このひと、勇気あるなー。東池袋踏み間違い事故の運転者であった旧通産省のもと工業技術院院長飯塚幸三氏(技術者としての日本のトップ)の会見を見ると、まさにわたしがいいたいことそのものでした。
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飯塚院長は「クルマの性能の改善が必要」だといっています:これは、技術者としてトップの位置にあった元院長の心の叫びです。
まさしくその通りです。年間6,900件にも上る「ペダル踏み間違い事故」。たしかに運転者がペダルを踏み間違えたことが直接の原因です。
しかし、一旦暴走状態になると、運転者はまったく制御ができません。物理的・生理的に制御ができません。
ここで「ペダル踏み間違い事故 暴走状態」になるまでを申し上げます:
1)ペダルを踏み間違える
2)車体の加速 ➡ ブレーキが効かない! ➡ ますます踏む ➡ 加速²
3)死への恐怖心 ➡ 前頭前野皮質部分の機能不全発症 ➡
4)脳全体に機能不全が拡がる ➡ 踏むという行為を止められない
5)クルマの制御不能状態 ➡ 障害物に衝突
これは明確にクルマペダル配置の欠陥です! メーカーは大して効きもしない自動ブレーキや加速抑制装置などの電子的な装置開発を止めてヒューマン・マシン インターフェイス(いわばアナログの機械的解決法)からの防止装置を造らないのでしょうか?
(東池袋踏み間違い事故については、メーカーが装着している加速抑制装置は効きません。勿論、事故車両はトヨタ20系プリウスで加速抑制装置は装着されていません。しかし、事故のきっかけは、ペダル踏み間違いをしてから左側ガードレールに接触し、そこから暴走に至ったものであり、加速抑制装置作動条件の時速15km以上の速度で発生したものと考えられ、すなわち、加速抑制装置は装着されていても効果なしだったと思われます。また、自動ブレーキは運転者がアクセルを踏むことによって「解除」となります)
それはメーカーが現ペダル配置が「欠陥」だと言われることを怖れているからです。「欠陥」だということになれば「リコール」しなければなりません。しかし、世界中のAT車のペダル配置が「欠陥」だということになれば何千万台のクルマがリコールとなり、各メーカーは倒産の嵐に見舞われることとなります。これはエアバッグ欠陥の「タカタ」どころの騒ぎではすみません。だから各国の監督官庁は、国としてリコールしないことと法律を立案すればいいのです。免責条項をつくるのです。その代わりHMI(ヒューマン―マシン・インターフェイス)からの アナログ式の踏み間違い事故防止装置を後付で装着するように行政指導するのです。
東池袋踏み間違い事故の犠牲となった母子、心よりご冥福をお祈りいたします。直接の原因者は確かに飯塚元院長です。しかし、クルマ自体に寄与原因があります! 飯塚元院長の逮捕・拘留などいくらしてもこの事故が減ることはありません。遺族の敵討ち感情は満たされるかもしれませんが、それで亡くなった母子は喜ぶでしょうか?
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動画出典:youtube 虎ノ門ニュース百田尚樹氏の東池袋踏み間違い事故加害者への発言は:1:53:08くらいからです。
百田尚樹さんは大変に好きな作家でこの人の著書はほとんど持っていて愛読しています。しかし、01:53:08くらいからの東池袋踏み間違い事故加害者への「暴言」を聞いたときは非常にかなしかったです。この先生が踏み間違い事故についてどのくらいの識見を持っているか存じ上げませんが、知らないなら発言を慎んで欲しかったと思います。
次はわたしが開発した HMI ヒューマン・マシン インターフェイス(アナログ機械式)からのペダル踏み間違い防止装置のご紹介です!
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画像出典:大野一郎
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