化石燃料及びウラニウムの採掘可能年数について,だから水素です

17 8月 2016

わたしが若いころ1970年代ですけれど、東南アジアボルネオ島北西部にあるブルネイという国でローヤルダッチシェル石油ブルネイ本社ビル新築工事の現場監督をしていました。島全体が砂地で砂を掘るとすぐ水が湧き出るようなところでした。基礎部分の工事ではウエルポイントという排水システムで排水工事をしながら工事を進めました。そこでシェル石油の工事監督者であるイギリス人技術者から聞いた話では、石油は砂の下にある、だから採掘するのが難しいという話でした。さて、以下は京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんのお話しです。1930年代石油可採推定年数は18年でした。1940年代では23年でした。そして1950年代ではやはり23年でした。1960年代に入ると、35年に伸びました。1990年代では使用量が大幅に増加しているのにさらに45年となりました。かなり海底深い部分まで掘れるようになったことも大きく寄与していると思います。さて、2012年では53年とまた大きく伸びました。シェールガスも採掘可能となりまた、採算ベースにも十分のってきましたので将来はかなりバラ色です。そして使い勝手の良い天然ガスは現在の使用量から考えると約56年分あるそうです。さて、今度はウランのお話しです。ウランは現在確認されている状態で60年から90年となっています。わが国では人形峠の採掘失敗の後、ウラン輸入は精製ウランをアメリカから全量輸入しています。福井のもんじゅ高速増速炉の失敗もあり、プルトニウム増殖ができなくなった今、原子力での未来はあまりバラ色ではありません。また、核廃棄物の処理ができないためかなりやっかいな代物となっています。ただ、1950年代より石油に代わる国策エネルギーとして国のエネルギー政策根幹にあったため、電力会社の総括原価方式など会社利益の源泉になっているため急には廃炉などの方向転換が難しい状況になっています。福島では5年たった今でも溶けた燃料棒の所在が解っていません。凍結土壁も失敗しました。原子力は一度火をつけたら人間の手では消せないということと思います。危ないのは判っているのに痛し痒しです。

長々と書きましたが、だからこその水素なのだと思います。

 

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福島の現状(2016年)汚水タンク群。現在も増え続けている

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石油石炭ウラン可採推定年数

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