出光興産のお家騒動

08 9月 2016

わたしの尊敬する人に出光興産創業者出光佐三氏がいます。作家百田尚樹さんの「海賊になった男」という小説でも有名ですが、日本人、愛国者です。わが国日本には、石油資源がほんの僅かしかありません。だからここでも度々申し上げているように国産化できる水素エネルギーに変換していかなければなりません。戦後『脱亜入欧』のスローガンの下、グローバリズムの波に乗って突き進んできてしまいましたが、最近グローバリズムに疑問を持つ人たちが増えてきたと思います。グローバリズムの本家本元の英国がEUから離脱したのもグローバリズム崩壊のひとつの表れと思います。わたしは2006年に出光興産が東京市場に上場したのも創業家が止めきれなかった、グローバリズムの流れの一環と考えています。数年前まで出勤簿もなく、定年制もなく、労働組合もなく、社員皆家族という大家族制でやってきた会社が、労働組合を2つもつ西洋式の会社を合併してうまくいくはずがないと思います。日本には日本のやり方があると思います。大体シェル石油は、本家本元がローヤルダッチシェルという外資ではありませんか。昭和シェル石油なぞ放っておけばいいのです。全てをアメリカをはじめとする西洋流のやり方を真似するのは間違っていると思います。それにつけても思い起こすのは、昭和28年(筆者の生まれる前年)の日章丸事件です。大英帝国は日が沈まないといわれていたときです。イランは第2次大戦後独立国になったとはいえ英国がイランの石油を植民地のように独占していました。イラン国民は自分の石油を自分のために使えなかったわけです。イラクではフセイン氏が自分の国民に石油利益を使ったら大量破壊兵器を持っているとかで米英にやられました。イランは石油を世界に売ろうとしたときに、英国はイランから石油を買う船は『撃沈する』と脅したわけです。英国というのは本当に嫌な奴ですね。実際英国は日章丸を本当に撃沈乃至拿捕しようとしました。もっとも当時出光も進駐軍スタンダード石油(ロックフェラー)の圧力(いやがらせ)に押されて自由に取引できずイランから石油を買うしかなかったのです。日章丸船長の新田辰男(当時62歳 今の筆者と同じ年齢-正直偉いと思います)は英国海軍の裏をかいて、座礁の危機をすり抜けて川崎に帰港しました。出光佐三は英国には国際的な正当性がないと主張して、撃沈覚悟で日章丸をイランに送ったわけです。サムライだと思います。美しい人だと思います。愛国者です。だから今回の出光興産と昭和シェル石油の合併を巡って愛国創業家とグローバリズム現経営陣が争う姿を見ると大変悲しい思いがします。出光は、これだけの愛国企業にも拘わらず、水素ではENEOSに一歩リードを許しています。わたしは出光にこそ水素で日本を引っ張っていってほしかったです。出光佐三氏が生きていたらきっと烈火のごとく怒ったと思います。

 

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画像出典:http://www.mag2.com/p/news/213337

 

 

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出光興産本社帝劇ビル 画像出典:Wikipedia

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