イランとサウジアラビアが国交断絶した理由（出光創業家の合併反対理由）

遥か彼方のお話しですが、他人事ではありません。－

遥か彼方の中東のお話しですが、双方とも石油輸出国であり、中東からの石油がわが国への全石油輸入量の８０％を占めていることを思うと、とても他人事ではありません。これは、2016年10月14日付の本トピックス欄『速報（朗報）：出光興産、SHELLとの合併無期延期』を参照願います。昭和28年頃石油はセブンシスターズという国際資本に牛耳られ、イランは大英帝国（アングロイラニアン＝BP）の支配を逃れ、産出する石油を国有化して自分のために使おうとしていました。出光佐三翁は、日章丸2世を英海軍から撃沈される（本当にやりかねない勢いだった＝イランからの利益が無くなったので本当に頭に来ていました＝自分勝手なものです）危険を冒してイランに派遣し、2万2千キロリットルのガソリンを買い付けました。そういう因縁が昔からイランと日本にはあります。一方、中東のイスラム教には簡単に言うとスンニ派とシーア派という宗教教義が違う派閥があり、イスラム教徒の約９０％がスンニ派です。スンニ派の代表がサウジアラビアであり、シーア派の代表がイランです。2015年1月2日にサウジアラビアはアルカイダテロに関係したとして47人を処刑、その中にシーア派指導者ニムル師が含まれており、イラン国内のシーア派組織がイランのサウジアラビア大使館に火炎瓶を投げるという事件に発展、他にも様々な要因があって結局、両国は国交断絶するという事態になりました。因みに2015年の原油輸入量は、サウジアラビアからが6558万KL、イランからが989万KLと約6倍強です。

出光が昭和シェルと吸収合併を行うとどうなる？－

出光＝昭和SHELL吸収合併を行うと、実質的には出光が昭和シェルの株式を買収することになります。とすると買収後の出光＝昭和SHELLの株式構成は、創業家の次に来るのはサウジアラムコ社となります。サウジアラムコ社は、韓国ＳＯＩＬ社の当初３４％の株主でしたが、いつの間にか６４％の株主となり、いつの間にかＳＯＩＬ社の社長は、サウジアラムコ社から送りこまれ、全取引がサウジアラムコ社との間でしか行われないようになっています。サウジアラムコ社は、出光でも同じことを画策すると思われ、これは国益から見て得策とは言えません。2016年現経営陣しっかりせい！石油は2016年現在も強力な世界戦略物資であることは間違いありません。

イラクサダムフセインは善政をしいた。－

イラクのサダムフセイン元大統領の話をさせてください。ありもしない大量破壊化学兵器があると嘘を流され、多国籍軍と無理やり戦争になった挙句、国内のさんざん弾圧してきたシーア派の人々に殺されました。我が日本においては、極悪非道の人間として描かれています。しかしそれはマスコミの間違った擦りこみによる誤りです。サダムフセイン氏はスンニ派に属しており、大統領になる以前からイスラム聖職者シーア派から執拗に暗殺を狙われておりました。サダムは徹底的にシーア派の弾圧を行い、石油から上がった富を使って、コーランの教えに背いて婦女子に教育を与え、グルカを取り除き、そして国の文盲率を劇的に改善しました。全ての医療も無償で行いました。善政です。これがアメリカの気に入らなかったのです。おまえらは昔からの宗教上の頑迷固陋の中で生きていけばよいという考えです。黙って石油を差し出しておればよいと。戦争をしかけて空爆し、国はめちゃくちゃになりました。スンニ派組織のISIS絡みであの地域はめちゃくちゃ×２になりました。イラクの石油はいまアメリカのものです。わが国日本もいま、石油に依存した社会構造のため、石油がなければ『にっちもさっち』もいきません。完全にお手上げです。ある意味、大東亜戦争の開戦時と状況はあまり変わっていません。石油の輸入元がアメリカから中東に変更になっただけです（当時アメリカから８０％を輸入、2016年現在中東から８０％を輸入）。出光興産の創業家出光昭介名誉会長が合併反対を叫んでいる理由もここにあります。安易なグローバリズム、目先の利益を見ている2016年現出光経営陣は目を覚ましてほしいと思います。そしてここに『水素』の意味があります。水素は国家の重要な安全保障上のエネルギーです。ENEOS（JXエネルギー）は、一日一台か二台（2016年10月現在）しかこない燃料電池車（トヨタミライ）のために５億円（うち４億円は政府補助金ただし土地代除く）かけて水素充填ステーションを建設しています。立派な愛国心ではありませんか。わたしは出光にこそこれをやってもらいたいのです。