ボルボのインテリセーフ（Intellisafe）自動ブレーキシステム

※1万台あたり事故件数は小数点以下を四捨五入

VOLVO交通事故調査隊

もう一つVOLVOには、立派な業績があります。それは、『VOLVO事故調査隊』という組織を作ったことです。

http://www.volvocars.com/jp/about/our-innovation/intellisafe/accident-investigation-teams

わが国には、公的な自動車事故調査組織がありません。たかがひとつの自動車メーカーがそれを作ったというのは驚くべき立派さです。ただし、民間の交通事故調査には、一定の限界があります。交通事故にはどうしても個人情報やひいては人の生き死にが介在し、それ以上深く掘り下げられないからです。本当の死因を確かめるために解剖を行わなければならない場面もあり得ます。だから本来公的な調査権限を持った調査組織が必要となるわけです。ともあれ、VOLVOの『交通事故調査隊』というのはVOLVO社のクルマだけに対する交通事故調査であり、後ろには安全性を売り物にした販売数増加の目的もあるわけです。そうはいっても自社のクルマだけになりますが、メーカーとしての観点から交通事故を見るということも大事な視点であります。この取組はなかなか立派な企業姿勢であると思います。現在日本には、交通事故の公的な調査組織がありません。警察の外郭団体である『財団法人 交通事故総合分析センター』というものがありますが、何の調査権限も持っておりませんので、交通事故の統計を出しているにすぎません。また、警察が交通事故の現場で行っていることは、現場復旧の事故処理と事故当事者の過失の割合を決めるとための犯罪捜査です。このことさえ交通事故件数が担当者の人数、能力をはるかに超えてしまうことがあり、正直に申し上げてマニュアルに従って仕事を進めているにすぎません。担当警察官も交通事故調査について調査の方法など、訓練を受けていませんので血を流している方に同情的になるということや自分の思いこみ、先入観等が優先してしまうことが多々あります。既報2016年8月11日付『2016年8月10日 千葉県市川市事故を受けてそっくりな事故（米国カリフォルニア州サンタモニカ）』でお知らせしましたようにアメリカにはNTSB（国家輸送安全委員会）という公的な交通事故調査機関があります。2003年7月16日、カリフォルニア州サンタモニカで86歳男性が運転する乗用車が道路を封鎖して開催されていた野菜の青空市に『ペダル踏み間違い』によって突入し、死者10人、重軽傷者63人を出した事故でNTSBが出した事故原因及び勧告は、まことにお粗末なものでした。事故原因は、『意図しない急加速に対して車体を制御できなかった』こと、勧告は、『道路を封鎖して行う青空市場のようなイベント会場の封鎖バリケードをもっと厳重に行うこと』というものでした。みなさんどう思われますか？

わたしだったら、事故原因は、『AT車のペダル配置及び操作方法の欠陥によるもの』、勧告は、『ペダル操作方法及び配置を早急に是正すること』と書きます。