キューバのクルマ事情

キューバンシガーとサトウキビの輸出で有名なキューバ＝

地政学的に米国フロリダの南に位置し、４００年スペインの植民地でありました。その後米西戦争（アメリカとスペイン）を経て形式的にキューバ共和国として独立しましたが、実質的にアメリカの支配地域（保護国化）となっていました。キューバ南東部には2016年現在なおアメリカの租借地として米国海兵隊グアンタナモ基地（過激派組織アルカイダのメンバーを拷問した場所として有名）が存在します。1959年1月1日にキューバ革命が起こり、フェデル＆ラウルカストロ政権が発足しましたが、続く農地改革の過程でアメリカ企業の所有地を接収したことからアメリカとの関係が急速に悪化、東西冷戦下のソ連と急接近し共産主義国家となりました。そして1962年10月22日キューバ危機が発生し、アメリカとソ連との間で核戦争一歩手前までいきました。その時の大統領がJ. F. ケネディです。そして2014年3月21日アメリカの現職大統領として88年ぶりにオバマ大統領は、キューバを訪問しました。

キューバ国内には1950年代のアメリカ車がたくさんあります

2016年現在の今でも現役（！）で走っていますが、部品が供給されないために船のエンジンを使用したり、後輪駆動のクルマに前輪駆動のエンジンを使ったりしています。エンジン部品のパッキン用のゴムが入手困難なため、厚紙を使ったりしてとてもアイデアマンであり、ほとんどの部品は自分たちで作ってしまいます。キューバ国内に何台のクルマが存在するのかは不明ですが、旧ソ連製のLADA（ラーダイタリアFIATのコピー）の台数が過半数のようです。また、公共交通のバス、タクシーなどが少ないため、日本でいう白タク（キューバでは違法ではないようです）がたくさんあり、それで一家の生計を支えているひとも多いようです。日本では約10万km走ったらポンコツ扱いであり、多くの中古車が発展途上国に輸出されています。勿論、キューバにも日本車が存在するようです。日本では、自動運転自動運転と草木もなびく2016年現在、キューバのような国があって自動ブレーキが装備されたクルマは1台もなく、市民の足として必要不可欠の移動手段としてクルマを見るとき、考えさせられました。

Cuban President Raul Castro (R) raises US President Barack Obama’s hand during a meeting at the Revolution Palace in Havana on March 21, 2016. Cuba’s Communist President Raul Castro on Monday stood next to Barack Obama and hailed his opposition to a long-standing economic “blockade,” but said it would need to end before ties are fully normalized. AFP PHOTO/Nicholas KAMM / AFP / NICHOLAS KAMM (Photo credit should read NICHOLAS KAMM/AFP/Getty Images)

キューバ大統領ラウルカストロが2016年3月21日ハバナの革命宮殿で会議の後、US大統領バラクオバマの腕を高く掲げました。そして長きにわたった経済封鎖を終了させて通常状態に戻すことが双方合意にいたりました。（AFP PHOTO/Nicholas KAMM / AFP / NICHOLAS KAMM (Photo credit should read NICHOLAS KAMM/AFP/Getty）

キューバ危機のとき　右端　ケネディ大統領　出典：Wikipedia