左足ブレーキシステムへのよくある質問

13 5月 2018

みなさん「左足ブレーキシステム」についてのよくある質問ですが:

「咄嗟のときちゃんと左足でブレーキを踏めますか?」というものです。

さて、何と答えたらよいでしょう? 勿論、わたしは運転免許証を持っているひとならどなたでも咄嗟のときに左足ブレーキを踏めると信じていますが、それを証明することはとても難しいことです。なぜなら実験でとっさの状況を作り出すことは困難だからです。

また、そもそも左足ブレーキだろうが、右足ブレーキだろうがクルマの構造によって使い分けるのがクルマの運転というものです。

色々例があります。両脚麻痺のような運転者の方には手で操作するレバーブレーキ/アクセルがありますし、右側麻痺の方には左足で操作するアクセル/ブレーキがあります。また、わたしが開発した手動スロットルシステム(HAC-Tシステム)は、手でアクセルを、右足でブレーキを操作するものでした。

画像出典:大野一郎 左:左手親指でアクセル操作 右:右足でブレーキ操作

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

過去に(2011年5月頃)踏み間違いに伴う実車暴走実験をしたことがあります。・・・・・しかし、暴走は発生しませんでした。この実験は、自動車運転教習用の補助ブレーキが装着されている教習車2台を準備し、さらに助手席側に加速装置(アクセル)を追加して運転者に知らせることなく急にクルマを加速させたらどうなるか見るものでした。しかし:

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アクセルを踏んで暴走に至るひとはいませんでした。2018年のいま思い返せば、「ペダル踏み間違い事故は、とっさの状況では発生しない」ということです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここでちょっとペダル踏み間違い事故のメカニズムについて復習ですが:

❶ブレーキが必要だが何でもない(ほとんど無意識下で)状況で、「踏み換え忘れ」(あるいは、すでに踏み換えたと脳が錯覚した状態)が発生し、踏み間違いとなる

❷ブレーキを踏む強さでアクセルを踏むため車体は急加速

❸車体の急加速のため脳が機能不全に陥る(頭が真っ白状態)

❹体は本能的に防御姿勢(既に出している右足をさらに突っ張る)となる

❺右足(アクセル)を突っ張っているために車体は暴走状態に!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

質問:「咄嗟のときに左足でブレーキを踏むことができますか?」

回答:「遊園地のゴーカートのように左足でブレーキを踏む構造の自動車は、咄嗟のときでもちゃんと左足でブレーキを踏むことができます」

 

画像出典:Wikipedia

画像出典:大野一郎

 

コメントする

お名前・メールアドレス・コメントは必須です。
メールアドレスは公開されません。

トラックバックURL