自動車運転と脳の働き

09 3月 2017

『自動車運転と脳の働き』なんてまるでわたしには専門外のことですがペダル踏み間違いが何故発生してしまうのか考えてみたいと思います。踏み間違いが起こってアクセルを誤って操作しクルマが一旦急加速状態になると脳の前頭葉 前頭前野皮質が機能不全を起こします。何も考えることができなくなり、体は反射的に機能不全を起こす直前の動作を継続してしまうこと(ブレーキを踏むつもりが間違えてアクセルを踏んだこと。その後アクセルを床まで踏み続けて足を離すことができないこと)はこのHP上でも度々述べてきた通りです。

そこで先ず、運転するということは脳がどういうプロセスで機能するのか考えてみたいと思います。

《運転するってどういうこと?》

運転するにあたって周囲の状況は先ず、眼から視覚情報が入ります。目から入った視覚情報は:

❶ 目から入った光の情報を眼球の網膜が電気信号に変換し、視神経を    通って後頭葉に伝えます。後頭葉に入った光情報は頭頂葉と協力して処理され、人の顔や物の形などを認識しています。特殊な方法で後頭葉を電気刺激すると、実際に光がみえるようです。(以上 稲村脳神経外科クリニックのHPより)

 

画像出典:稲村脳神経外科クリニック

❷ 例えば進行方向に赤信号が目に入ったとしましょう。この情報は海馬にある長期記憶ストレージから今までの記憶を呼び戻し、クルマを停止させなければならないとの状況判断になります。手足を動かす命令はここで出されて、脳の運動野を通り、脊髄を経由して、手足に送られます。この命令が通る道は途中で左右が交叉して、右側の運動野は左半身を、左側は右半身を支配しています。

つまり、クルマを停止させるという指令は、具体的に『ブレーキ』を踏むために足を動かせという運動野の指令となります。

A: 従来型ブレーキの場合は、右足に左の運動野から、アクセルから右足を離して踏み換え、ブレーキを踏めという指令が発せられます。

B: 左足ブレーキの場合、『ブレーキを踏む』という指令は右の運動野(右脳)から発せられる訳です。

画像出典:稲村脳神経外科クリニック

 とすると、従来型ペダルシステムでは、アクセルを踏んでいる右足を膝を曲げてペダルから離し、同時に隣のペダルに踏み換えをするために足を左に移動し、そして再び膝を伸ばしてブレーキを踏む指令が次々に左脳の運動野から出されることになります。ここでペダル踏み換えの指令が端折られるか、あるいは忘れ去られることが起こると、ペダル踏み間違いが発生します!

一方、左足ブレーキシステムでは、左側に設置されているブレーキペダルを左足で操作します。すなわち、右脳の運動野から指令が発せられる訳です。この方法では左足は『単純』に膝を伸ばしてペダルを踏むだけです。

ブレーキを踏む指令が右と左の違った脳から運動指令が出るために左足ブレーキシステムにおいては、ペダル踏み間違いは明確に起こり得ません。万歳!

 画像出典:Wikipedia

 

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