っているのか見ました。エンジンの代わりに入っていたのは、PCU=パワー コントロール ユニットと呼ばれるものでした。その下側には駆動用交流同期電機モーター(永久磁石式同期型モーター)が設置してあります。

ミライは、自動車というものの概念が根底から覆る偉業の現実化だと思いました。

パワー コントロール ユニット(インバーターとDC/DCコンバーター)
パワー コントロール ユニット
(インバーターとDC/DCコンバーター)
出典:トヨタ自動車

交流同期電機モーター(トヨタ自動車オリジナル)
交流同期電機モーター(トヨタ自動車オリジナル)
出典:トヨタ自動車

PCUのずっと後部にはFCスタックが設置され、FCスタックで作られた電気が昇圧コンバーターによって電圧を上げられた直流電流を交流に変換するインバーターとそれとは電圧が違う12Vのカーナビやライトなど補器類と補器類用バッテリーに充電するためのDC/DCコンバーターとかが入っており、同時に駆動用交流同期電機モーターに交流電流を供給しています。
DC電流を発電するのに何故交流モーターを使うのかというと、耐久性に問題があるためとのことです。
そしてFCスタックやPCUは熱を発して熱くなるので、専用の液体式冷却システム(専用クーラント使用)があります。そしてその熱は、エアコン用の熱交換器用熱源として用いられています。なんてカシコイ。

トヨタミライ FC STACK(370列)
FC STACK(370列)
約370Vの発電能力発電時の熱はエアコンの熱源に

ミライは154馬力(113kW)、トルク335N・m(34.2kgf・m)です。
これをパワーウエイトレシオで考えれば、
トヨタカムリが総重量1815kg、160psで1馬力当たり11.34kg、
ミライが2070kg、154馬力で1馬力当たり13.44kgと重たい分トロイような感じがしますが、でも違うんです。

ガソリンエンジン(ハイブリッドを含む)との決定的違いは、ミライの場合、電気自動車ですからトルクピークがアクセルを開ければ一瞬でやってきます。

因みにトヨタカムリのトルクは、213N・m(21.7kgf・m)/4500RPMです。
ミライは上記のように335N・m(34.2kgf・m)ですからトルクは1.57倍あります。
トップスピードはいざ知らず、本気で加速競争したらこれは凄いと思います。

ミライを実現させた技術はいろいろあると思いますが、燃料電池は勿論のこと、先ず圧縮水素タンクです。
わたしがいつも充填している水素ステーション(ENEOS横浜南水素ステーション)は、82Mhpa(820気圧)というとてつもない圧力で水素を充填し、ミライはそれを半永久的に閉じ込めておけます(82Mhpaは、数あるENEOSステーションの中でも2店舗だけだそうです。他は70Mhpa)。
トヨタでは、満タン充填で約5kgと言っているようですが、実際は70Mhpaで約4.2か3kg、82Mhpaでは、約4.5kgです。
わたしの場合は、4.5入って、航続距離550kmか560kmくらいになります。

ただし、この水素タンクは15年と使用期間を定めてあります。
15年たったら1本100万円といわれるタンクを交換しなければなりません。

さて、世の中には、水素は危ないという都市伝説のようなものがあって、爆発したら街の1区画が吹っ飛んでしまうなんてことを真顔でいうひとがいます。中には自動車評論家のようなひとまでそれをいいます。多分、昔ヒンデンブルグ号という飛行船が爆発炎上したり、福島第一原子量発電所で水素爆発して建屋が壊れたりしたからではないでしょうか?
以前の投稿でこのお話しはいたしましたのでご興味がある方は、そちらをご覧ください。

違います。水素はむしろ気化ガソリンよりも安全です。
気化ガソリンは空気よりも重いのでいつまでも滞留して燃え続けますが、水素は極めて軽いので外部に漏れてもあっという間に拡散してしまいます。たとえ火がついてもあっという間に燃えてつきてしまいます。
水素の着火空気濃度は4%から75%ですが、外部環境ではこの濃度にはなりません。だからみなさん、安心してミライに乗ってください。

ただし、いまのままでは、ミライといえど『ペダル踏み間違い事故』は防止することができません。こんなにも凄いクルマなのにペダルは依然として従来型の配置だからです。
ミライにも『大野式手動スロットル』を装着するよう着々と準備中です。

蛇足ですが、トヨタはカシコイから「踏み間違い防止」装置とは一言も言わないですね。どこかの某メーカーとは違って。
ま、あそこは、51%の株をフランス ルノーが持っている外資企業ですから。
しょうもない電気自動車出したりね。エアコンつけて坂道上って100km走らないのでは何もできないし、5年たったら電池の能力が落ちてきて50kmがやっとという話もよく聞きます。また聞きだからわかりませんけれど。

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