もと名古屋高検検事長 石川達紘氏の死亡交通事故裁判主張#1

17 11月 2020

ここで何回も取り上げている石川達紘氏の裁判で、彼がなにを主張しているのかについて文春オンラインの記事から抜粋します。

文春オンライン

トヨタの最高級車レクサスの暴走による死亡事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)などで起訴された元東京地検特捜部長の石川達紘弁護士(80)に対する初公判が2月17日午後、東京地裁で開かれた。  車載の事故記録装置などをもとに「運転操作を誤った」とする検察側に対し、石川側は「車に不具合があり勝手に暴走した。(石川の)過失はなかった」と無罪を主張。石川が無罪となれば、トヨタの技術の粋を凝らしたレクサスに何らかの不具合があったことになり、トヨタのブランドは大きく傷つく。  かつて「特捜検察のエース」と呼ばれた男と日本ナンバーワンの巨大企業との法廷闘争が始まった。(敬称略)

 

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「被告人に過失はなく、無罪である」公訴事実を全面否認

「天地神明に誓って、アクセルペダルを踏んだことはありません。踏み続けたこともありません」  17日午後1時半すぎ、東京地裁426号法廷。黒っぽいスーツに水玉のネクタイ姿の石川は起訴状に対する罪状認否で、まず事故で亡くなった被害者の遺族らに「心からお詫び申し上げます」と哀悼の言葉を述べたあと、起訴事実を全面否認した。 「車を停車中、待ち合わせの人が来たのでシートベルトを外し、ドアを開けて右足を外に出したところ、車がゆっくり動き出した。右足はドアに挟まれ、左足も宙に浮いたまま、車は加速して暴走。死ぬと思って気を失った。その後、運転状況を再現する実況見分で、足がブレーキやアクセルに届かないことが判明。(人を待つ間)運転席のシートを後ろにずらし、足がブレーキやアクセルに届かない状態にしていたことを思い出した」などと用意した書面を読み上げた。弁護側も「被告人に過失はなく、無罪である」と主張した。

一方、検察側は、石川と示談が成立した被害者の遺族の供述調書の要旨告知で、遺族が「厳罰を求めない」との示談条件を受け入れたが、処罰感情がなくなったわけではない、とする調書の内容を紹介した。  この日は、検察側、被告側双方が冒頭陳述書を朗読。検察側による物証や関係者の供述調書の要旨告知と、事故車に搭載されていた事故記録装置(イベント・データ・レコーダー、EDR)を解析した警視庁交通捜査課交通鑑識係の警察官と、トヨタ自動車の技術担当社員に対する検察側の主尋問が行われた。  石川は、検事時代、数々の特捜事件の捜査にかかわり、権力犯罪を暴いてきた。ロッキード事件の公判では、証人として法廷に立ったこともある。しかし、被告人席に座るのは初めての経験だ。名前や本籍などを確認する裁判長の人定質問では、答える声も低く、ややかすれたが、罪状認否では、声に力を込めた。

車の暴走距離は約320メートルに及んだ

 検察や石川側の冒頭陳述などによると、事故は以下のように起きた。  2018年2月18日、検察時代の部下だった弁護士ら4人と千葉県でゴルフをする予定だった石川は、午前7時10分すぎ、メンバーの女性を拾うため、東京都渋谷区内の道路に運転していたレクサスLS500hを停車した。鎌倉の自宅を出るときからブレーキホールド機能を作動させており、車は自動的にブレーキがかかった。

まもなく女性が現れたため、石川は車の後部トランクへの荷物の搬入を手助けしようと、トランクを開け、

「シートベルトを外してドアを開けて右足から外に出ようとした」

(大野意見:ここには重大な事実が隠されています。「鎌倉の自宅を出るときからブレーキホールド機能を作動させており、車は自動的にブレーキがかかった。」 ブレ―キホールド機能とは、坂道などでブレーキから足を離してもブレーキが何秒間かかかった状態になる機能、レクサスLS500では、以下の通り:

動画出典:youtube

わたしが言いたいことは、ブレーキホールド機能があり、ブレーキから足を離してもブレーキがかかった状態になり、さらにパーキングブレーキになったとしても、ギアは依然としてDドライブレンジにある状態で、クルマを離れてよいのか? ということなんです。レクサスLS500は、機械です。機械であれば当然故障、誤作動があり得ます。100%完全ではないのです)

クルマを離れるときは、教習所でも口を酸っぱくして教えているように、Pパーキングレンジにしなければなりません。

クルマが暴走したのはこの裁判の本質ではありません。本当に裁かれるべき:「予見可能な過失」は、クルマが動き出す可能性があるにも拘らず、ギアをDレンジからPレンジにすることを怠ったからです。

◇◇◇・・・

ところ、車が動き出した。車はどんどん加速。最終的に100キロを超えた。

(大野意見:これは当然石川氏がアクセルを「左足」で踏みこんでいるためです。

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石川は右足をドアに挟まれた状態で、ハンドルにしがみつき、暴走を止めるため、

左手をハンドルから離し、パーキングレバーを操作しようとした

(大野意見:わたしはこれは虚偽供述だと思います。また、「パーキングレバー」ではなく、パーキングスイッチ」だと思います。これは明らかな踏み間違い事故であり、暴走中運転者はなにもできません。後から考えた「辻褄合わせ」です)

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が、うまくいかず、反対車線の右側歩道を超えたところで意識がなくなったという。

(大野意見:これも虚偽供述だと思いますね。脳の機能不全に陥っていますが、意識を失うということはありません)

◇◇◇・・・

車は、反対側の歩道にいた男性1人をはねて死亡させ、商店に突っ込んで止まった。車の暴走距離は約320メートルに及んだ。  車は大破し、石川は右足甲を骨折し救急車で港区内の病院に搬送された。けがの形状は右足がドアに挟まれていたことを示した。警視庁が事故車を検証した結果、ブレーキコイルが焼け、部品がすり減っていた。ブレーキがかかった状態で突っ走ったことをうかがわせた。

(大野意見:何故、ブレーキがかかった状態で走りだしたのか疑問が残ります)

 

「安全運転サポート車」による事故

 事故を起こしたレクサスLS500hは、トヨタのレクサスシリーズの最高級車。17年10月にフルモデルチェンジで発売された。ハイブリッド仕様で、アクセサリーをフル装備すると価格は1500万円を超す。石川は、別のタイプのレクサスから乗り換えたばかりだった。 「先進の予防安全技術」がこの車の「売り」だった。政府が交通事故防止対策の一環として普及啓発している「安全運転サポート車」で、自動ブレーキやペダル踏み間違い時の加速抑制装置など安全運転を支援する装置を搭載していた。

本来は、ペダルの踏み間違いをしても、障害物との距離が縮まると、自動的にブレーキがかかる仕組だが、トヨタがホームページで公開している「トヨタの安全技術」では「衝突回避支援ブレーキ機能作動中にアクセルペダルを踏んだ場合等には、作動を解除する場合があります」とされている。

(大野意見:ここ凄く重要なところです。「衝突回避支援ブレーキ機能作動中にアクセルペダルを踏んだ場合等には、作動を解除する場合がありますとされている」: これなんですが、作動を解除する場合があります✖ 作動を解除しなければなりません〇 なんです。2020年現在のクルマには、AI人工知能が積載されていません。つまり運転者が主要な運転操作、アクセルを踏む、ブレーキを踏む、ハンドルを回すなどの操作をしたら、自動装置は必ず解除されなければなりません。これ、自動装置の大原則です。しかるに2020年現在の踏み間違い事故防止装置は、0~≒20km/hの範囲内では、運転者がアクセルを踏むなど主要な操作をしてもエンジンの回転数が上がらない仕組みとなっており、自動化装置の大原則に反します)

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「アクセルペダルを踏み込んだ記憶がない」

 百戦錬磨の検事であり弁護士であった石川にとっても、今回の事故は衝撃だった。本人は記憶していないが、事故直後、病院に担ぎ込まれた石川は、事故の被害者が死亡したことを知り、「自分が死んだ方がよかった」と周辺に口走ったという。被害者や遺族に申し訳ないことをしたと、落ち込んだ。  しかし、数日たってだんだん落ち着いてくると、自分の過失は何だったのか、と考えるようになった。事故の記憶は鮮明だった。警察は、アクセルとブレーキの踏み間違いの線で捜査していることはわかったが、石川には、車が発進した際、アクセルペダルを踏んだ記憶がなかった。踏み続けた記憶もなかった。自由な左足は宙に浮いたままだった感覚が残っていた。アクセルペダルを踏んでいないとすれば、車が勝手に動き出したわけで、自分に暴走の責任はないのではないか、と考えた。  自分がかかわった事故で人が亡くなっている。特捜検事として絶対的な正義の立場で権力犯罪の解明に当たるのとは事情が違うが、自分の体験を法律家として整理すると、運転操作を誤ったとして罪に問われる理不尽さを容認できなかった。  警視庁は、元検事の大物弁護士の事件とあって交通捜査課が捜査に当たった。石川と死亡男性の遺族の間で慰謝料を支払う示談が成立。石川が重傷を負ったこともあって在宅のまま捜査が続いた。  石川は捜査員に「アクセルペダルを踏み込んだ記憶がない」と伝えたが、警視庁側は、「衝突4.6秒前から衝突時まで、アクセル開度が常に100%を記録している」とする事故車のEDRの解析記録を石川に示し、それが、石川がアクセルペダルを強く踏み続けた証拠だと説明した。  石川は、事故車の座席位置で足がアクセルペダルに届くのか、事故車と同じ状態にした同型車を使って運転状況の再現実況見分を行うよう警視庁に求めたが、警視庁は応じなかった。警視庁側は、石川の記憶にもとづく証言より、自動車メーカーが製造した機械装置の方を信用した。  石川は、警察では埒が明かないと考えた。警視庁が求める「自由になる左足でアクセルペダルを踏んだ記憶はまったくないが、踏んだかもしれない」との供述調書の作成に応じ、警視庁は、18年12月21日、東京地検に事件を送致した。以後、検察が捜査の主体となった。

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この投稿では、文字数が4千字を超えましたので、一旦終了し、石川氏が左足がアクセルペダルには届かなかったと主張していることの自分なりの検証をしてみたいと思います。

 

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