風力で作るCO2フリー水素チェーン、大型実証PJTが本格始動 横浜で!

02 8月 2017

このプロジェクトは自己完結型の極めて有望な試みです。場所は神奈川県横浜市です。以下プロジェクトの概要です:

製造から利用まで、再生可能エネルギーを活用したCO2フリー水素サプライチェーンの構築を目指す実証が、神奈川県で本格的に始動しました。風力発電の電力で製造した水素を、物流倉庫や卸売市場に導入した燃料電池フォークリフトで利用する軽計画です。約1年かけて(2018年まで)、システムとともに実用化に必要なコストの削減余地などを検証していきます。  [陰山遼将スマートジャパン] の記事から抜粋

 風力発電を使う自己完結型の水素サプライチェーンの構築を目指す実証が、神奈川県で本格的にスタートしました。{神奈川県、横浜市、川崎市自治体}と{トヨタ自動車、岩谷産業、東芝(?そんな余裕あるのでしょうか?)?、豊田自動織機、トヨタタービンアンドシステム、日本環境技研}が環境省委託事業「平成27年度 地域連携・低炭素水素技術実証事業」として行うもので、CO2フリー水素の利用によるコストの試算やCO2削減効果を検証していくということです。もっとも大事なことは、CO2なんてどうでもいいのです。風力発電で起こした電気を使って水素を作ることにあります。それは大きなエネルギー革命です。将来、再生可能エネルギーから水素(国の基幹エネルギーとして)をつくれれば、それは凄いことです。

 実証プロジェクト ハマウイング

 実証では横浜市の沿岸部にある「横浜市風力発電所(通称:ハマウィング)」の敷地内に、水を電気分解して水素を製造する装置と(水を電気分解!水は無限にあります!)、水素の貯蔵システムを設置します。貯蔵した水素は圧縮装置を利用して専用車両(タンクローリーです)に充填(じゅうてん)し、京浜臨海部の市場や倉庫に運搬して、燃料電池フォークリフトの燃料として使用します。

画像出典:Wikipedia ハマウイング

ハマウィングは、住民や協賛企業の出資によって設立された風力発電所で、2007年3月から稼働を開始しています。Vestas社製の高さ78メートル、定格出力1980kW(キロワット)の風車を利用していて、設備稼働率は12.4%、年間発電量は約210万kWh(キロワット時)を見込んでいる。これがどのくらいの発電量かというと、例えば東京の姉ヶ崎火力発電所の定格出力は約60万kWh(1時間あたり)です。1年間あたりとなると、60万kWh×8760時間(365日×24時間)になります。計算不能です。

ちょっとハマウイングからは脱線してしまいますが、関西電力火力発電所の原料別発電量のグラフを掲載します。原料は、石炭、石油そして天然ガスです。日本では石炭の採掘はしていないと思いますので、石炭も輸入かもしれません。

グラフ出典:関西電力 政府広報 右:紫;天然ガス 歩レンジ:石油 グレー:石炭 左:石炭輸入先は断然オーストラリア(66.1%)です。

風力発電の発電量は天候によって大きく変動します。風が強い日もあれば凪の日もあります。そこで電力が少ない場合には、蓄電池から各設備に電力供給し、安定して水素を製造・供給できる体制を整えました。ハマウィングの発電量が多い時は蓄電池に充電を行い、発電量が少ない時には蓄電した電力を水電解装置や水素圧縮機に電気供給を行います。

なお、蓄電地はハイブリッド車の使用済みバッテリーを活用しています。ニッケル水素電池を180個組み合わせており、150kWh(キロワット時)の蓄電能力があります。

画像出典:Wikipedia

 水素充填車2台で、4拠点に対していかに最適に水素を運搬していくかも重要な検証項目になります。今後は水素の製造から利用までを一元管理できるクラウドシステムを構築し、燃料電池フォークリフトの水素残量をリアルタイムで送信するシステムを作り、それに合わせて「ジャスト・イン・タイム」で配送を行うなど、運用の高度化にも取り組んでいくことにしています。これはトヨタ自動車などの在庫管理システムと同じことなので簡単にできるとおもいます。

 再生可能エネルギーを利用して製造した水素と、燃料電池フォークリフトの導入により、現在主流の電動・ガソリンフォークリフトと比較してCO2排出量を80%以上削減できる見込みだということです。

画像出典:Wikipedia

 実証期間は2018年度までを予定しています。焦点となるのは実用化に向けた課題であるコストの検証です。実証では水素の量産効果や規制緩和などにより、水素サプライチェーンの構築に掛かるコストをどこまで下げられるかなどを精査していきます。

2017年 黒岩神奈川県知事は水素推進派!

神奈川県は特に水素事業に大して関心が大きく、主に神奈川県知事の黒岩知事の力が大きいです。また、2017年7月に横浜市長に再選された林文子市長も非常に協力的だとのことです。喜ばしいことです。

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