水素エンジン車待望論!

29 8月 2021

このBLOGでもさんざん取り上げてきた「水素エンジン車」。文字通り、既存のコンバッション(燃焼)エンジンに燃料として「水素」を噴射して出力を得るクルマです。水素を燃やすとNOx(窒素酸化物)を排出するものの、CO²(二酸化炭素)は出ません。

燃料電池車トヨタミライが出た時は、世紀の発明だと思いましたが、既存のエンジンを使える水素エンジン車は、これまた世紀の発明です。水素エンジンは、圧縮水素を使いますが、圧縮水素を貯めて置けるタンクが存在しませんでした。そのため、過去水素エンジンを研究していたBMWは、液化水素を使う方式を研究していました。このことは後で詳しく。

水素エンジン車が発売されると、爆発的に水素充填ステーションが増加すると考えられます。

燃料電池車にとって、水素充填ステーションは、全国北海道東北2か所、関東18か所、中部15か所、近畿11か所、中国四国3カ所そして九州2か所、計51か所(2021年8月現在)に留まっています。これでは水素車は普及しないです。わたしもトヨタミライに6年(2021年8月現在)乗っていますが、水素充填ステーションには本当に困っています。遠くにいけません。

さて、水素エンジンとは何なのか以下youtubeの動画から:

動画出典:youtube

さて、この水素エンジン車は、2006年頃にマツダロータリーエンジンとBMWが盛んに研究していました。以下WEB版ベストカーの2020年11月号の記事から:

画像出典:WEB版ベストカー

RX-8で試作! マツダの水素ロータリーに感じた可能性と課題

マツダの武器はいうまでもなくロータリーエンジンだが、これが水素との相性がものすごくいい。ロータリーエンジンの燃焼室は、ローターの回転とともに移動するから、燃焼が始まるプラグ付近と高温の排気ポートが遠く離れている。

それゆえ、レシプロ水素エンジンを苦しめた早期着火とは無縁で、吸気ポートに水素を噴射するだけで簡単に回ってくれる。

また、マツダは水素の貯蔵システムに関しても扱いの難しい液体水素ではなく圧縮ガスタンクを採用。最大圧力は最近のFCV標準の半分で35Mpaだったが、ガソリン燃料とのバイフューエル仕様だったから、実用航続距離には問題がなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(大野註)ガソリン燃料とのバイフューエル仕様?? それじゃ意味ないじゃん。つまり、水素エンジン車を可能にしたのは、トヨタの82Mpaの水素タンクが必要不可欠だった訳です。マツダはそれで躓いたのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

筆者は(ベストカー 文/鈴木直也)、マツダの水素ロータリー試作車にはRX-8とプレマシー両方に乗っているのだが、最初のRX-8ではパワーのなさにビックリだった。

まぁ、水素は理論空燃比で燃やした時の発生エネルギーがガソリンの半分程度だから、原理的に馬力が出ないのはしょうがないのだが、ガソリン燃焼モードに切り替えるといきなり元気になるので余計残念なイメージが強調される。

画像出典:WEB版ベストカー 前:マツダRX8、後ろプレマシー 水素ロータリー試作車 RX-8を試乗した際、パワーのなさに驚いたと筆者は語る。水素だとガソリンに比べ、原理的に馬力が出ないからだという

画像出典:WEB版ベストカー 水素ロータリー試作車の次に開発されたプレマシーでは、水素ロータリーで発電機を回すシリーズハイブリット化させた。駆動が電気モーターだからトルクもあった

これをカバーするためか、その次に造られたプレマシーでは水素ロータリーで発電機を回すシリーズハイブリッド化されたのだが、こちらは駆動が電気モーターだからトルクもあって元気に走る印象。

これでCO2ゼロエミッションなら悪くないよねと、水素ロータリーの可能性を感じることができた。

しかし、その後のFCスタックの急速な進歩が、水素ロータリーの価値を薄れさせてしまった。

水素を燃料とする以上、タンクや配管などの補機類はFCVも水素ロータリーも同じ。FCVならその他に必要なのはFCスタック+駆動モーター。水素ロータリーハイブリッドだと、ロータリーエンジン+発電機+駆動モーターとなる。

次はBMWの水素エンジンのお話しです:

画像出典:WEB版ベストカー BMWは、2006年に5L・V12エンジン搭載の7シリーズをベースに、水素エンジン車「Hydrogen(ハイドロジェン)7」を開発。ただ、少量生産のリースが主で普及には至らなかった

この方式を熱心に研究していていたのがBMWで、2006年には5L・V型12気筒エンジンを搭載した7シリーズをベースに、ハイドロジェン7という試作車を走らせていた。しかし、BMWの技術をもってしても、このプロジェクトはモノにならなかった。

水素はガソリンに比べると圧倒的に着火しやすく、高温となるエキゾーストバルブ付近で容易に早期着火が起きる。

これを避けるためにはシリンダー内直噴が有効だが、気体の水素を高圧で噴射するには、あらかじめ水素をリザーバー内で高圧にしておく必要があって、ガソリン直噴のように簡単ではない。

BMWは圧縮水素ではなく液化水素を使っていたため、燃料貯蔵に手間がかかっていた。水素エンジンは一筋縄ではいかない難物であったBMWは圧縮水素ではなく液化水素を使っていたから、蒸発するガスをいったんリザーバーに貯蔵し、それでも溢れるボイルオフガスは触媒反応で水蒸気に変えて排出するなど、燃料貯蔵にどえらい手間がかかっていた。

動画出典:youtube

内燃機関はやっぱりエネルギー密度の高い化石燃料を燃やして、ばりばりパワーを出す方が向いてるのかもしれませんね。

でもトヨタさんはやりました!!

動画出典:youtube

トヨタさん早く市場に水素エンジン車出してください。

コメントする

お名前・メールアドレス・コメントは必須です。
メールアドレスは公開されません。

トラックバックURL